<概要/Course Content Summary>
救急医療の場面において,ソーシャルワーカーの活躍が求められている。救急医療(emergency Medicine)とは,人間を突然に襲う外傷や感染症の疾患,すなわち急性病態を取り扱う医療である。そのような場面では,生命の危機への対処,苦痛や不快感の解除,傷害された身体機能の修復が主な目標となる。通常の医療機関受診では対応できない救急の疾患や耐え難い苦痛があるか,もしくは生命の危機が迫っているなどの緊急性がある人を対象として,実施されている。限定的で極めて高い緊急性の求められる状況において,ソーシャルワーカーには,職業的な価値と倫理を前提とし,救急医療の対象となる人の「福祉課題を解決する」という行為と,「救急医療の円滑な提供体制の確保」の両方の成果を達成できることが求められる。 秋学期は,大学生の私の暮らしと救急医療の交差するところにあるアルコール関連問題に焦点をあてて,身体への影響,心への影響,家族や身近な人たちへの影響,そして地域社会への影響等を適切に理解する。短時間での多量飲酒(ビンジ飲酒)による転倒などを誘発,救急搬送される大学生の事例研究を読み,救急外来等で活動するソーシャルワーカーとしてとるべき「福祉課題を解決する」行為と,「救急医療の円滑な提供体制の確保」という両側面について考察する。ケースメソッド,アクティブ・ブック・ダイアローグなどのアクティブラーニングの手法を取り入れて進行する。 なお,担当者教員は医療機関での勤務経験を有する教員(社会福祉士,精神保健福祉士資格を有する)であり,その経験をいかして専門的な知識や技術,理論等の解説を行い,フィールドワークの計画や実施時には助言を行う。
<到達目標/Goals,Aims>
①学生が,救急医療の制度とそのなかでのソーシャルワーカーの役割を理解することができる ②学生が,救急医療の現場において発生している倫理的な課題について理解することができる ③学生が,救急医療において必要な法律や制度を理解することができる ④学生が,救急医療におけるソーシャルワークの展開過程について理解できる ⑤学生が,患者だけでなく,家族への心理社会的支援を理解できる ⑥学生が,救急医療におけるチームアプローチを理解できる ⑦学生が,これらを実践するための知識,技法を理解できる ⑧学生が,救急医療における心理・社会的ハイリスクについての知識を持つことができる ⑨学生が,救急医療に必要な医学的ハイリスクについて知識を有すことができる
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
1
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(内容/ Contents)
オリエンテーション
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
2~6
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(内容/ Contents)
文献抄読 救急認定ソーシャルワーカー認定機構(2017)『救急患者支援ー地域につなぐソーシャルワーク』(へるす出版)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
担当箇所まとめ
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(実施回/ Week)
7~14
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(内容/ Contents)
グループ研究・フィールドワーク
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(授業時間外の学習/ Assignments)
12月同志社社会福祉学会ポスター発表参加
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(実施回/ Week)
15
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(内容/ Contents)
総括
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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ゼミフィールドワークについては,相談しながら進める。 原則教室における対面授業とする。ただし,コロナ禍における感染拡大の影響によっては,対面からオンライン授業へ切り替える場合もある。その際にはできるだけ早く連絡する。
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)
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30%
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原則ゼミは毎回出席すること
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期末レポート試験・論文
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40%
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一年間のゼミ活動の成果をふりかえる期末レポートを課す。2000字程度。
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クラスで発表など
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30%
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学外団体におけるプレゼンテーションの機会への積極的な参画
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