シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10701506 

△科学技術政策 (科学技術政策とアカウンタビリティ)
Technology Policy -Science and technology policy and accountability-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  山谷 清志 橋本 圭多

<概要/Course Content Summary>

宇宙政策やエネルギー政策に代表される巨大で難解な科学技術をどのように民主的に統制するか,これは難問である。監査に代表される古典的ツールでは手に余り,国会統制は形式に終わり,一般市民が理解できる常識や経験知による「身の丈に合った」コントロール手法はいまだ開発途上である。理想的には法律や会計の実務,マネジメント・コンサルタントのアドバイス,エコノミストや社会科学者のリサーチ能力を総合すれば,科学技術政策アカウンタビリティを追及する能力は格段に向上するはずである。ただし,アカウンタビリティを議論する精神風土と政治文化に課題が多い日本では,科学技術政策に対する「シビリアン・コントロール」は難しい。それでは,どのような方法があるだろうか。ここでは政策学における新しい知見を用いた議論を展開したい。

<到達目標/Goals,Aims>

(1)科学技術政策が地域政策,外交政策と連動していることを認識できる。(2)実際の科学技術政策を管理し,評価する実践知がわかるようになる。(3)科学技術政策を展開する行政機構,民間企業,研究開発法人,国立大学法人の関係を理解できるようになる。(4)科学技術政策の管理と評価が民主主義と両立できるかどうか考える「余裕」を持つようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 科学技術と政策:政策としての科学技術,「文系」と「理系」,政策学と行政学  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業後,授業の全体像を再確認し,受講する目的を明確にすること 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 政策と政府:政策学から見た科学技術,外交と科学技術,科学技術政策とアカウンタビリティ  (授業時間外の学習/ Assignments) 左記の概念について,予習を行うこと。また,授業後,復習を行うこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 科学技術の体制(1):内閣府,文部科学省,総務省,経済産業省,防衛省,原子力委員会  (授業時間外の学習/ Assignments) 中央府省の仕事をあらかじめ理解しておくこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 科学技術の体制(2):研究開発機関,宇宙航空研究開発機構(JAXA)の例,独立行政法人・研究開発法人・国立大学法人とは何か  (授業時間外の学習/ Assignments) 研究開発法人とは何か,予習すること 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 科学技術の体制(3):地方自治体,県庁,地方国立大学,地方県立大学,工業試験場),中央府省の影響,量子科学技術研究開発機構とITER  (授業時間外の学習/ Assignments) 地方自治体と大学,研究機関の関係は何か,考えておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 科学技術の政策:科学技術基本計画,宇宙基本計画,総合科学技術・イノベーション会議,戦略的イノベーション創造プログラム,革新的研究開発推進プログラム  (授業時間外の学習/ Assignments) 左記の計画を予習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 科学技術政策の評価:国の研究開発評価に関する大綱的指針,政策評価,「政策の失敗」,チャレンジャー事故とフクシマ(3.11)の事例  (授業時間外の学習/ Assignments) 政策評価論の基礎知識を予習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 科学技術政策と政治:政治過程と科学技術政策過程,沖縄科学技術大学院大学,外務省と核,青森県量子科学センター  (授業時間外の学習/ Assignments) 政策と政治の違いは何か,復習して講義に臨むこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 科学技術政策の実際(1):日本の宇宙政策の歴史と現状  (授業時間外の学習/ Assignments) 日本の宇宙政策について予習しておくこと 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 科学技術政策の実際(2):研究開発法人とは何か  (授業時間外の学習/ Assignments) 研究開発法人とは何か,予習しておくこと 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 科学技術政策の実際(3):地域振興と原子力,戦後日本の地域振興政策と原子力,青森県六ヶ所村と核燃サイクル基地,原子力船むつ  (授業時間外の学習/ Assignments) 日本の原子力開発の歴史を予習しておくこと 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 科学技術政策の実際(4):ITER,原子力から核融合エネルギーへ,青森県量子科学センター  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習は難しいので,講義の後で復習,確認すること 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 科学技術と国際社会:政府開発援助,ガバナンス,持続可能な開発目標(SDGs),気候変動,海洋プラスチック汚染,グローバルヘルス  (授業時間外の学習/ Assignments) 気候変動問題などについて予習しておくこと 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 科学技術政策の現場:「理系」の研究,科学技術政策と研究開発現場,研究開発法人と民間企業,学際的研究の可能性  (授業時間外の学習/ Assignments) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)について事前予習する 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 再び「科学技術政策」とは何か:科学技術政策における責任と倫理  (授業時間外の学習/ Assignments) 過去14回の授業を復習した上で授業に臨むこと 

1) 予習,復習のための参考文献は,各回の授業中に指示する。 
2) 適宜,ゲストスピーカーによる講演を予定している。 
3) 受講学生数,受講学生の関心や理解度に応じて,授業計画を変更することがある。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

理解度を確認するために小テスト・小レポートを5回行う  50%  講義内容の把握 
授業終了後に期末レポートを書いてもらう  50%  15回の全体に関わる理解度のチェック 

理解度の確認は,5回すべて,授業で紹介する基礎理論の理解度をみる。期末レポートは講義終了後に提出してもらう。なお,小テスト・小レポートを5回受けていない受講生,5回以上講義を視聴していない学生はFである。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
264 26.5 26.5 14.4 1.1 31.4 0.0 2.2

<テキスト/Textbook>

南島和久  『JAXAの研究開発と評価-研究開発のアカウンタビリティ-』 (晃洋書房、2020) ISBN:978-4-7710-3411-2  9月下旬に出版予定 

 

<参考文献/Reference Book>

山谷清志  『政策評価』(ミネルヴァ書房、2012) 生協 ISBN:4623056589 
 

 

 

<備考/Remarks>

①基本,オンラインで講義をします。 
②講義を視聴しているかどうかは,確認できます。5回以上講義を視聴していないと「F]です。 
③小テスト・小レポートを受けていない学生は,期末テストを採点しません。「F」です。 
④講義内容は変更することがあります。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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