2020年度

＜概要/Course Content Summary＞

(1)科目の内容と授業の進め方　
　この科目は，沖縄を調査フィールドとする9人（ゲストスピーカー含む）の社会学者がオムニバスで講義を担当します。私たち社会学者が捉えた沖縄の今の姿を紹介します。　
　沖縄の今を語るとき「基地」を抜きにしては語れないでしょう。しかし基地を語れば沖縄を理解できるかというとそういうわけではありません。同様に「観光」を抜きにしては語れませんが，それで沖縄を理解できるわけでもありません。　
　沖縄は基地の島であり観光の島であるとともに，まさにそこで現地の人々が活動する生活の場です。沖縄の地域社会はそうした人々の生活実践で構成されています。沖縄本島の北部と中部の地域社会の事例紹介を中心に，様々なトピックを織りまぜて授業をおこないます。　
　沖縄の姿をリアルにイメージできるよう，現地の写真や動画を豊富に取り上げて説明する予定です。沖縄に関心があるけれどもまだ一度も現地を訪問したことのない学生の受講を歓迎します。もちろん沖縄フリークを自認する人の受講も歓迎します。　
　
(2)キーワード　
　沖縄の地域社会を理解するキーワードはいくつかあります。郷友会，門中(もんちゅう)，屋取(やーどい)，共同売店，行政区，字(あざ)，入会地(いりあいち)，地主会，米軍基地と自衛隊基地，跡地転用，土地接収，首里城，ウチナンチュ，ウマチー，綱ひき，旗頭(はたがしら)，村屋(ムラヤー)，屋号，城(グスク)，御嶽(うたき)，井泉(カー)，池沼(クムイ)，字誌，等々。これらのキーワードは授業のなかで詳しく説明します。　
　
(3)ねらい　
　フィールドワークや聞き取り調査を実施して論文を書こうと考えている学生はぜひ受講してください。地域社会学者が現地調査をする場合の，準備から聞き取りへのプロセスを知ることができます。また現地調査のデータ化から論文執筆へのプロセスも知ることができます。自らの研究フィールドが沖縄でなくても構いません。地域社会研究の方法論および学問的取り組み方について様々な示唆を得ることでしょう。

＜到達目標/Goals,Aims＞

(1)基地の存在が地域住民の生活にどのような影響を及ぼしているかを説明できるようになる。　
(2)沖縄琉球の戦後のプロセスを生活者の観点から解釈することができるようになる。　
(3)沖縄の社会問題や地域課題を考察することができるようになる。　
(4)質的社会調査およびフィールドワークの実践例に触れることにより，自らのフィールドワークに応用することができるようになる。

＜授業計画/Schedule＞

＜成績評価基準/Evaluation Criteria＞

各担当教員が課題内容を指示する。期末テストは実施しない。　
出席状況，小レポートの成績を総合的に評価する。

＜成績評価結果/Results of assessment＞   成績評価の見方について/Notes for assessment

＜テキスト/Textbook＞