<概要/Course Content Summary>
本授業は,労働法Ⅰとあわせ,労働法全体に関する基本的理解を目的とする。本授業では,集団的労働関係法,及び労働法Ⅰでは扱わなかった個別的労働関係法における応用的な問題を扱う。 授業では,基礎的な概念や制度,又,重要な判例についての解説を中心とするが,学生の理解を促進するために,教員が説明を行うだけでなく,学生との質疑も行う予定である。毎回の授業で扱う事項の詳細を示したレジュメを事前に配布し,その中において質疑事項も指示する。学生は,授業で扱う範囲について下記で指示する基本書等により予習するとともに,質疑事項について準備を行った上で授業に臨む必要がある。
<到達目標/Goals,Aims>
集団的労働関係法の基礎的概念・制度や重要判例に関し基本的な理解を得るとともに,それを複雑でない事案について適用できるようになる。また,労働法1の履修に加え,個別的労働関係法の応用的問題のいくつかについても基本的理解を得ることで,企業法務において典型的に生じる労働法上の問題に関しては基本的な分析ができるようになる。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(実施回/ Week)
第1回
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(内容/ Contents)
集団的労働関係法の概要と労働組合の要件 集団的労働関係法の概要を解説した後,労働組合として法的保護を受けるための要件及び保護の内容の概要に関して検討する。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第2回
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(内容/ Contents)
労働組合の活動 労働組合内部で生じる法的問題と,争議行為を除く団体活動で生じる問題について検討する。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第3回
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(内容/ Contents)
団体交渉 団体交渉の応諾義務者,義務的団交事項,団交拒否に対する救済などについて検討する。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第4回
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(内容/ Contents)
労働協約 労働協約の締結手続や法的効力,とりわけ債務的部分の効力に関して検討する。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第5回
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(内容/ Contents)
争議行為 争議行為と組合活動の区別,争議行為の正当性,正当な争議行為の法的効果,違法争議の法的効果等の問題について検討する。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第6回
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(内容/ Contents)
不当労働行為1 不当労働行為制度の枠組みを検討した後,不当労働行為意思等の各要件について検討する。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第7回
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(内容/ Contents)
不当労働行為2 不当労働行為の救済命令の内容,命令に対する取消訴訟,裁判所における司法救済の問題等を検討する。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第8回
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(内容/ Contents)
パート・有期労働法 通常の労働者とパート・有期雇用労働者との労働条件格差の是正を目指すパート・有期労働法の内容について検討する。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第9回
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(内容/ Contents)
労働者派遣と事業場内下請 労働者派遣法の概要と,事業場内下請けをめぐる法的問題について検討する。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第10回
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(内容/ Contents)
企業組織の変動と労働関係 合併,事業譲渡,会社分割により使用者に変動が生じた場合の労働関係上の諸問題について検討する。また,偽装解散事例についても検討する。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第11回
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(内容/ Contents)
秘密保持義務と競業避止義務 企業の秘密の保持を目的に労働者・退職者に課される秘密保持義務や競業避止義務の問題について検討する。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第12回
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(内容/ Contents)
労基法等の実効性確保 実効性確保のための諸制度を概観した後,権利行使を理由とした不利益取扱いの問題を検討する。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第13回
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(内容/ Contents)
個別的労働紛争の解決 個別的労働紛争の特徴,その解決のために提供されるADRの概要,裁判手続上の問題点等を検討する。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第14回
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(内容/ Contents)
総括1 労働法1と合わせて習得した個別的労働関係法に関する基本的理解を前提に,やや複雑な事案における労働法の適用関係を検討し,習得した理解を深化させる。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第15回
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(内容/ Contents)
総括2 労働法2で習得した集団的労働関係法に関する基本的理解を前提に,やや複雑な事案における労働法の適用関係を検討し,習得した理解を深化させる。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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授業の予習について あらかじめ配布するレジュメに書かれた事項について,テキストとして指定するケースブックの該当箇所を読んで予習しておくこと。また,予習にあたっては,紹介する基本書等のいずれかを用いること。 授業の復習について 授業中は,レジュメ等を利用しつつ,自分のノートを作るように心掛けること。復習においてノートをまとめる作業を行い,授業を理解できたかどうかを確認すること。わからなかったところは放置せず,基本書等や判例を調べたり,それでも理解できない時は,友人と議論したり教員に質問すること。 標準的な予習・復習時間 約3時間/週
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
期末試験
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95%
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労働法における基礎的な概念,制度,判例等を理解したうえで,それを複雑でない事案に適用できるだけの基礎的能力を習得したかを評価する。
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平常点
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5%
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予習・復習の状況を含め,授業参加の状況を総合的に評価する。
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期末試験では,事例の法的分析を行えているか,又,そのために必要となる基礎的な法制度や判例等についての理解が十分にできているか,といった点を評価する。 平常点では,発言を求めた際の応答内容により予習復習の状況を評価するほか,欠席状況その他の受講態度を総合的に評価する。
<成績評価結果/Results of assessment>
成績評価の見方について/Notes for assessment
登録者数 |
成績評価(%) |
評点 平均値 |
備考
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A+ |
A |
B+ |
B |
C+ |
C |
F |
他 |
12 |
0.0 |
16.7 |
16.7 |
25.0 |
16.7 |
16.7 |
8.3 |
0.0 |
2.8 |
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<テキスト/Textbook>
荒木尚志ほか 『ケースブック労働法』第4版
(有斐閣、2015)
ケースブックは授業で使用しますので,必ず持ってきてください。
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基本書等として,以下のいずれかの使用を薦めるが,これら以外のものを否定する趣旨ではない。 菅野和夫「労働法」(弘文堂),荒木尚志「労働法」(有斐閣),山川隆一「雇用関係法」(新世社),西谷敏「労働法」(日本評論社),西谷敏「労働組合法」(有斐閣),下井隆史「労働基準法」(有斐閣),土田道夫「労働法概説」(弘文堂),土田道夫「労働契約法」(有斐閣),水町勇一郎「労働法」(有斐閣),水町勇一郎「詳解労働法」(東京大学出版会),野川忍「労働法」(日本評論社) また,判例百選等いずれかの判例集をもっていると便利である。
<参考文献/Reference Book>
参考文献等については講義時に適宜紹介する。
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