シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


61202005 

△刑法講義Ⅱ(各論)
Criminal Law II (Particular Crimes)
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  十河 太朗

<概要/Course Content Summary>

 本科目は,法学未修者を対象とした基礎科目である。 
 主な判例および学説を参照しつつ,刑法典に規定されている各犯罪の構成要件および処罰範囲について検討し,刑法各論の基本的知識を習得し,2年次以降に配当されている「刑法演習Ⅰ・Ⅱ」等の科目,さらに将来の刑事司法実務に対応できる基礎的能力の養成をめざす。 
 刑法各論に固有の問題ばかりでなく,刑法総論との関連を意識しながら講義を進める。刑法各論に関する重要な事項を効率的に学修する必要があるため,基本的に講義形式が中心となるが,可能な範囲で設例・設問を用いた双方向的授業形式を取り入れる。なお,授業計画は,受講生の理解度等を考慮し,変更することがある。

<到達目標/Goals,Aims>

 刑法各論に関する基本的な概念の意義を正確に理解するとともに,刑法各論上の基本的な論点について問題の所在,判例・学説の内容を踏まえた上で,具体的な事例において各犯罪の成立要件を充足するかどうかを適切に判断する能力を身につけることが,到達目標である。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) 刑法各論の意義,生命および身体に対する罪(1) 
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
 (1)  刑法各論の体系と保護法益 
 (2)  殺人の罪 
 (3)  傷害の罪 
(授業時間外の学習/ Assignments) 基本書やレジュメを読む。短答式問題や事例問題を解くことにより,理解を深める。 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 生命および身体に対する罪(2) 
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
 (1)  過失傷害の罪 
 (2)  危険運転の罪 
 (3)  遺棄の罪 
 (4)  堕胎の罪 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 自由および私生活の平穏に対する罪(1) 
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
 (1)  逮捕および監禁の罪 
 (2)  脅迫の罪 
 (3)  略取および誘拐の罪 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 自由および私生活の平穏に対する罪(2) 
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
 (1)  性的自由・感情に対する罪 
 (2)  住居を侵す罪 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 自由および私生活の平穏に対する罪(3)  
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
 (1)  業務に対する罪 
 (2)  秘密を侵す罪 
 (3)  名誉に対する罪 
 (4)  信用に対する罪 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 財産に対する罪(1) 
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
 (1)  財産罪総論 
 (2)  窃盗の罪 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 財産に対する罪(2) 
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
  (1)  強盗の罪 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 財産に対する罪(3) 
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
 (1)  詐欺の罪 
 (2)  恐喝の罪 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 財産に対する罪(4) 
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
 (1)  横領の罪 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 財産に対する罪(5) 
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
 (1)  背任の罪 
 (2)  盗品等に関する罪 
 (3)  毀棄および隠匿の罪 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 公衆の平穏および安全に対する罪 
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
 (1)  騒乱の罪 
 (2)  放火および失火の罪 
 (3)  往来を妨害する罪 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 公衆の信用に対する罪 
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
 (1)  通貨偽造の罪 
 (2)  文書偽造の罪 
    (3)  有価証券偽造の罪 
 (4)  支払用カードに関する罪  
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 風俗に対する罪・国家の存立に対する罪・国家の作用に対する罪(1) 
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
 (1)  わいせつの罪 
 (2)  賭博に関する罪 
 (3)  内乱に関する罪 
 (4)  外患に関する罪 
    (5)  公務の執行を妨害する罪    
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 国家の作用に対する罪(2) 
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
 (1)  逃走の罪 
 (2)  犯人蔵匿および証拠隠滅の罪 
 (3)  偽証の罪     
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) 国家の作用に対する罪(3) 
 以下の点につき,基本的な事項,概念および論点などを簡潔に解説する。 
 (1)  職権乱濫用の罪 
 (2)  賄賂の罪 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 

予習の内容 
 レジュメの該当部分と関係条文を読む。 
 基本書の該当部分を読む。 
 予習より復習に力を入れること。 
復習の内容 
 レジュメや教科書の該当部分を読み返す。 
 短答式問題や事例問題を解く。 
 刑法基礎演習Ⅱの小テストとして出題する課題への取組みなどを通じて理解を深める。 
標準的な予習時間 
 0.5時間/週

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  10%  発言内容,レポート,小テスト,欠席状況などから評価する。 
小テスト  10%  2,3週に1回程度,授業中に実施する。択一問題または記述式問題を出題する。 
期末試験  70%  論文式試験の形式で,具体的事実の中から論点を見つけ,刑法解釈によって事実にあてはめを行い罪責を明らかにする能力があるかを問う。 
その他  10%  共通到達度確認試験の成績 

期末試験の他,適宜レポートや小テストを実施する場合がある。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A+ A B+ B C+ C F
14 0.0 7.1 21.4 7.1 7.1 14.3 42.9 0.0 1.7

<テキスト/Textbook>

大谷實  『刑法講義各論』新版第5版  (成文堂、2019)

 

大塚裕史・十河太朗・塩谷毅・豊田兼彦  『基本刑法Ⅱ各論』第2版  (日本評論社、2018)

 

 上記のいずれでもよい。また,他の基本書・体系書を選択してもよい。

<参考文献/Reference Book>

山口厚ほか 編  『刑法判例百選Ⅱ各論』第7版 (有斐閣、2014)
 

十河太朗・豊田兼彦・松尾誠紀・森永真綱  『START UP 刑法各論判例50!』(有斐閣、2017)
 

西田典之・山口厚・佐伯仁志 編  『刑法の争点』(有斐閣、2007)
 

 そのほか,各回のテーマに関する重要な関連判例や文献を適宜紹介する。

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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