シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10702003-114 

△アカデミック・スキル1-114 (分析 冷戦後の紛争を理解するための分析枠組みⅠ)
Academic Skills 1-114 -Analytical framework for armed conflicts in post-Cold War Ⅰ-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  演習/Seminar

  富樫 耕介

<概要/Course Content Summary>

【授業内容と狙い】 
 本授業では,現在の国際社会における主要な課題となっている紛争やテロリズム等を理解・分析する方法について学び,受講生が特定の紛争やテロについて自ら調べ発表できるようになることを目的として行われる。現在,国際社会においては,地域紛争や民族紛争,内戦など非国家主体による紛争が多発しており,テロの脅威も高まっている。  
  
 紛争やテロは,平和な日本にいる我々には一見すると関係ないと思うかもしれないが,しかし,日本人に人気の観光地であるヨーロッパ諸国やアジア地域では,テロによって日本人が犠牲になるケースも少なからず生じている。現在の紛争やテロに関する知識を得て,またこれらの分析方法を理解していることは,転ばぬ先の杖になるかもしれない。さらに実は,国際テロの先駆けは日本の過激派組織であるなど,これらの問題と日本は無縁ではない。 
 
【キーワード】内戦,民族紛争,テロリズム,紛争のメカニズムとダイナミクス,紛争要因 
 
【授業の進め方】 
 授業は,グループワークを通して進める。グループワークには,2種類ある。第一に,毎回の授業で教員より提示される論点についてグループ内で議論し,教室内で発表するというものである。第二に,この授業の最終回までにグループ単位で与えられた作業課題に取り組み,その成果を最終回に発表するというものである。後者については,授業内でグループワークの時間を設けるが,それとは別に授業外でもグループのメンバーと協力することが求められる。なお最終発表は,特定の紛争を選び,授業で学んだ分析枠組みを活用し,分析した内容を発表するというものである。 
 
 本授業は,外務省(本省及び在外公館)での勤務経験を有する教員が紛争やテロの情勢分析と理論的アプローチの双方を架橋し,解説や説明を行う。 
 
【注意】「アカデミック・スキル1ー冷戦後の紛争を理解するための分析枠組み2ー」と重複する部分はごく一部あるが内容的には,前者は紛争への国際政策についての分析であり,本授業は紛争そのものの分析であるという違いがある。

<到達目標/Goals,Aims>

1)冷戦終結後の国際社会の主要な課題となっている内戦や民族紛争,テロなどを分析することができるようになること 
2)グループワークを通して自らの意見を述べ,他者に共感し,共に協力して調べたことを発表できるようになること

