シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10702124-004 

△政策トピックス-4 (しあわせな人口減少社会のデザイン)
Policy Issues-4 -Social Design for Elegant population decline-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  佐野 淳也

<概要/Course Content Summary>

【オンライン授業】 (リアルタイム双方向型) 
江戸時代に約3000万人とほぼ定常状態だった日本の人口は,明治以降に急増しその後の140年で約4倍の1億3千万人となりました。しかし2008年をピークに日本の総人口は減少に転じ,国立社会保障・人口問題研究所の推計では2100年には約5千万人まで減ると予測されています。 
 
これまで日本の政策やまちづくりは人口拡大を基本に考えられてきました。しかし人口減少期に入った今,社会のつくり方やデザイン(設計)そのものを,新たに考えなおすべきときに来ています。また,with/アフターコロナ時代において,都市部に過度に人口が集中せず,程よく人口が地方分散し,豊かに暮らす分権社会へのシフトが求められています。 
 
そこでこの授業では,「しあわせな人口減少社会のデザイン」をテーマに,そのヒントとなるレジリエンス(しなやかな強さ)やコミュニティデザイン,ソーシャルキャピタル(社会関係資本)といった様々なコンセプトを学びます。同時に全国各地の農山漁村及び都市におけるコミュニティデザイン(地域づくり)の先進事例について学び,これからの人口減少時代の中でどのように都市と農村が共存していけるか,その方向性とビジョンをミクロとマクロの両面から考察します。 
 
*この授業では「主体的で対話型の深い学び」であるアクティブ・ラーニング形式を基本とします。具体的には,小グループをつくりテーマについて話し合ったり,テキスト内容や社会課題解決の方法についてグループごとに授業内でプレゼンするなどの機会を設けます。またゲストスピーカーの授業の際にも,毎回受講生のみなさんとの質疑応答セッションを行います。  
 
*さらに,毎回の授業の前に教員から「問い」を出し,事前課題としてその問いについて調べた上で授業にみなさんが出席する,という「反転学習」のスタイルを取ります。これにより,授業内における教員からみなさんへの単なる知識や情報のインプットの時間は最小限とし,事前に受講生のみなさんが学んできた知識や情報をもとに,「問い」について深めていくダイアログ(対話)やグループワークを中心の授業デザインとします。 
 
*このように単に受け身で授業を聴くのではなく,能動的に授業に参加し,対話しながら積極的に学ぶ意欲を持つ学生のみなさんの参加を期待します!  
 
*またグループワークを中心とした授業設計であることから,感染防止のためオンライン授業を基本とし,ZOOMによるリアルタイム双方向型とします。ZOOMのブレイクアウトルームにおいては,ビデオをオンにし,お互い顔を見ながら話すグループワークを行います。受講生のみなさんはその前提で受講いただき,また使用する端末(パソコン推奨)やインターネット回線(安定した容量無制限回線を推奨)も準備の上,参加してください。 
 
*ウィルス流行状況によって,安全と判断されれば,教室での対面とオンライン参加を組み合わせるハイブリッド型授業も検討します。そのあたり,受講生のみなさんの希望や社会状況に合わせ柔軟に授業運営を行いたいと思います。 

「しあわせな人口減少社会」イメージ(言の葉さらさらプロジェクト)

<到達目標/Goals,Aims>

① 人口減少の現状と原因について知る。 
② 人口減少問題へのアプローチ方法について学ぶ。 
③ 地方消滅論とその反論について学ぶ。 
④ 国内の農山村再生事例を学ぶ。 
⑤ 人口減少社会デザインに必要なコンセプトを学ぶ。 
⑥ これから主体的につくりだしたい「しあわせな人口減少社会」の未来ビジョンを構想する。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) オリエンテーション 〜授業の概要と到達目標  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 人口減少の現状と課題  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 人口減少×デザイン① 第1章 
・人口減少の16の疑問とキーデータ 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 人口減少×デザイン② 第2章・第3章 
・人口減少のメカニズム地方自治体5タイプ 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 人口減少×デザイン③ 第4章 
・人口減少問題へのアプローチ 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) しあわせな人口減少社会デザイン  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 課題図書レポートシェア  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 地域からの挑戦① 徳島県神山町  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 地域からの挑戦② 島根県隠岐郡海士町   (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 未来社会デザイン① 北欧の社会デザイン  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 未来社会デザイン② 格差・貧困  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 未来社会デザイン③ 働き方  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 未来社会デザイン④ 子育て・教育  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 未来社会デザイン⑤ まちづくり  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 全体まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の予習・復習/発表準備 

☆昨年度実績に基づく現時点での授業計画であり,今年度の受講生の希望や招聘ゲストのスケジュール等により柔軟に計画の変更を行います。最新の授業計画については,改めて授業内で明示・配布します。 
 
*この授業では「主体的で対話型の深い学び」であるアクティブ・ラーニング形式を基本とします。具体的には,小グループをつくりテーマについて話し合ったり,テキスト内容や社会課題解決の方法についてグループごとに授業内でプレゼンするなどの機会を設けます。またゲストスピーカーの授業の際にも,毎回受講生のみなさんとの質疑応答セッションを行います。  
 
*さらに,毎回の授業の前に教員から「問い」を出し,事前課題としてその問いについて調べた上で授業にみなさんが出席する,という「反転学習」のスタイルを取ります。これにより,授業内における教員からみなさんへの単なる知識や情報のインプットの時間は最小限とし,事前に受講生のみなさんが学んできた知識や情報をもとに,「問い」について深めていくダイアログ(対話)やグループワークを中心の授業デザインとします。 
 
*このように単に受け身で授業を聴くのではなく,能動的に授業に参加し,対話しながら積極的に学ぶ意欲を持つ学生のみなさんの参加を期待します!  
 
