シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10952222-052 

△読書と豊かな人間性-52
Readings for Children and Young Adults-52
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  井上 靖代

<概要/Course Content Summary>

「読書」とはなにか。読む・書くことであるが,学校という教育現場ではどのように読み解くか,をどう指導していくのかが課題となる。2020年以降の新学習指導要領では複数の総合学習科目が新設予定であり,他者との議論等を通じてのアクティブ・ラ-ニングを指導する。その基本となるのは調査分析にもとづく自己意見の表現である。文章を読み取り文章で表現する力が求められる。この言語教育・リテラシー学習の基本である子どもの読書を推進するため,学校教育のなかで言語教育担当教員のみならず,すべての教員の調整役=コーディネーターとしての学校図書館司書教諭は重要な役割を担っている。この科目ではその役割をはたすため,どのような読書資料があるのか,そしてその読書資料をどのように言語教育やリテラシー教育に活用するのかを学び,かつ学校内外での調整役としての役割と責任を学習する。

<到達目標/Goals,Aims>

各受講者が「読む」(リーディング)と「書く」(リテラシー)という読書力養成を目的とする授業を構築し,小学生から高校生といった学習者に教授できるようになることにある。「読む」「書く」ことを指導する教材である読書資料の選択をおこない,教材として開発できるようになることを目標とする。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (1)はじめに; 読書と読む・書く  (内容/ Contents) 子どもの読書状況, 読む・書くという識字力・読書力について考える。 
国語教材としての読書資料と個人の成長の糧としての読書資料について整理する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 以下のサイト内容を確認する。 
「学校図書館読書調査」(全国学校図書館協議会) 
PISA調査(国立教育政策研究所) 
「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」  
(実施回/ Week) (2) 読書心理と読書傾向   (内容/ Contents) 国語での読書指導と個人の読書の自由としての読書  (授業時間外の学習/ Assignments) 以下のサイト内容を確認する。 
「子どもの読書活動の推進に関する法律」 
子どもの読書活動推進のページ(文部科学省) 
子どもの読書活動推進 国際こども図書館(国会図書館) 
国立青少年教育振興機構調査報告「子どもの頃の読書活動の効果に関する調査研究報告(速報版)」「「子どもの読書活動の実態とその影響・効果に関する調査研究 報告書」「子どもの読書活動と人材育成に関する調査研究」 
 
(実施回/ Week) (3) 絵本を選ぶ 読書資料としての絵本を読みなおして考える読書  (内容/ Contents) 読書資料としての絵本について考える。絵本の基礎。すぐれた絵本を選ぶ。その選択基準は?男性性・女性性を無意識に育てる絵本は妥当か? 幼児向け絵本を大人として読むと何が読み取れるのか? 人種・民族・マイノリティ差別性を助長している絵本は妥当か? 父親の登場が少ない絵本の問題点を考える。  (授業時間外の学習/ Assignments) 定番とされる絵本,特に昔話を取り上げた絵本を読んでおいてください。参考文献;若桑みどり『お姫様とジェンダー アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門』(ちくま新書)筑摩書房,2003 
(実施回/ Week) (4) 絵本を利用してのリテラシー育成  (内容/ Contents) ⇒口頭発表,課題② 中高生向けに絵本を読みなおしてもらい,教室で生徒たちにお互いに議論して,別の読み方などを見出してもらえるように,指導案を考える。 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 絵本を選んでおいてください。図書館で借りておいてください。中高生に考える読書=読解力育成を促す絵本を複数準備してください 
 
(実施回/ Week) (5) 絵本を利用してのリテラシー育成(演習)  (内容/ Contents) ⇒口頭発表,課題② 中高生向けに絵本を読みなおしてもらい,教室で生徒たちにお互いに議論して,別の読み方などを見出してもらえるように,指導案を考える。 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 絵本を選んでおいてください。図書館で借りておいてください。中高生に考える読書=読解力育成を促す絵本を複数準備してください 
 
(実施回/ Week) (6) 読書資料としての児童・ティーンズ文学  (内容/ Contents) 自由読書と課題学習としての読書発達段階にあわせての読書資料選択。読解力育成 ブックトークの技法と実践。ビジュアルなイメージと言語能力の育成  (授業時間外の学習/ Assignments) 定番とされている児童文学・ティーンズ向け文学作品を読んでおく 
 
(実施回/ Week) (7) 読書資料としてのノンフィクション  (内容/ Contents) 読解力育成としてのノンフィクション 
ノンフィクション資料の種別と選択 レファレンスとノンフィクション 探索学習や総合学習と読解力 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) NDC0~8類にあたるノンフィクション資料にはなにがあるのか確認しておく。中高生の教科単元の関連図書は? 
 
