シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


61200611 

△競争法の国際比較
Comparative Analysis of US,EU,and Japanese Antitrust Law
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  演習/Seminar

  松山 隆英

<概要/Course Content Summary>

 経済法の中核である競争法は,現在では世界中の160以上の国,地域で制定され,施行されている。そのほとんどすべては,米国型またはEU型に分類されるものであり,最近の10数年間,極めて厳正化,強化されてきている。こうした状況において,我が国の独占禁止法も,2005年,2009年に大きな法改正を行っているが,米国,EUの競争法の規制水準,グローバル・スタンダードを意識して行われた法改正である。我が国の独占禁止法の制度や施行状況を体系的に把握するためには,米国やEUなどの競争法との比較を通じて,異同点や特徴を分析し,理解することが不可欠である。

<到達目標/Goals,Aims>

 米国,EUの競争法の制度や規制実績との比較法的考察を行うことにより,我が国の独占禁止法の制度や施行状況を体系的に理解できるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
 
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) ガイダンス,授業の概要  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 競争法の意義と規制対象・区分,経済学の役割を学習し,判例法などのルール形成に与える経済理論の影響について,米国,EUの現状の把握・整理を行う。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) カルテル規制の実体規定の内容についての日米EUの国際比較を行う。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) カルテル規制の運用実態を理解するためのカルテルの立証方法について,米国の当然違法原則と合理の原則について学習する。EUの水平的協調行為ガイドラインを学習する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) カルテル規制のエンフォースメントについての国際比較を行う。米国の司法取引の現状,EUの制裁金の運用,和解制度の運用実態を学習する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 企業結合規制の実体規定の国際比較を行う。市場画定,市場支配力認定基準などについて,日米EUの国際比較を行う。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 企業結合規制の手続規定及び問題解消措置の国際比較を行う。具体的には,届出基準,事前相談制度などを学習し,日米EUの企業結合審査事例についての比較考察を行う。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 市場支配的地位の認定,排他的行為(排除行為)の認定基準についての国際比較を行う。日米EUのガイドラインの比較法考察を行う。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 排除行為に該当する取引拒絶行為の不当性認定についての考え方の国際比較を行う。不可欠施設理論,独占の梃子理論,具他的適用事例について,学習し理解する  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 排除行為に該当する略奪的価格設定行為の不当性認定についての考え方の国際比較を行う。不当廉売,差別対価規制におけるコスト基準の考え方と,具体的適用事例について,学習し理解する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 排除行為に該当する抱合せ取引その他の行為の不当性認定についての考え方の国際比較を行う。具体的適用事例について,学習し理解する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 垂直的取引制限についての国際比較を行う。再販売価格維持規制などのブランド内価格競争制限行為の不当性,具体的適用事例について学習し理解する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 垂直的取引制限のうち,テリトリー制,販売先制限,販売方法制限などのブランド内非価格競争制限行為の不当性,具体的適用事例について,国際比較を行い,学習し理解する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 欺瞞的顧客誘引,優越的地位濫用規制などについての国際比較を行う。我が国特有の規定と言われる優越的地位濫用規制については,アジア,フランスやドイツなどの規制との比較法考察を行う。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) まとめ,14回までの国際比較を踏まえての我が国独占禁止法制の将来展望を行う。  (授業時間外の学習/ Assignments)  

予習の内容 
 教科書の該当部分の事前通読 
標準的な予習時間 
 週に2時間程度

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(クラス参加,グループ作業の成果,欠席状況等)  30%   
期末レポート試験・論文  70%   

<テキスト/Textbook>

滝川敏明  『日米EUの独禁法と競争政策』第4版  (青林書院、2010)

 

<参考文献/Reference Book>

宮川裕光  『米国・EU・中国競争法比較ガイドブック』(中央経済社、2010)
 

 

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