シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


61200460-002 

△EU法-2
EU Law-2
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  HANS PETER MARUTSCHKE

<概要/Course Content Summary>

 グローバル化が進む現在において,ヨーロッパ法における基礎的な知識は現在の日本の国際法務弁護士,顧問弁護士,国際取引関係の法務部に勤めている者にとっても,重要な役割を占めるに至っている。EU諸加盟国と関係を持つ日本の企業は適切な営業戦略を決めるため,それぞれの加盟国に有効である国内法だけではなく,EU法も考慮しなければならない。イギリスが2016年に決めたEUからの離脱は,具体的な条件はまだ決めておらず,2020年1月末に予定であるが,完成までにまだ時間かかる。その関係で,イギリスに投資した日本の企業にも大きな影響を及ぼし,法的な面でも様々の問題をもたらしてくる。したがって,イギリスとEUのこれからの関係についてもこの授業中に扱う予定である。国際顧問弁護士の仕事がそのためますます増えると期待される。 
 以上のような内容を通し,ヨーロッパの実情や法制度についての詳しい知識を得ることが期待される。 
 そこで,この授業では,欧州連合を中心としながら,ヨーロッパにおける特徴的な法制度の基本的な実情を紹介する。具体的な内容として,まずEUの出発であったヨーロッパ評議会の組織 (現在47国が加盟している),その組織の重要な機関であるヨーロッパ人権裁判所の実務と判例を紹介する。またヨーロッパ評議会とはっきり区別すべきヨーロッパ連合(欧州連合)の組織,役割,実務とその相違点についても詳しく説明する。欧州連合の歴史的な発展,漸次的拡大,基本条約の意義,欧州連合法の類型とEU加盟国との関係などについても説明し,欧州連合における実情をよりよく理解できるようにする。欧州連合の重要機関である司法裁判所の判例も数多く紹介し,ヨーロッパ全体における欧州連合法の国際実務・政治・取引などの重要性における理解を高めることができよう。

Challenge EU Law

<到達目標/Goals,Aims>

 この講義を受けることにより,通常の法教育では触れることのできないヨーロッパの実情や法制度についての知識を得ることで,みなさんの法律観に新たな視点を加え,より厚みのある法律論を組み立てることができるようになることを期待する。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
 
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) 「ヨーロッパ」とはなにか。欧州評議会(Council of Europe), 欧州連合(European Union)の相違点などについて  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 欧州人権裁判所の実情と判例  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) EUの発展と2004年の東ヨーロッパへの拡大と現在の状況  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) EUの諸機関:欧州理事会,理事会,欧州議会,委員会,欧州連合司法裁判所,欧州中央銀行,会計検査院などの構造,役割および相互関係について  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) EU法の法源:条約,規則,司令,決定など 
リスボン条約によるEUの変更 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 欧州連合における権利保護制度 
司法裁判所の特殊性-裁判官と法務官の選出 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) EU法と加盟国法の関係: 
case law I 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) EU法と加盟国法の関係: 
case law II 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) EU法違反的な行動における加盟国の責任 I 
判例紹介 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) EU法違反的な行動における加盟国の責任 II 
判例紹介 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) EU法の重要原則:基本的自由Ⅰ 
 商品取引の自由-判例紹介 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) EU法の重要原則:基本的自由II 
 人の自由移動-判例紹介 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) EU法の重要原則:基本的自由III 
 役務の自由移動-判例紹介 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) EU法の重要原則:基本的自由IV 
 資本の自由移動-判例紹介 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) EU法における展望:法制度統合と加盟国の主権と独立性  (授業時間外の学習/ Assignments)  

予習の内容 
 教材として配付されるパワーポイントスライド,インターネットなどを利用して,授業の予習をしておいてもらうことが望ましい。 
 予習に基づく質問などは,平常点として積極的に評価する。 
標準的な予習時間 
 1時間程度/週

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  30%  クラス参加と自己発言を回答用紙をつうじて判断する。具体的な内容は初授業時に説明する。欠席状況 
期末レポート試験・論文  70%  授業の諸問題の本質を十分に理解できたかどうか。 

平常点:欠席状況と別にクラス参加/自己発言が重要である。学生とのダイアログを進めるため,授業の内容についての質問やコメントを出席票に書いてもらうこと,次回にそれに答えることなどにより,積極的な意見交換が可能になる。 
期末レポート:課題に完全に答えるだけではなく,適当なところに自分の意見を示すことも評価する。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A+ A B+ B C+ C F
14 0.0 14.3 35.7 21.4 14.3 0.0 14.3 0.0 2.8

<テキスト/Textbook>

授業中に紹介する。

<参考文献/Reference Book>

庄司克宏  『新EU法 基礎篇』(岩波書店、2013)
 

庄司克宏  『新EU法 政策篇』(岩波書店、2014)
 

Paul Craig and Gráinne de Búrca , EU Law: Text,Cases,and Materials ,  6th ed .   (Oxford University Press, 2015.7) . 

 

 授業中に追加の文献を述べる。

<参照URL/URL>

http://europa.eu 
Official site of the EU in 24 languages 

<備考/Remarks>

 授業中に関連する資料,教材などを配付する。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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