シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


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△政策形成論特別研究
Special Research in Policy Formation
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  髙橋 克紀 上村 崇 真山 達志

<概要/Course Content Summary>

 政策形成についての研究は,政府と外部集団が相互作用を通して政策を「つくっていく」過程を理解しようとしている。形成研究のアプローチは多様にありうるが,この講義では,“「事業レベル」の改善や問題関心を「政策レベル」につなげるにはどうしたらいいのだろう”,ということを一緒に考えていきたい。 
 材料は主に二つで,①政治学における政策形成過程分析の著名な概念やモデル,②京都府内の自治体を例とした政策形成過程の実情,である。 
 なお,①は学部時代に政治系科目をあまり学んでいない人向けで考えている。政治学系出身者にはぜひ突っ込んだ質問や意見の投げ掛けなどを行ってほしい。もちろん素人の疑問も大歓迎である。議論といってもあまり大袈裟に構えず,まじめな雑談から始めてもらえればよい。

<到達目標/Goals,Aims>

政治学に慣れていない学生でも,政策形成過程に関する基本的な考え方を把握し,それらの方法論的な強みと弱みを理解したうえで各自の研究テーマと関連付けたレポートが書けるようになること。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) はじめに  (授業時間外の学習/ Assignments) 『政策形成の本質』,『ローカル・ガバメント論』(3,4章),『政策実施の理論と実像』(序章)を読んでおく 約3時間 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 政策立案の8ステップ  (授業時間外の学習/ Assignments) バーダック『政策立案の技法』を復習 約3時間 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 民主主義と理性-知性  (授業時間外の学習/ Assignments) ウッドハウス&リンドブロム『政策形成の過程』を復習 約3時間 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 政策コミュニティ  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連文献を読む 約4時間 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 政策ウィンドウ・モデルと政策提唱連合(ACF)  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連文献を読む 約4時間 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 権力観  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連文献を読む 約4時間 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 立法過程の基礎知識(中央レベル)  (授業時間外の学習/ Assignments) 適用できそうな事例を探す 約3時間 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 立法過程の基礎知識(地方レベル)  (授業時間外の学習/ Assignments) 適用できそうな事例を探す 約3時間 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 地方議会  (授業時間外の学習/ Assignments) 適用できそうな事例を探す 約3時間 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) シンクタンク  (授業時間外の学習/ Assignments) webでシンクタンクによるレポートを三つ以上読む 約5時間 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 受講生の報告(グループ可)  (授業時間外の学習/ Assignments) 他の受講生の観点と自身の観点とを比較整理する 約4時間 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 熟議  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連文献を読む 約3時間 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 参加とその課題  (授業時間外の学習/ Assignments) ほかの事例調査を探し,相違点を考える 約4時間 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) レポート作成の相談・指導  (授業時間外の学習/ Assignments) 各自の研究テーマとの関連をよく考える 約5時間 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) おわりに  (授業時間外の学習/ Assignments) 各自の研究テーマに即して全体を見直し文章化する 約6時間 

・授業の多くは髙橋が担当するが,第7~9回は上村(実務家)の日程調整から,一部で日程を変更したり,補講にする日が生じるかもしれない(受講生と相談のうえ決める)。 
・進度や議論の流れに応じて各回の内容は少し入れ替わったり,二回に分かれたりするかもしれない。特に,「受講生の報告」は相談のうえタイミングを変更してもよいと思っている。 
・中間レポートは11月末ごろに紙で提出してもらう予定。詳しくは追って指示する。 
・レジュメはe-classからダウンロードしておくこと(初回は不要)。 
・授業外学習に関して,レジュメの予習にはそれほど時間をかけなくてよいので上には記載していない。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  25%  発言・議論への参加,予習の程度 
小レポート  25%  題意との整合,テーマが絞れているか,論旨のまとまり,引用ルール 
期末レポート試験・論文  50%  下記参照 

・パラグラフごとの主旨が意識されており,全体の文章展開が論理的に書かれているか。 
・先行研究のポイントを理解しているか。 
・講義で提示した事柄(資料・文献など)よりも踏み込んで考察しているか。 
・引用がルールに従ってなされているか。

<テキスト/Textbook>

なし

<参考文献/Reference Book>

真山達志  『政策形成の本質』(成文堂、2001)
 

ウッドハウス&リンドブロム  『政策形成の過程』(東京大学出版会、2004)
 

岡崎晴輝・木村俊道編  『はじめて学ぶ政治学-古典・名著への誘い-』(ミネルヴァ書房、2008)
 

真山達志編著  『ローカル・ガバメント論』(ミネルヴァ書房、2012)
 

K. Smith and C. Larimer , The Public Policy Theory Primer ,  2nd .   (Westview, 2014) . 

 

E・バーダック  『政策立案の技法』(東洋経済新報社、2012)
 

真山達志編  『政策実施の理論と実像』(ミネルヴァ書房、2016) ←特に序章,1章,4章,7章。 
 

篠原一編  『討議デモクラシーの挑戦』(岩波書店、2012)
 

J. Forester , Dealing with Differences .   (Oxford Univ. Press, 2008) . 

 

堤未果  『(株)貧困大国アメリカ』(岩波書店、2013) ←特に「ALEC」について 
 

髙橋克紀  『政治学へ』2版 (デザインエッグ、2019) ←政治学の初心者向け。 
 

 

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