シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


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△公共事業論特別研究
Special Research in Public Works
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  西山 渓

<概要/Course Content Summary>

地域の生活や産業の基礎的な活動基盤であり,住民の命と財産を守る使命にある社会資本について概括するとともに,京都府の実施している社会資本整備(公共事業)を分野別に紹介する。併せて,公共事業制度の改革や,社会資本整備と密接な関係を持つ環境政策について京都府の取組みを紹介する。授業では,京都府からゲストスピーカーをお招きし,それぞれの専門分野からのお話をいただく。

<到達目標/Goals,Aims>

公共事業についての基本的な知識を獲得するとともに,京都の社会資本整備状況を認識し,その課題を把握する能力を養う。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 「公共事業と環境」    
社会資本整備における環境配慮システムとしての環境アセスメントの状況を紹介するとともに,地球温暖化防止,循環型社会形成等の今日的課題を踏まえ,府の独自施策である「『環』の公共事業」の考え方を紹介   
ゲストスピーカー(予定):文化環境部環境管理 
(授業時間外の学習/ Assignments) 環境影響評価制度についてあらかじめ学習しておくこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 「環境を重視した公共事業」    
 森林の持つ様々な機能と,これらの機能を高め,あるいは補完する治山事業について概説するとともに,山地・渓流の景観や環境の保全に対する関心の高まる中で京都府独自の取組として進めてきた「森のゼロエミッション治山事業」をはじめとする環境を重視した事業の紹介等を通じて,今後の公共事業のあり方を考察   
ゲストスピーカー(予定):農林水産部森林保全課 
(授業時間外の学習/ Assignments) 森林の持つ多面的機能について把握しておくこと  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 「道路政策の今後の展開」    
 今日道路整備に当たって,高齢化の進展,環境問題などへの対応が求められ,また,国や地方の財政再建,公共事業の見直しが進む中で,道路行政の現状と課題,今後の方向について考察   
ゲストスピーカー(予定):建設交通部道路計画課 
(授業時間外の学習/ Assignments) 京都府の道路整備の課題について調べておくこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 「貴重な自然に配慮した林道整備」    
 林業を取り巻く状況が厳しさを増す中で,林業経営にとって欠かすことのできない基盤である林道整備の重要性と実態を紹介するとともに,林業経営と自然環境の保全との両立を目指した取組の重要性と課題について,丹波広域基幹林道などの事例を交えて考察   
ゲストスピーカー(予定):農林水産部森林保全課  
(授業時間外の学習/ Assignments) 京都府の林業の現状について調べておくこと 
(実施回/ Week) 5~7  (内容/ Contents) 「自然環境に配慮した丹波広域林道の建設(片波川源流域京都府自然環境保全地域)と木製治山ダム工の導入」    
 実地検証を兼ね,貴重な自然との両立を目指し,ルート変更や工法に配慮を行った丹波広域基幹林道建設の取組状況について紹介。併せて,循環可能な資源である間伐材を利用し,環境に配慮した木製治山ダム工の取組状況についても紹介(京都市雲ヶ畑箇所を見学)   
ゲストスピーカー(予定):京都林務事務所  
(授業時間外の学習/ Assignments) 林道整備と環境保全について事例を調べておくこと(現地講義は3時間分の授業相当となります) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 「これからの川づくり」    
 従来の治水機能重視の河川整備の功罪を検証する中で,その後の都市化に伴う洪水流出のメカニズムの変化や河川環境に対する住民ニーズを踏まえ,行政がどのように施策展開してきたかを概観し,これからの河川行政のあり方を考察   
ゲストスピーカー(予定):建設交通部河川課  
(授業時間外の学習/ Assignments) 河川法と河川管理者の権限や活動について調べておくこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 「都市計画制度とこれからのまちづくり」    
 高度経済成長の終焉,都市化傾向の鈍化,高齢化や環境問題等の出現,地方分権など都市をめぐる社会状況の変化と都市計画制度の対応について概説し,コミュニティ,計画性,住民参加などこれからの都市計画のあり方を考察   
ゲストスピーカー(予定):建設交通部都市計画課  
