シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


61200242 

△経済法総合演習
Comprehensive Competition Law Seminar
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  演習/Seminar

  松山 隆英

<概要/Course Content Summary>

 独占禁止法(独禁法)の禁止行為類型毎の制度の意義や法適用・解釈上の問題点の検討を通じて独占禁止法の体系的な理解を深めることをねらいとする。独占禁止法の規制行為類型ごとに,私的独占規制,不当な取引制限規制,事業者団体の活動規制,企業結合規制,不公正な取引方法規制について,また,エンフォースメント規定及び知的財産権との関係などをゼミ形式によって学習する。さらに,具体的な事例への法適用の実態を,別冊ジュリストやケースブック,公表審決,判決,分析資料などを使用して演習形式で学習し,理解を深める。

<到達目標/Goals,Aims>

  独禁法は,市場経済における経済活動の基本法であり,企業による遵守が求められ,市民が経済活動に関わる場合の関係が深い。本科目での学習を通じ,経済活動と法の関わりを視野に入れて法適用の思考方法や分析手法等を会得し,独禁法を使いこなせるようになることを狙いとする。独禁法実体規定(私的独占規制,不当な取引制限規制,事業者団体の活動規制,企業結合規制,不公正な取引方法規制)とエンフォースメント規定等の内容を理解し,あらゆるパターンの事例に対して,法適用の考え方を整理分析し,起案できるようになることを目標とする。 
 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
 
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) 独占禁止法の基礎概念 
 一定の取引分野,競争の実質的制限,公正競争阻害性などの基礎概念を学習,理解して,事例問題に対する法適用の考え方を起案するために不可欠な基礎概念の表現ぶりを整理分析し,適用できるように学習する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 私的独占規制(その1) 
 私的独占規制の基本的な考え方(排除型と支配型の意義,違い,排除行為と正常な事業活動の区別など)を理解し,事例問題を演習形式で学習する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 私的独占規制(その2) 
 その1の踏まえ,私的独占の事例問題を演習形式で学習する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 不当な取引制限規制(その1) 
 不当な取引制限規制の基本的な考え方(共同性の認定,事業活動の「相互拘束」の意義,競争の実質的制限と公共の利益など)理解し,事例問題を演習形式で学習する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 不当な取引制限規制(その2) 
 その1を踏まえ,不当な取引制限の事例問題を演習形式で学習する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 不当な取引制限(その3) 
 その1及び2を踏まえ,不当な取引制限の事例問題を演習形式で学習する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 事業者団体の活動規制 
 事業者団体の意義,活動規制の法体系,論点を学習し,事例問題を演習形式で学習する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents)  企業結合規制(その1) 
企業結合規制のケーススタディを,企業結合相談事例集などを活用しながら実施する。具体的事例における実務上の論点,争点などを,学習し,理解する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents)  企業結合規制(その2) 
企業結合規制のケーススタディを,企業結合相談事例集などを活用しながら実施する。具体的事例における実務上の論点,争点などを,学習し,理解する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 不公正な取引方法の禁止(1) 
 不公正な取引方法規制の基本的枠組み,取引拒絶規制の意義と問題点を把握する。規制の基本枠組み,公正競争阻害性の意義,共同の取引拒絶と単独の取引拒絶,差別対価及びその他の差別的取扱い,並びに不当廉売・不当高価購入規制の意義と問題点の理解を図り,事例問題を演習形式で学習する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 不公正な取引方法の禁止(2) 
 再販売価格維持行為規制の意義と問題点を理解する。原則違法の意義,反競争効果の認定方法,拘束の定義と認定,委託販売との関係,適用除外制度,事業活動の不当拘束である排他条件付取引及び拘束条件付き取引一般についての規制の意義と問題点を理解し,事例問題を演習形式で学習する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 不公正な取引方法の禁止(3) 
 不当顧客誘引及び取引強制規制並びに取引上の地位不当利用と競争者の事業活動不当妨害についての規制の意義と問題点を理解し,事例問題を演習形式で学習する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 独禁法のエンフォースメント(1) 
 独禁法のエンフォースメントのうち行政的法執行の中心となる公取委の組織,処分の中心となる排除措置と課徴金に関して学習し,事例問題を演習形式で学習する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 独禁法のエンフォースメント(2) 
 刑事罰に係わる諸問題(犯則調査権限,談合事件について刑事罰の適用に関する刑法上の論点との関係(実行行為者,両罰規定,代表者責任,継続犯か状態犯か等),刑法上の談合罪との関係及び民事救済に係わる諸問題を検討し,事例問題を演習形式で学習する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) 知的財産法と独禁法・国際取引と独禁法 
 知的財産法と独禁法との接点を検討し,典型的事例問題を検討し,演習形式で学習する。国際的広がりを持つ経済活動に対する法適用を理解し,事例問題を演習形式で学習する。 
(授業時間外の学習/ Assignments)  

予習の内容 
 授業内容部分のテキスト,判例・審決百選などの事前通読 
標準的な予習時間 
 2~3時間/週

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  20%  欠席状況,授業における発言,発表を基礎に採点する。 
期末試験  80%   

<テキスト/Textbook>

金井貴嗣・川濱昇・泉水文雄  『独占禁止法』第6版  (弘文堂、2018.4)

 

金井貴嗣・泉水文雄・武田邦宣 編  『経済法判例・審決百選』第2版  (有斐閣、2017)

 

川濱昇・瀬領真悟・泉水文雄・和久井理子  『ベーシック経済法』第4版  (有斐閣、2014)

 

岸井大太郎・向田直範・和田健夫・大槻文俊・川島富士夫・稗貫俊文  『経済法-独占禁止法と競争政策-』第8版補訂版  (有斐閣、2019)

 

波光巌・栗田誠 編  『解説独占禁止法』 (青林書院、2015)

 

<参考文献/Reference Book>

根岸哲・舟田正之  『独占禁止法概説』第5版 (有斐閣、2015.11)
 

<備考/Remarks>

 経済法Ⅰ,Ⅱ及びⅢを履修済であることが望ましい。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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