シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10922124-002 

ソーシャルワーク演習Ⅰ-2
Social Work Seminar I-2
4単位/Unit  通年/All year  今出川/Imadegawa  演習/Seminar

  野村 裕美

<概要/Course Content Summary>

 本演習は,社会福祉相談援助(ソーシャルワーク)における支援者として,社会福祉の価値や倫理に立脚し,視点・知識・技術などに関する基本的な専門的技能を発揮する姿勢の獲得を目的とする。演習ではさまざまな場面を想定しながら,それらを駆使して対象者への具体的援助行動を思考しそれを行動に移すというプロセスや,その際に発揮される自律性について考え,支援者としての成長を目指す。 
ソーシャルワークは,支援者が,何らかの社会生活上の困難に直面している人に関わり,その人の真のニーズ把握を目標としながら関係性を築き,さまざまな社会資源を活用しながらその人らしい生活を支援する専門的援助活動である。本演習では,第一に,他者を理解しようとする自己の覚知,自己の活用の訓練を重ね,支援の基盤となる「私自身」が関係性を構築するということについて焦点をあてる。第二に,「私自身」が支援者という役割を担うということについて焦点をあてる。支援を受ける人・支援を提供する人という役割について,役割の相互交換可能性について,役割の多様性について取り扱う。第三に,ソーシャルワークが機能する状況については,特に人間関係の貧困(社会的孤立)などをテーマとして扱い,「私自身」の多様性の理解の度合い,配慮の実際に気づくことを目指す。なおこの演習の枠組みは,森田ゆりの多様性トレーニングを参考にしている。 
 授業では,毎回出席すること,遅刻をしないこと,遅刻欠席の連絡を遵守していただきたい。学生の積極的な参加態度や演習課題に対する高い取り組み意欲を評価する。 
 なお,担当者教員は一般医療機関での勤務経験を有する教員(社会福祉士,精神保健福祉士資格を有する)であり,現在も日本医療社会福祉協会や救急認定ソーシャルワーカー認定機構,全国社会福祉協議会などにおいて現任者の養成教育に関わっている。その経験をいかした最新の専門知識や技術,理論等の解説を行う。 
 