(授業時間外の学習/ Assignments) 都市計画制度とその事業の構造についてあらかじめ理解しておくこと  
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 「成熟社会における住宅政策」    
 少子高齢化の進行や環境問題の深刻化,土地神話の崩壊とともに,近い将来には人口や世帯数の減少が予測されるなど,成長社会から成熟社会への転換期にある中で,今日の住宅ストックの現状を分析し,今後の公共賃貸住宅の役割と住宅政策について考察   
ゲストスピーカー(予定):建設交通部住宅課  
(授業時間外の学習/ Assignments) 公営住宅の意義についてあらかじめ調べておくこと  
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 「地域振興と農業農村整備」    
 食料生産の場と同時に豊かな環境を提供するなど,府民生活にとって様々な役割を果たしている農業農村地域。この地域の維持発展と未来への継承を図るために,農業農村整備が果たす役割を概説し,最近の取組み事例の紹介を通じ,今後の農業農村整備のあり方を考察     
ゲストスピーカー(予定):農林水産部農村振興課  
(授業時間外の学習/ Assignments) 農業や農村の現状について調査しておくこと 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 「水産振興と基盤整備」    
 京都府の水産事業の現状を紹介するとともに,振興の基本方向であるアクションプランに基づく『つくり・育てる漁業』の現状と,その推進に不可欠な沿岸漁業基盤整備について,事例を紹介しつつ概説する   
ゲストスピーカー(予定):農林水産部水産課  
(授業時間外の学習/ Assignments) 水産業の現状をあらかじめ理解しておくこと 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 「今後の公共事業のあり方 住民参加」    
 ワークショップ等による構想・計画段階からの住民参加・住民の提案による新しい事業手法,アダプト・プログラムによる維持管理など,住民参加を中心とした今後の公共事業のあり方を考察   
ゲストスピーカー(予定):建設交通部監理課  
(授業時間外の学習/ Assignments) 府民参加型公共事業について,先行事例を調査しておくこと 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 「今後の公共事業のあり方 コスト縮減」    
 PFI,入札制度改革,アセットマネージメント,コスト削減を中心とした今後の公共事業のあり方を考察   
ゲストスピーカー(予定):建設交通部指導検査課  
(授業時間外の学習/ Assignments) 府民参加型公共事業について,先行事例を調査しておくこと 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 「公共事業の仕組みと役割」    
 全国の公共事業の動向や京都府の抱える事業課題を説明した上で,現在京都府で実施している主な事業を紹介し,あわせて,公共事業の役割・効果や採択から再評価などの事業実施の仕組みと社会経済情勢の動きに合わせた現在の取組状況について紹介   
ゲストスピーカー(予定):建設交通部指導検査課  
(授業時間外の学習/ Assignments) 事業発注の方法や決定の仕組みについてあらかじめ理解しておくこと   
府内南北格差是正など府の地域政策についてあらかじめ調べること 

現在は対策をきちんととった上での対面授業を予定していますが,今後の新型コロナウィルスの感染拡大の状況に応じて,オンライン授業等への移行の可能性もあるため,授業形態の変更があった場合はDUETなどですぐに連絡をします。また,体調不良や濃厚接触などの疑いがある受講者は,無理をして受講をせずに,自宅で安静にしていてください。 
 
なお,ゲストの方々の都合により授業内容などに変更がありうるので,こちらについてもDUETの掲示に注意するようにしてください。 
 
授業は,毎回(第1回~第15回),京都府からゲストをお招きし講義を頂く予定です。 
教室での講義以外に現在実施されている事業の現場に赴いて1日(授業3回分)程度の現地視察,現地調査,現地講義を行う予定ですが,こちらも新型コロナの感染拡大状況に応じて柔軟に対応していきます。 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

出席  50%  全回の出席を基本とします。毎回授業後に,簡単なレポートを書いて提出すること 
最終レポート  50%  公共事業の課題を的確に把握しているかどうかが問われる 

3回の無断欠席をした受講者は単位を取得できない。

<テキスト/Textbook>

京都府のゲストの指示によるので,掲示に注意すること。

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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