シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10952165 

△学術情報利用教育論
Instruction in the Use of Scholarly Information
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  井上 真琴

<概要/Course Content Summary>

 大学図書館は,学術情報・資料の単なる貯蔵庫ではなく,情報や資料を創造性のある知識・智恵へと起ちあがらせる「仕組み」として存在している。 
 だが,その「仕組み」を効果的に活用しながら,対象とする調査研究領域の大枠を把握し,研究成果や創造活動に結びつけるには一定のスキルと考え方を学ぶ必要がある。これが,いわゆる学術情報リテラシーと呼ばれるものであり,本講義はその習得を達成目標としている。 
 担当者は,10年を超える大学図書館でのレファレンス・選書業務の実務経験を有している。その経験を活かして,授業においては,①学術情報利用に役立つ図書館の「仕組み」を活用する基本スキルを紹介し,②情報探索プロセスにおける「思考の道筋」を実例・実習を通じて解説し,③大学図書館が大学教育の場で果たすべき役割を確認する。 
 
 質の高いレポートや論文を書くための情報探索能力をつけたい,将来にわたって情報を使いこなし,問題解決に活用したいという意欲を持った学生の受講を歓迎する。 
 ※テキスト・参考文献以外にも,講義中に指示する学術論文や特集記事の読解が課される。 
 
《キーワード》 
 学術情報源,電子情報源,学術情報リテラシー教育,情報探索,レファレンスサービス,データベース検索,インターネット検索,ラーニング・コモンズ,大学図書館

<到達目標/Goals,Aims>

(1)学術情報源の種類と性格を他の情報から弁別できるようになる。  
(2)学術情報源を扱う各種メディアの特性について,事例を挙げて説明できるようになる。  
(3)直面する課題や文脈に応じて,各種情報源の利用や操作を実践できるようになる。  
(4)情報探索プロセスにおける「〔批判的な〕思考の道筋」を省察できるようになる。  
(5)学術情報リテラシー教育の本質と実施方法を理解する。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 学術情報と情報の「学術的」利用 
および実力判定テスト 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献『図書館に訊け!』の事前読了。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 大学図書館の機能と学術コミュニティ  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容を参考にして,第1回配付の実力判定テストを読み解く。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 多様な学術情報群  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容を参考にして,第1回配付の実力判定テストを読み解く。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 参考資料の機能と利用指導 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容を参考にして,第1回配付の実力判定テストを読み解く。(第5回の授業で提出) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 実力判定テストの回答と講評 
および中間レポート課題の発表 
(授業時間外の学習/ Assignments) 検索実習を行いながら,実力判定テストの内容を復習する。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 検索実習(1) 
※国立情報学研究所,国立国会図書館が提供するデータベースを中心に 
(授業時間外の学習/ Assignments) 実習後の検索課題を自習する。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 図書の機能と本文内容の探索指導 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業時に配付の小レポートの準備(次回提出)・中間レポート作成作業。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 雑誌の機能と雑誌記事の探索指導 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業時に配付の小レポートの準備(次回提出)・中間レポート作成作業。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 新聞の機能と新聞記事の探索指導 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業時に配付の小レポートの準備(次回提出)・中間レポート作成作業。 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 図書・雑誌・新聞の情報探索方法のまとめ 
および中間レポートの回答と講評 
(授業時間外の学習/ Assignments) 中間レポートの内容・回答プロセスの復習。 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 電子情報源の仕組みとインターネット検索 
および期末レポート課題の発表 
(授業時間外の学習/ Assignments) 期末レポートのテーマ決定のための調査活動。 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 期末レポートの書き方・評価ポイントの説明(自身によるルーブリック評価表の作成)  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の調査内容をもとにした作成方針案の準備 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 検索実習(2)  
※インターネット上の電子情報源の検索と評価方法の確認 
(授業時間外の学習/ Assignments) 期末レポートのテーマに絞った調査活動(次回に途中経過報告の提出)。 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 大学図書館の教育・学習支援:情報リテラシー教育を中心に  (授業時間外の学習/ Assignments) 指定した文献の事前の読解。 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 期末レポート課題に向けた個別指導  (授業時間外の学習/ Assignments) 期末レポート完成に向けての個別学習指導と課題指示。 

上記項目を順に展開する予定であるが,都合により一部順番が入れ替わることもある。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

授業における貢献度  20%  授業での参加意識・積極性に関して。発言内容や提出物の質を評価する。 
中間レポート試験  30%  情報探索ツールの利用スキルの習熟度を測る。 
期末レポート試験  50%  特定トピックについて,その情報探索プロセスを記述し,探索能力の達成度を診る。 

授業のなかで,各項目ごとに成績評価指標(ルーブリック評価表等)を示す予定。

<テキスト/Textbook>

毎回,パワーポイントで作成した配付資料を準備している。

<参考文献/Reference Book>

井上真琴著  『図書館に訊け!』(筑摩書房、2004)ISBN:9784480061867  同書の12刷(2019.1発行)を講義開始までに読了しておくこと。第1回目の授業で読解・理解についての確認テストを実施する。 
 

妹尾堅一郎著  『考える力をつけるための「読む」技術』(ダイヤモンド社、2002)ISBN:4478490309  情報は探索するだけでなく,それを読解して評価する視点を解説してくれる本。特に「百科事典」の章は有用である。 
 

上野千鶴子著  『情報生産者になる』(筑摩書房、2018)ISBN:9784480071675  出版社PR誌『ちくま』2017年1月号からの連載記事をまとめた書物。人文・社会科学領域を対象とした研究の問いの設定から論文の生産過程等について,事例を加えながら留意点を解説していて有用である。 
 

根本彰著  『情報リテラシーのための図書館-日本の教育制度と図書館の改革-』(みすず書房、2017)ISBN:9784622086505 情報リテラシーを育む図書館の役割とその機能的な限界を教えてくれる。 
 

    

 

 

 

<参照URL/URL>

情報探索:データベース検索ポータル 
同志社大学生が毎日利用すべき情報探索のためのページ 
CiNii Articles-日本の論文をさがす 
国立情報学研究所が提供するコンテンツサービスへの窓口ページ 
国立国会図書館サーチ 
国立国会図書館の統合検索システム 
国立国会図書館デジタルコレクション 
国立国会図書館で収集・保存しているデジタル資料を検索・閲覧できるサービス 
国立国会図書館 リサーチ・ナビ 
調べものに有用な情報源へのナビゲーションページ 

<備考/Remarks>

新型コロナウイルス感染症の状況によって,対面分散型授業になる可能性もある。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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