(実施回/ Week) (8)中学生に勧めたい作品のブックトーク演習(演習)  (内容/ Contents) ⇒口頭発表,課題③ どの本(フィクション NDC9類中心)を中高生に読んでもらいたいのか。テーマを設定し,おすすめの本を3~5冊程度選んで紹介(ブックトーク)する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 読まないと言われる中学生に紹介するフィクションを3から5冊選んでおく。 
 
(実施回/ Week) (9)中学生に勧めたい作品のブックトーク演習(演習)  (内容/ Contents) ⇒口頭発表,課題③ どの本(ノンフィクション)を中高生に読んでもらいたいのか。テーマを設定し,おすすめの本を3~5冊程度選んで紹介(ブックトーク)する。 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 中学生に紹介するノンフィクションを3から5冊選んでおく。教科単元をテーマにする。 
(実施回/ Week) (10) 子どもたちの知的自由  (内容/ Contents) 青少年保護育成条例や子どもの読書をめぐる多様な法律と読書振興団体の活動など子どもの読書をめぐる法政策について考える  (授業時間外の学習/ Assignments) 「図書館の自由に関する宣言」を読んで理解しておく。 
学校(図書館)や地域で推薦図書リストに頻繁に取り上げられる本を選び,妥当な評価かどうか考えておいてください 
 
(実施回/ Week) (11)子どもたちの知的自由(演習)  (内容/ Contents) ⇒口頭発表,課題④ 「読ませたくない」とされる図書について司書教諭としてどう考えて対応するのか。 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 学校(図書館)や地域で推薦図書リストに頻繁に取り上げられる本を選び,妥当な評価かどうか考えておいてください 
(実施回/ Week) (12)読書力育成の企画・実践, 学校図書館独自での読書振興の技術と方法,など  (内容/ Contents) 絵本の読み聞かせ,ブックトーク(ビブリオバトル),朗読,芝居化(人形劇,紙芝居,演劇,放送劇,ダンスなど),ブッククラブ,ビジュアル化との組み合わせ(ポスター, 栞,POP,ブックカバー,帯紙)など。どのような読書効果が期待できるだろうか。  (授業時間外の学習/ Assignments) 多様な読書支援の実例をWebや新聞・雑誌記事から探しておく。 
(実施回/ Week) (13)学校図書館・家庭・地域での読書と公共図書館との協働  (内容/ Contents) イエドク(家読)などの読書振興活動。団体貸出,移動図書館(BM=Book Mobile),学校訪問,読書支援ボランティアの派遣,ブックリストの提供など 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 公共図書館や読書振興団体がどのような読書支援を学校に対しておこなっているのか調べて,検討する。 
 
(実施回/ Week) (14)「読書」活動についての実例  (内容/ Contents) ⇒口頭発表,課題⑤ 学校や学校図書館での読書振興活動には何があるのか,公共図書館や地域との協働で実施される読書振興活動には何があるのか。 
公共図書館や読書振興団体がどのような読書支援を学校に対しておこなっているのか調べて,検討する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 公共図書館や読書振興団体がどのような読書支援を学校に対しておこなっているのか調べておく。 
 
(実施回/ Week) (15)まとめ  (内容/ Contents) 学校図書館・家庭・地域での読書と公共図書館との協働としてどのような「読書」推進活動がおこなえるのか議論する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 実例を調査し,司書教諭として提案し,企画し,実施できる効果的な「読書」活動を考えておく。 
 

目安です。変更する可能性があります。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席)    文部科学省からの通達により,出席点として加算はしません。教育実習・介護等体験などは届を提出してください。就職活動やクラブ・ゼミ活動による欠席は自己管理とします。配慮しません。無断でプレゼン未参加や課題未提出などは授業放棄とみなします。 
小レポート+クラスへの貢献度  40%  授業で口頭発表してもらいます。準備してプレゼンできているかどうかを評価します。 
課題  60%  課題をすべて提出していることが評価対象になることの条件です。提示した内容に合致しているかどうか,また,内容については受講者からの他者評価も含みます。 

すべての課題(授業内演習課題含む)に参加した場合に評価対象とします。評価対象とするだけですから,単位を自動的にさしあげることではありませんのでご注意ください。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
19 26.3 31.6 15.8 10.5 15.8 0.0 2.4 *

<参考文献/Reference Book>

若桑みどり 著  『お姫様とジェンダー アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門-ちくま新書-』(筑摩書房、2003)ISBN:9784480061157 
 

益田朋幸 著  『ピーターラビットの謎 キリスト教図像学への招待』(東京書籍、1997)ISBN:9784487754939 
 

<参照URL/URL>

「学校図書館読書調査」(全国学校図書館協議会) 
 
PISA調査(国立教育政策研究所)  
 
「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」 
 
「子どもの読書活動の推進に関する法律」 
 
子どもの読書活動推進のページ 文部科学省 
 
子どもの読書活動推進 国際こども図書館(国会図書館) 
 
国立青少年教育振興機構調査報告 
「子どもの頃の読書活動の効果に関する調査研究報告(速報版)」 
 
 
国立青少年教育振興機構調査報告 「子どもの読書活動の実態とその影響・効果に関する調査研究 報告書」 
 
「子どもの読書活動と人材育成に関する調査研究」 
 
子ども読書の情報館 文部科学省 
 
 

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