シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10702622-026 

△政策トピックス-26 (コーカサスの政治)
Policy Issues-26 -Politics in Caucasus-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  富樫 耕介

<概要/Course Content Summary>

【授業の内容と狙い】 
 本授業では,旧ソ連地域の一つであり,ソ連解体後,紛争が続発したコーカサス地域の政治について理解を深め,国家の解体と新しい国家の誕生,そして紛争や民族問題が政治的にいかなるダイナミクスを生み出すのかについて学ぶ。 
 コーカサス地域は,ロシア連邦内の自治地域で構成される北コーカサス,ジョージア,アルメニア,アゼルバイジャンという独立国で構成される南コーカサスに分けられ,多様な民族が居住している。この地域は,文明の境目にあると言われるように,イスラーム文明,キリスト教文明が交錯する地域で,大国(ロシア,トルコ,イラン)に挟まれている。そして,旧ソ連地域で最も多くの紛争や民族問題を抱えている地域でもある。 
 ややもすると,マイナーな地域の講義と思われるかもしれないが,現在の国際社会に存在する紛争や民族問題がどのような課題を生み出し,いかなる解決策が模索されているのかを理解する上で,コーカサス地域は非常に興味深いケーススタディになると考えている。 
 
【授業のキーワード】コーカサス(旧ソ連・ロシア),国家の解体と再編,民族独立,平和共存,紛争解決,未承認国家 
 
【授業の進め方】 
 授業は,受講者全員による事前のテキスト購読と担当者1名による当日発表(レジュメ作成の上,前日までに受講者全員に共有し当日発表)及びその後の質疑(参加者全員が1つ以上発表者に質問し発表者が回答する)を実施した後,教員による補足説明(講義)を行う。なお現状刊行されていないが,10月末までにテキストを出版予定であるので,刊行されるまでは教員より原稿データを受講者に共有する。レポートの内容は,授業で扱った内容の中から任意のテーマを自ら選び3000字以上のレポートを作成の上,提出するものとする。 
 
 本授業は,外務省(本省及び在外公館)での勤務経験と国際ボランティア経験を有する教員が旧ソ連・コーカサス地域に関する分析等の職務経験と学術的知見の双方を架橋し,解説や説明を行う。

<到達目標/Goals,Aims>

1)コーカサス地域の政治について基礎的な説明ができるようになること 
2)国家の解体と新しい国家の誕生,紛争や民族問題の政治的作用についてコーカサスを事例に説明できるようになること

