シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


61200233 

△国際私法Ⅱ
Private International Law II
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  高橋 宏司

<概要/Course Content Summary>

 国際私法は,関連分野の国際民事訴訟法(別科目)と並んで渉外法務に携わるためには理解が不可欠な分野である。いずれも私人間の問題を扱い,法源は基本的に国内法である(ただし,限られた分野では,条約を通しての法統一がなされている)点で,国家間の関係を規律する国際法(国際公法)と区別される。国際民事訴訟法が国際紛争の訴訟法的・手続法的問題を考察するのに対し,国際私法は法律関係に適用すべき法(準拠法)は何か,またそれはなぜかを考察する。例えば,日本人女性がアメリカ人男性と婚姻する場合,日本企業とフランス企業が契約を締結する場合,日本人がオーストラリアで交通事故に巻き込まれた場合など,多くの事案において準拠法が何かが問題となる。しかも,国際化の進展に伴って渉外法律問題が多発しているため,国際私法の重要性は高まっているが,国内実体法分野の発想・方法論では準拠法を適切に決定できない。 
 国際私法Ⅰでは,総論および家族法分野の各論を対象とするが,国際私法Ⅱでは財産法分野の各論を扱う。国際私法IIの受講にあたっては,国際私法Ⅰの既履修を強く勧める。

<到達目標/Goals,Aims>

 国際私法の理念の正しい理解の下に,条文を正しく評価・解釈・適用できること。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1~4回  (内容/ Contents) 契約など法律行為の準拠法について,当事者自治の原則,特徴的給付の理論,消費者契約・労働契約の特則などを検討する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前配布レジュメを読む。 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 事務管理・不当利得の準拠法について検討する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第6,7回  (内容/ Contents) 不法行為の準拠法について,製造物責任・名誉毀損の特則も含めて検討する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第8,9回  (内容/ Contents) 物権の準拠法について,所在地法主義の限界を含めて考察する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 債権譲渡,債権者代位権,債権者取消権および相殺の準拠法を検討する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第11,12,13回  (内容/ Contents) 取引主体のうち自然人に関して,権利能力,失踪宣告,行為能力,後見の準拠法について検討する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 取引主体のうち法人に関して,法人の従属法を考察する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) 代理の準拠法について検討する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 

 授業計画は,適宜変更の可能性がある。 
予習の内容 
 事前配付レジュメを手がかりに,授業の説明について行ける程度。 
 事例問題を中心に,復習に力を入れてください。復習目的にかぎり,授業を録音してもらってもかまいません。 
標準的な予習時間 
 2時間程度/回

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  20%  授業中の発言,欠席状況など 
期末試験  80%   

<テキスト/Textbook>

 特に指定せず,レジュメを開講前に一括して配付する。 
配付物 
 レジュメは,同志社大学オープン・コース・ウェア(http://www1.doshisha.ac.jp/~tradelaw/pil.htm)に掲載されているものを編集して作成する。紙媒体で配布するとともに,教室で説明を聞きながら,自ら編集できるようワード形式でも提供する。 

<参考文献/Reference Book>

澤木敬郎・道垣内正人  『国際私法入門』(有斐閣)
 

神前・早川・元永  『国際私法』(有斐閣)
 

櫻田・道垣内 編  『注釈国際私法1巻・2巻』(有斐閣)
 

松岡博 編  『国際関係私法入門』(有斐閣)
 

奥田安弘  『国際財産法』(明石書店)
 

中西・北澤・横溝・林  『国際私法』(有斐閣)
 

  『国際私法判例百選』(有斐閣)
 

(改訂されていることがあるので,常に最新版を自分でチェックしてください) 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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