<到達目標/Goals,Aims>

学生が,ソーシャルワーカー(社会福祉士・精神保健福祉士)となるための動機づけを行い,社会福祉領域における相談援助職としての基礎知識,基本姿勢を身に着けることができる。 
学生が,ソーシャルワーカーとなる自分に焦点をあて,支援における自分という道具についての自己覚知に取り組み,自己を活用しようとする態度(広義の自己覚知)を身に着けることができる。 
学生が,ソーシャルワーカーという専門職になることを目指す。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) オリエンテーションー多様性を理解するということ・多面的に理解するということー(包括的理解,獲得すべき視点・姿勢の説明)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 気づきのトレーニング「自分を知るということ」(自己覚知と自己活用)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 気づきのトレーニング「多様性を味わう」(総合的かつ包括的支援)  (授業時間外の学習/ Assignments) 課題レポート(多様性を味わうための課題を作成してもらいます) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 気づきのトレーニング「私の名前」(基本的なコミュニケーション)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 気づきのトレーニング「私の文化」(基本的なコミュニケーション)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 6~9  (内容/ Contents) 気づきのトレーニング「私の文化の紹介」(基本的なコミュニケーション)  (授業時間外の学習/ Assignments) 一人10分のプレゼンテーションの準備が必要です 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 気づきのトレーニング「ungame」(人間の尊厳の尊重)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 気づきのトレーニング「私の長所・短所」(自己・他者の尊重) 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 気づきのトレーニング「私にとって性別とは」(人間の尊厳の尊重,他者の尊重)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 気づきのトレーニング「個性」(パーソナリティ,生活問題等の包括的理解)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 気づきのトレーニング「私の人生ーライフラインと自叙伝ー」(パーソナリティ,生活課題等の包括的理解)  (授業時間外の学習/ Assignments) 春学期レポート課題説明 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) まとめ(ソーシャルワークの価値と実践)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 16  (内容/ Contents) スキル・トレーニング「マシュマロ・チャレンジ」(グループ,チームによる問題解決と変革実践)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 17  (内容/ Contents) スキル・トレーニング「自分のイメージカラー,粘土を挟んで」(グループ,チームにおける自己覚知と問題解決・変革実践への自己活用)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 18  (内容/ Contents) スキル・トレーニング「6色の考える帽子」(客観的視点の醸成,思考のリフレクション,チーム活動の意義,事例学習)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 19  (内容/ Contents) スキル・トレーニング「自由に『私』を話してみようー人とつながるためのパブリック・ナラティブー」(社会変革実践)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 20  (内容/ Contents) スキル・トレーニング「粘土になる」(感情移入,共感的理解の体験,家族造形法)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 21  (内容/ Contents) スキル・トレーニング「人生はコラージュのようなもの」(客観的視点の醸成)  (授業時間外の学習/ Assignments) 雑誌や新聞等(切り抜いて使用するもの)とのり,はさみが必要です 
(実施回/ Week) 22  (内容/ Contents) スキル・トレーニング「かたろーぐ」(基本的対人支援能力)  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前に作成してくる課題があります 
(実施回/ Week) 23  (内容/ Contents) スキル・トレーニング「グラフィック・ダイアローグー関係性に働きかけるー」(基本的対人支援能力,ストーリーの把握)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 24  (内容/ Contents) スキル・トレーニング「ファシリテーショングラフィックーコンテンツ・感情・プロセスを記録するー」(ソーシャルワークの価値・使命の理解)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 25  (内容/ Contents) スキル・トレーニング「気持ちマップ・対人関係マップ」(ソーシャルワークの価値・使命の理解)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 26  (内容/ Contents) スキル・トレーニング「アサーティブトレーニング(自己開示を考える)」(ソーシャルワークの価値・使命の理解)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 27  (内容/ Contents) スキル・トレーニング「聞き手にわかる言葉で伝える」(基本的対人支援能力)  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 28  (内容/ Contents) スキル・トレーニング「言葉の限界と可能性」(ソーシャルワークの価値・使命・倫理,事例学習)  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布するケース教材を読んでくる必要があります 
(実施回/ Week) 29  (内容/ Contents) ワークショップ「言葉と想像力」(ソーシャルワークの価値・使命・倫理,事例学習,リフレクション,フィードバック)  (授業時間外の学習/ Assignments) 秋学期期末レポート課題説明 
(実施回/ Week) 30  (内容/ Contents) スキル・トレーニングとまとめ「書いてみる」(自己覚知と自己活用)  (授業時間外の学習/ Assignments)  

原則対面授業を行う。ただしコロナ禍における感染拡大の影響などにより対面からオンラインへ切り替える可能性もある。その場合はできるだけ早く連絡を行う。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  50%  出席重視。やむを得ない欠席は年間通じて原則 3 回までとする。3~4人サイズのグループセッション,ワークショップ等への積極的な参加を重視。毎回コメントカードによる振り返りを課す。 
中間レポート試験  25%  演習場面におけるリフレクションレポート(具体的経験,省察的観察,概念化,新しい試みの提案) 
期末レポート試験  25%  一年を通じてのリフレクションレポート(具体的経験,省察的観察,概念化,新しい試みの提案) 

プログラムに積極的に参加しているかどうか(参加メンバー同士や担当教員との積極的な意見交換,ワークへの取り組み)。毎回授業で課す小レポートにおいて,授業時の気づきと,それを踏まえたふりかえりが書けているかどうか。春と秋のレポート課題,授業時の課題が提出できているかどうか。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
20 95.0 0.0 5.0 0.0 0.0 0.0 3.9

<参考文献/Reference Book>

森田ゆり  『ダイバーシティ・トレーニング・ブック-多様性研修のてびき-』(解放出版社、2009年)
 

毎回の授業ではレジュメを使用するが,ぜひともこのテキストを入手して学びを深めてほしいです。

<備考/Remarks>

・やむをえず遅刻・欠席をする場合は,担当者へ必ず電話かメールで連絡をしてください。 
・この授業はノートパソコン,タブレット,スマートフォンなどの電子機器を使用しないので,原則授業中は電源をOFFにするかカバン等の中にしまっておいてください。 
・本演習を構成する一員としての自覚を持って臨んでください。 
 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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