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1  (内容/ Contents) イントロダクション(授業内容・計画,成績評価方法等の説明,グループワークの課題説明,紛争やテロを分析する必要性についての確認)  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前にシラバスに目を通し,授業後は授業で説明した内容について確認すること(予習復習30分間) 
(実施回/ Week) 2  (内容/ Contents) 平和と紛争とは何か?   (授業時間外の学習/ Assignments) 授業で学んだ内容を復習すること(復習30分)。教員が提示する翌週の論点について考えてくること(予習30分)。 
(実施回/ Week) 3  (内容/ Contents) 紛争とテロを分析するデータベース等の紹介  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業で学んだ内容を復習すること(復習30分)。教員が提示する翌週の論点について考えてくること(予習30分)。 
(実施回/ Week) 4  (内容/ Contents) 冷戦後の紛争の特徴  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業で学んだ内容を復習すること(復習30分)。教員が提示する翌週の論点について考えてくること(予習30分)。 
(実施回/ Week) 5  (内容/ Contents) 紛争をいかに理解するのか?(前半部は講義・後半部はグループワーク)  (授業時間外の学習/ Assignments) 各自・各グループで授業前に事前に準備しつつ授業当日に円滑なグループワークとなるようにすること(予習2時間)。授業後は,次回に向けた準備状況について確認し,各自で引き続き作業すること(復習1時間)。 
(実施回/ Week) 6  (内容/ Contents) 紛争はなぜ発生するのか?①政治的・経済的要因)   (授業時間外の学習/ Assignments) 授業で学んだ内容を復習すること(復習30分)。教員が提示する翌週の論点について考えてくること(予習30分)。 
(実施回/ Week) 7  (内容/ Contents) 紛争はなぜ発生するのか?②社会的・自然環境要因)   (授業時間外の学習/ Assignments) 授業で学んだ内容を復習すること(復習30分)。教員が提示する翌週の論点について考えてくること(予習30分)。 
(実施回/ Week) 8  (内容/ Contents) 紛争事例の分析  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業で学んだ内容を復習すること(復習30分)。教員が提示する翌週の論点について考えてくること(予習30分)。 
(実施回/ Week) 9  (内容/ Contents) 映画から学ぶ紛争  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業で学んだ内容を復習すること(復習30分)。教員が提示する翌週の論点について考えてくること(予習30分)。 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) グループワーク(グループ発表に向けて,これまで学んだことを踏まえて教員のアドバイスを受けつつ,特定の紛争についてグループごとに調査を進める)  (授業時間外の学習/ Assignments) 各自・各グループで授業前に事前に準備しつつ授業当日に円滑なグループワークとなるようにすること(予習2時間)。授業後は,次回に向けた準備状況について確認し,各自で引き続き作業すること(復習1時間)。 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) テロリズムの分析①定義と特徴  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業で学んだ内容を復習すること(復習30分)。教員が提示する翌週の論点について考えてくること(予習30分)。 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) テロリズムの分析②歴史的変化とテロ対策  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業で学んだ内容を復習すること(復習30分)。教員が提示する翌週の論点について考えてくること(予習30分)。 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 最終発表(パワーポイントを用いたグループ発表及びそれに対する質疑やコメント)  (授業時間外の学習/ Assignments) 最終発表に向けて各グループで準備をし,当日の発表がより良いものとなるよう努力すること(予習2時間) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 最終発表(パワーポイントを用いたグループ発表及びそれに対する質疑やコメント)  (授業時間外の学習/ Assignments) 最終発表に向けて各グループで準備をし,当日の発表がより良いものとなるよう努力すること(予習2時間) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 授業内容のまとめ(必要に応じて最終発表をこの回も行う場合がある)  (授業時間外の学習/ Assignments) これまでの授業内容を振り返ること(予習1時間) 

履修人数によってグループワークや発表に要する時間が変わってくるため,受講者と相談の結果,授業計画を変更する可能性がある。授業外でグループのメンバーと共に課題に関する作業を求められることがある(また発表に向けて各自で自主的にグループ学習を行う必要性が生じる)ので,その点を理解しておくこと。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  20%  日々の出席や授業への参加度,毎回記入を求めるコメントカードの記入内容にて評価を行う。 
クラスで発表など  60%  最終のグループ発表を評価する。 
クラスへの貢献度  20%  授業内におけるグループワークへの参加度や貢献度,発言内容等に基づいて評価を行う。 

グループ発表の内容及び様式には定めがあり,詳細は授業内で説明する。グループ発表の内容に関する講評(フィードバック)については発表時に教員からのコメントとして行う。グループ発表の評価においては,受講生による相互評価も用いる。レポート等の課題がない分,通常授業内の評価と最終発表の評価で成績は決まってくる。その意味で,提出課題等の負担は大きくないが,毎回欠席せずにグループでも率先して作業することが求められる。授業の性質上,欠席は他のメンバーへの負担となるので,4回以上の欠席は,原則として不可とする。

<参考文献/Reference Book>

オリバー・ラムズボサム,トム・ウッドハウス,ヒュー・マイアル  『現代世界の紛争解決学』(明石書店、2009)上記文献は,テキストではないが,授業内容と重なる部分が多く参考になるので,興味のある人は参照されたい。但し,絶版になっているので入手できない。なお英語版はContemporary Conflict Resolutionという題名で最新版が出ている。 
 

<備考/Remarks>

本授業は対面式を原則としながらも,適宜必要に応じてオンライン授業に切り替えたり,並行実施も考える。コロナ流行状態はもとより受講者の希望(対面式授業を受講困難な学生への配慮希望等)も聴取予定である。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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