<概要/Course Content Summary>
国際私法は,関連分野の国際民事訴訟法(別科目)と並んで渉外法務に携わるためには理解が不可欠な分野である。いずれも私人間の問題を扱い,法源は基本的に国内法である(ただし,限られた分野では,条約を通しての法統一がなされている)点で,国家間の関係を規律する国際法(国際公法)と区別される。国際民事訴訟法が国際紛争の訴訟法的・手続法的問題を考察するのに対し,国際私法は法律関係に適用すべき法(準拠法)は何か,またそれはなぜかを考察する。例えば,日本人女性がアメリカ人男性と婚姻する場合,日本企業とフランス企業が契約を締結する場合,日本人がオーストラリアで交通事故に巻き込まれた場合など,多くの事案において準拠法が何かが問題となる。しかも,国際化の進展に伴って渉外法律問題が多発しているため,国際私法の重要性は高まっているが,国内実体法分野の発想・方法論では準拠法を適切に決定できない。 国際私法Ⅰでは,総論および家族法分野の各論を対象とするが,国際私法Ⅱでは財産法分野の各論を扱う。国際私法IIの受講にあたっては,国際私法Ⅰの既履修を強く勧める。
<到達目標/Goals,Aims>
国際私法の理念の正しい理解の下に,条文を正しく評価・解釈・適用できること。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
|
(内容/ Contents)
|
(授業時間外の学習/ Assignments)
|
(実施回/ Week)
第1~4回
|
(内容/ Contents)
契約など法律行為の準拠法について,当事者自治の原則,特徴的給付の理論,消費者契約・労働契約の特則などを検討する。
|
(授業時間外の学習/ Assignments)
事前配布レジュメを読む。
|
(実施回/ Week)
第5回
|
(内容/ Contents)
事務管理・不当利得の準拠法について検討する。
|
(授業時間外の学習/ Assignments)
同上
|
(実施回/ Week)
第6,7回
|
(内容/ Contents)
不法行為の準拠法について,製造物責任・名誉毀損の特則も含めて検討する。
|
(授業時間外の学習/ Assignments)
同上
|
(実施回/ Week)
第8,9回
|
(内容/ Contents)
物権の準拠法について,所在地法主義の限界を含めて考察する。
|
(授業時間外の学習/ Assignments)
同上
|
(実施回/ Week)
第10回
|
(内容/ Contents)
債権譲渡,債権者代位権,債権者取消権および相殺の準拠法を検討する。
|
(授業時間外の学習/ Assignments)
同上
|
(実施回/ Week)
第11,12,13回
|
(内容/ Contents)
取引主体のうち自然人に関して,権利能力,失踪宣告,行為能力,後見の準拠法について検討する。
|
(授業時間外の学習/ Assignments)
同上
|
(実施回/ Week)
第14回
|
(内容/ Contents)
取引主体のうち法人に関して,法人の従属法を考察する。
|
(授業時間外の学習/ Assignments)
同上
|
(実施回/ Week)
第15回
|
(内容/ Contents)
代理の準拠法について検討する。
|
(授業時間外の学習/ Assignments)
同上
|
授業計画は,適宜変更の可能性がある。 予習の内容 事前配付レジュメを手がかりに,授業の説明について行ける程度。 事例問題を中心に,復習に力を入れてください。復習目的にかぎり,授業を録音してもらってもかまいません。 標準的な予習時間 2時間程度/回
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
平常点
|
20%
|
授業中の発言,欠席状況など
|
期末試験
|
80%
|
|
<テキスト/Textbook>
特に指定せず,レジュメを開講前に一括して配付する。 配付物 レジュメは,同志社大学オープン・コース・ウェア(http://www1.doshisha.ac.jp/~tradelaw/pil.htm)に掲載されているものを編集して作成する。紙媒体で配布するとともに,教室で説明を聞きながら,自ら編集できるようワード形式でも提供する。
<参考文献/Reference Book>
(改訂されていることがあるので,常に最新版を自分でチェックしてください)
|