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1  (内容/ Contents) イントロダクション(授業内容及び計画,評価方法についての説明,コーカサスについての概説):ロシア政治とコーカサス  (授業時間外の学習/ Assignments) シラバスを授業前に確認し,授業後に授業内容を復習すること(予習30分) 
(実施回/ Week) 2  (内容/ Contents) コーカサス地域の戦略的重要性①北コーカサス地域と民族の現状  (授業時間外の学習/ Assignments) テキストの該当部分を予習し,授業後に授業内容を復習すること(予習・復習1時間) 
(実施回/ Week) 3  (内容/ Contents) コーカサス地域の戦略的重要性②南コーカサス地域と民族の現状  (授業時間外の学習/ Assignments) テキストの該当部分を予習し,授業後に授業内容を復習すること(予習・復習1時間) 
(実施回/ Week) 4  (内容/ Contents) 北コーカサスの紛争①イングーシ・北オセティア紛争  (授業時間外の学習/ Assignments) テキストの該当部分を予習し,授業後に授業内容を復習すること(予習・復習1時間) 
(実施回/ Week) 5  (内容/ Contents) 北コーカサスの紛争②第一次チェチェン紛争  (授業時間外の学習/ Assignments) テキストの該当部分を予習し,授業後に授業内容を復習すること(予習・復習1時間) 
(実施回/ Week) 6  (内容/ Contents) 北コーカサスの紛争②第二次チェチェン紛争  (授業時間外の学習/ Assignments) テキストの該当部分を予習し,授業後に授業内容を復習すること(予習・復習1時間) 
(実施回/ Week) 7  (内容/ Contents) 前半部の振り返りと補足説明・レポートの様式等の説明  (授業時間外の学習/ Assignments) これまでの授業内容を振り返り,内容を再確認すること(予習2時間) 
(実施回/ Week) 8  (内容/ Contents) 南コーカサスの紛争①ナゴルノ・カラバフ紛争  (授業時間外の学習/ Assignments) テキストの該当部分を予習し,授業後に授業内容を復習すること(予習・復習1時間) 
(実施回/ Week) 9  (内容/ Contents) 南コーカサスの紛争②南オセティア紛争  (授業時間外の学習/ Assignments) テキストの該当部分を予習し,授業後に授業内容を復習すること(予習・復習1時間) 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 南コーカサスの紛争③アブハジア紛争  (授業時間外の学習/ Assignments) テキストの該当部分を予習し,授業後に授業内容を復習すること(予習・復習1時間) 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) コーカサスと平和構築①:コーカサスの紛争の比較理解  (授業時間外の学習/ Assignments) テキストの該当部分を予習し,授業後に授業内容を復習すること(予習・復習1時間) 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) コーカサスと平和構築②:コーカサスの紛争の平和的解決の可能性  (授業時間外の学習/ Assignments) テキストの該当部分を予習し,授業後に授業内容を復習すること(予習・復習1時間) 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) コーカサスと現代国際政治①北コーカサスのイスラーム主義勢力と「グローバル・ジハード」運動  (授業時間外の学習/ Assignments) テキストの該当部分を予習し,授業後に授業内容を復習すること(予習・復習1時間) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) コーカサスと現代国際政治②未承認国家問題  (授業時間外の学習/ Assignments) テキストの該当部分を予習し,授業後に授業内容を復習すること(予習・復習1時間) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 後半部まとめと振り返り・補足説明(レポート提出日)  (授業時間外の学習/ Assignments) これまでの授業内容を振り返り,内容を再確認すること(予習2時間) 

受講者と相談の結果,授業計画を変更する可能性がある。また発表の順番は,原則として希望順だが(重なった場合は,ジャンケン,もしくはあみだくじなどで決める),テキストの担当箇所に分量の差が出ないように配慮を行う。但し,テキストの都合上,発表が後半部分については担当する分量が多くなる可能性があるので,その点に各自留意しつつ,自らの希望する発表順を表明するように。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  30%  授業への出席と参加度,貢献度を評価する,なお毎回1つ質問や意見を必ず出すこと。その他,授業内での発言に対する評価等で成り立つ。 
期末レポート  40%  授業内で扱った任意のテーマ,もしくはテキストから興味のある内容を自ら見つけ,さらに文献等を調べて3000字程度のレポートを提出すること。細かなレポートの様式は授業内で説明する。また質問も第7回目の授業で受け付ける。 
クラスで発表など  30%  各自1回のテキスト発表(レジュメを作成の上,前日までに受講者全員に共有し,当日に発表)を行い,参加者からの質問に回答する。 

原則として,授業内評価で6割,最終レポートの4割で構成される。通常の授業内評価の前提として,自分の発表回以外にも授業への出席,事前のテキスト購読と当日の授業内での発言が求められる。なおコロナ禍で当初のシラバスで記載していた二度に分けた論述小テストを廃止した代わりに通常授業内の評価とレポート評価に代えている。この分,普段の負担は若干増えたが,試験面での負担が大きく減っている。最終レポートについては,それ以前に相談する機会を設けているので,どのような基準で評価されるのか,様式等をきちんと確認すること。ルールをきちんと守れば一定以上の評価は問題なく得られる。なお,4回以上の欠席は評価対象外になるので注意すること。

<テキスト/Textbook>

  なお現状刊行されていないが,10月末頃までに刊行予定である。数回は教員よりテキスト原稿のコピーを共有し,テキストが刊行され次第,受講者に伝えるので購入するように。 

 

<参考文献/Reference Book>

本授業は対面式を原則としながらも,適宜必要に応じてオンライン授業に切り替えたり,並行実施も考える。コロナ流行状態はもとより受講者の希望(対面式授業を受講困難な学生への配慮希望等)も聴取予定である。

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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