*またグループワークを中心とした授業設計であることから,感染防止のためオンライン授業を基本とし,ZOOMによるリアルタイム双方向型とします。ZOOMのブレイクアウトルームにおいては,ビデオをオンにし,お互い顔を見ながら話すグループワークを行います。受講生のみなさんはその前提で受講いただき,また使用する端末(パソコン推奨)やインターネット回線(安定した容量無制限回線を推奨)も準備の上,参加してください。 
 
*ウィルス流行状況によって,安全と判断されれば,教室での対面とオンライン参加を組み合わせるハイブリッド型授業も検討します。そのあたり,受講生のみなさんの希望や社会状況に合わせ柔軟に授業運営を行いたいと思います。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  90%  事前学習,出席,能動的参加,良質なアウトプット 
発表  10%  的確性,わかりやすさ,表現方法 

1)平常点(0~6点×15回 =90点満点) 
毎回授業の事前課題や「問い」に対する自主学習の質を2点満点で評価します。さらに毎回の90分の授業への出席を2点満点で評価します。さらに毎回授業後に感想をアンケートフォームにて提出してもらい,その中身から,授業内容の理解の的確さや授業への積極的態度,独自の考察や学びを2点満点で採点対象とします。さらに積極的な発言や,授業を能動的にかつ共同でつくる姿勢も感想文に加え評価対象とします。合計で,6点満点で毎回の授業平常点を評価します。 
 
2)発表(10点満点)*未来デザイングループ発表  
「しあわせな人口減少社会」に向けて,自分の探求したいテーマに沿って受講生のみなさんでグループに分かれてもらい,グループごとに授業内で発表を行います。しっかりと事前準備が行われ,チームワークが良く,効果的にわかりやすく,独自性のある発表がされているかどうかでチーム全体のパフォーマンスを加味しながら,発表者の各個人に対し評価します。 
 
3)レポート(ボーナスポイント)*課題図書レポート 10点満点(予定) 
この授業では,レポート提出を必須としませんが,希望者は課題図書を読んでのレポート提出が可能です。上記,平常点と発表で100点満点となりますが,レポート提出を行った受講生は,さらにこれにボーナスポイントを加算し,成績評価の対象とします。 
・「課題図書レポート」 
参考文献の中から1冊選び書きます(2000~3000字)。また授業内にて,レポート内容を発表する機会を設けます。レポートを提出し,授業内で発表を行った受講生に全員10点を加算します。 
 
【成績評価】A(85点以上)・B(70~84点)・C(55~69点)・D(40~54点)・F=不合格(39点以下)

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
29 44.8 41.4 0.0 3.4 10.3 0.0 3.1

<テキスト/Textbook>

筧 裕介  『人口減少×デザイン-地域と日本の大問題を,データとデザイン思考で考える。-』 (英治出版、2015) ISBN:9784862762115 

 

<参考文献/Reference Book>

山崎 亮  『縮充する日本 -「参加」が創り出す人口減少社会の希望-』(PHP研究所、2016)ISBN:978-4569827377 
 

広井良典 (著)  『人口減少社会という希望-コミュニティ経済の生成と地球倫理-』(朝日新聞出版、2013)ISBN:978-4022630018 
 

藻谷 浩介 (著), NHK広島取材班 (著)  『里山資本主義-日本経済は「安心の原理」で動く-』(KADOKAWA/角川書店、2013)ISBN:978-4041105122 
 

枝廣 淳子 (著)  『地元経済を創りなおす-分析・診断・対策-』(岩波書店、2018)ISBN:978-4004317043 
 

指出 一正  『ぼくらは地方で幸せを見つける -ソトコト流ローカル再生論-』(ポプラ社、2016)ISBN:978-4591152843 
 

山内 道雄(著), 岩本 悠(著), 田中 輝美(著)  『未来を変えた島の学校』(岩波書店、2015)ISBN:9784000248761 
 

神田 誠司 (著)   『神山進化論 -人口減少を可能性に変えるまちづくり-』(学芸出版社、2014)ISBN:978-4761526924 
 

千葉 忠夫   『格差と貧困のないデンマーク-世界一幸福な国の人づくり-』(PHP研究所 、2011)ISBN:978-4569792422 
 

マイケ・ファン・デン・ボーム  『世界幸福度ランキング上位13ヵ国を旅してわかったこと』(集英社インターナショナル、2016)ISBN:978-4797673302 
 

リンダ グラットン   『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(東洋経済新報社、2016)ISBN:978-4492533871 
 

安宅 和人  『シン・ニホン-AI×データ時代における日本の再生と人材育成-』(NewsPicksパブリッシング、2020)ISBN:978-4910063041 
 

筧 裕介  『持続可能な地域のつくり方-未来を育む「人と経済の生態系」のデザイン-』(英治出版、2019)ISBN:978-4862762511 
 

 

 

<参照URL/URL>

地域しあわせラボ 
issue+design(イシュープラスデザイン) 

<備考/Remarks>

担当教員(佐野淳也)は,これまで環境・国際協力・福祉など幅広い分野でNPO・市民活動やソーシャルベンチャー(社会的企業)を実践し,実際の地域づくりの活動にも携わってきました。本授業ではこうした実務経験をもとに,これからの人口減少社会においてどのような地域デザインが重要かつ有効なのをわかりやすく解説します。 
 
さらにゲストスピーカーコメンテーターとして実際に地域づくりや社会デザインに携わる実践者を多く招聘します。彼らの実践事例を通して,受講生のみなさんにはこれから「しあわせな人口減少社会のデザイン」を自分自身のキャリアとしてどのように実践していくかについて,考えてほしいと思っています。 

 

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