シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


40960028 

アジア教育文化論特殊講義
Doctoral Cultural Studies in Asian Education
4単位/Unit  通年/All year  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  南部 広孝

<概要/Course Content Summary>

 この授業は,アジア諸国における教育制度を考える際に前提となる国家体制のあり方に着目し,国家体制と教育制度との関係について検討することを目的とします。大きくとらえると,資本主義体制をとる国と社会主義体制をとる国とでは,教育の目的や役割が異なり,その国にふさわしい教育の制度も異なると考えられます。また,同じように資本主義体制をとっていても,やはり国によって政治体制や経済体制には違いが見られ,それぞれ異なる特徴を持った教育制度が導入されています。 
 そこで,この授業の前半では,国家体制を形作る制度とは何かという原理的な問いから出発して,国家体制の形や国家のあり方について理解を深めます。後半では,そうした理解をふまえつつ,アジア諸国における教育制度の現状や改革動向について,国家体制との関係を意識しながら検討します。その際,国家体制が急激に変容した「体制移行国」として,ロシアや東欧諸国も比較対象として取り上げます。 
 各回の授業は,文献を指定し,それらを時間をかけて読み取る方法で進めます。あわせて,授業内容を学生自身が進めている研究と関連づけることを目的として,学生自身の研究の進展状況について定期的に報告してもらいます。 

<到達目標/Goals,Aims>

 この授業では,国家体制と教育の関係を考える基礎となる「制度」について理解し,自分なりに説明できるようになること,また,アジア諸国における国家体制と教育のあり方の関係について考え,自分の考えを述べることができるようになることを目標としています。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) オリエンテーション  (授業時間外の学習/ Assignments) 配付資料の内容を復習すること。 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 学生の研究テーマに関する報告(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 自分の研究について資料を用意すること。 
(実施回/ Week) 第3回から第4回  (内容/ Contents) 制度とは何か(1) 
河野勝「制度とは何か」(第1章)河野勝『制度』東京大学出版会,2002年,7~28頁。 
(授業時間外の学習/ Assignments) テキストをあらかじめ読んでくること。また,授業終了後に授業での議論の内容を整理すること。 
(実施回/ Week) 第5回から第6回  (内容/ Contents) 制度とは何か(2) 
建林正彦・曽我謙悟・待鳥聡史「制度論」(第2章)建林正彦・曽我謙悟・待鳥聡史『比較政治制度論』有斐閣,2008年,35~64頁。 
(授業時間外の学習/ Assignments) テキストをあらかじめ読んでくること。また,授業終了後に授業での議論の内容を整理すること。 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 制度とは何か(3)まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 第3回から第6回の内容を復習し,自分の考えをまとめてくること。 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 学生の研究テーマに関する報告(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 自分の研究について資料を用意すること。 
(実施回/ Week) 第9回から第10回  (内容/ Contents) 体制移行とは何か 
中兼和津次「体制移行とは:いくつかの概念的枠組み」(第1章)中兼和津次『体制移行の政治経済学』名古屋大学出版会,2010年,1~24頁。 
(授業時間外の学習/ Assignments) テキストをあらかじめ読んでくること。また,授業終了後に授業での議論の内容を整理すること。 
(実施回/ Week) 第11回から第12回  (内容/ Contents) 近代国家の成立 
加藤成基「国家のグローバル化」『国家の社会学』青弓社,2014年,231~245頁。 
(授業時間外の学習/ Assignments) テキストをあらかじめ読んでくること。また,授業終了後に授業での議論の内容を整理すること。 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 国家体制についてのまとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 第9回から第12回の内容を復習し,自分の考えをまとめてくること。 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 学生の研究テーマに関する報告(3)  (授業時間外の学習/ Assignments) 自分の研究について資料を用意すること。 
(実施回/ Week) 第15回から第16回  (内容/ Contents) 体制移行と教育(1) 
遠藤忠「ロシア連邦の教育改革の動向」(第5章)大桃敏行他編『教育改革の国際比較』ミネルヴァ書房,2007年,75~93頁。 
(授業時間外の学習/ Assignments) テキストをあらかじめ読んでくること。また,授業終了後に授業での議論の内容を整理すること。 
(実施回/ Week) 第17回から第18回  (内容/ Contents) 体制移行と教育(2) 
南部広孝「現代中国の教育改革」(第6章)原清治・山内乾史・杉本均編『比較教育社会学へのイマージュ』学文社,2016年,169~189頁。 
(授業時間外の学習/ Assignments) テキストをあらかじめ読んでくること。また,授業終了後に授業での議論の内容を整理すること。 
(実施回/ Week) 第19回から第20回  (内容/ Contents) 体制移行と教育(3) 
イベータ・シローバ,ベン・エクロフ「東欧および中欧の教育-グローバル化状況におけるポスト社会主義の再考」(第15章)ロバート・F・アーノブ他編(大塚豊訳)『21世紀の比較教育学 グローバルとローカルの弁証法』福村出版,2014年,557~588頁。 
(授業時間外の学習/ Assignments) テキストをあらかじめ読んでくること。また,授業終了後に授業での議論の内容を整理すること。 
(実施回/ Week) 第21回  (内容/ Contents) 体制移行と教育についてのまとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 第15回から第20回の内容を復習し,自分の考えをまとめてくること。 
(実施回/ Week) 第22回  (内容/ Contents) 学生の研究テーマに関する報告(4)  (授業時間外の学習/ Assignments) 自分の研究について資料を用意すること。 
(実施回/ Week) 第23回から第28回  (内容/ Contents) アジア諸国における国家体制の変化と教育 
学生自身の関心にしたがって文献を選び,検討する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) テキストをあらかじめ読んでくること。また,授業終了後に授業での議論の内容を整理すること。 
(実施回/ Week) 第29回  (内容/ Contents) 学生の研究テーマに関する報告(5)  (授業時間外の学習/ Assignments) 自分の研究について資料を用意すること。 
(実施回/ Week) 第30回  (内容/ Contents) 授業のまとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) これまでの内容を振り返り,自分なりの考えをまとめておくこと。 

各回の内容に関連する文献を用意し,授業で配布します。授業の前後にはそれを読みながら予習・復習をしてください。 
 上記の授業計画は予定です。履修学生の理解度や興味関心に応じて,ある程度の変更がありえます。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  50%  出席の状況と授業の準備,授業態度(積極性)を評価します。 
期末レポート試験・論文  50%  詳細については第1回の授業で説明します。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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