シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


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△西洋教育文化論(2)
Europe, Education and Culture (2)
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  越水 雄二

<概要/Course Content Summary>

「西洋教育文化論(1)・(2)」に共通する目的は,西洋における教育文化の形成と変容について多面的に学んで,ただ物知りになるのではなく,私たちの教育問題を広い視野で,より深く考えられるようになることです。授業内容を通じて,自分の学ぶ姿勢や生き方,あるいは社会や文化の現状などを見つめ直し,これからの課題と可能性を考える材料と出会ってもらえれば幸いに思います。 
秋学期の「西洋教育文化論(2)」では,西洋近代の教育文化を思想とシステムという観点から二つのテーマで学習します。 
テーマ1.近代教育思想の系譜 
モンテーニュ(1533-92),コメニウス(1592-1670),ロック(1632-1704),ルソー(1712-78),ペスタロッチ(1746-1827)。これら5名の代表的な教育論を紹介して,16世紀から19世紀へかけての教育思想の流れを辿ります。彼らの問題提起と主張を,それぞれの時代の社会状況や文化的背景とも照らし合わせて理解するように努め,西洋近代の教育文化の特質を探り出します。 
テーマ2.近代教育システムの形成 
西洋近代において学校教育は,いかにして普及してきたのでしょうか。人びとに就学が義務付けられた理由や,多くの人が自ら学校へ通うようになった背景を,宗教改革,市民革命,産業革命(工業化)といった歴史的契機と関連付けて学びます。さらに,〈教育システム〉の捉え方を検討した上で,近代教育システムの形成と国民国家の成立や「近代家族」の出現との相互関係を考察します。 
 
教育文化学科のカリキュラムにおいて,本科目では,受講生が特に資料精読能力と異文化理解力を養成するように目指します。このため,毎週授業外に2~4時間を要するリーディング課題(資料プリント)を与え,異文化への理解を深める学習に取り組んでもらいます。

<到達目標/Goals,Aims>

(知識)西洋近代における教育文化について基礎知識を身につける。 
(技能)多様な文献資料の内容を読み取ることができるようになる。 
(態度)基礎知識や資料の内容を自らの思索に活かすことができる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) オリエンテーション(「西洋教育文化論(1)」の復習/紹介)  (授業時間外の学習/ Assignments) 配付資料を読んで,要点のまとめと質問や感想を小レポートとして提出すること。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 1-1. 西洋近代教育思想の特質  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 1-2. モンテーニュ:人文主義の教育  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 1-3. コメニウス:感覚的実物教育  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 1-4. ロック:紳士教育論  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 1-5. ルソー:子どもの発見  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 1-6. ペスタロッチ:民衆教育  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 中間まとめ(テーマ1を振り返って)  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 2-1. 宗教改革と学校教育  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 2-2. 市民革命と公教育  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 2-3. 産業革命と義務教育  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 2-4. 国民国家と教育システム  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 2-5. 近代家族と教育システム  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 2-6. 「新教育運動」の諸相  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 授業内評価と全体のまとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 本科目での各自の学習成果を振り返ること。 

受講生と相談の上,理解度や興味関心に応じて授業計画を変更する場合があります。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  20%  遅刻せずに出席しているか,大学生にふさわしい受講態度を評価します。 
小レポート  40%  毎回,授業や配付資料の内容をまとめ,質問や感想を述べる小レポートを作成・提出してもらい,適切さと充実度を評価します。 
授業内評価(筆記試験)  40%  講義内容の重要点を的確に理解しているか,また,それに基づいて各自が考察をどのように深めているか。論述式問題で行います。 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
70 20.0 72.9 0.0 0.0 7.1 0.0 3.0 *

<テキスト/Textbook>

  テキストは使用せず,プリントを配付します。 

 

<参考文献/Reference Book>

クシシトフ・ポミアン(松村剛訳)  『[増補]ヨーロッパとは何か-分裂と統合の1500年-』(平凡社ライブラリー、2002)
 

原聰介他編  『近代教育思想を読みなおす』(新曜社、1999)
 

フィリップ・アリエス(杉山光信・杉山恵美子訳)  『<子供>の誕生-アンシァン・レジーム期の子供と家族生活-』(みすず書房、1980)
 

桜井哲夫  『「近代」の意味-制度としての学校・工場-』(NHKブックス(470)、1984)
 

森川輝紀,小玉重夫  『教育史入門』(放送大学教材(ラジオ)、2012)
 

授業中に随時,参考文献を紹介します。

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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