シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10701204 

△政府体系論
Government System Theory
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  新川 達郎

<概要/Course Content Summary>

現代政府の諸機能は,従来の国民国家における政府観に代表される主権を発動する政府・行政という視点では,十分に理解できなくなっている。教育や福祉などの今日的な公共サービスをとってみても,それらが中央政府によってもっぱら提供されているとは誰も考えないであろう。中央政府及び地方政府の機能に加えて,公共的な機能を担う様々な非政府組織が,それぞれに機能することで,市民生活を維持することができるようになっている。今日の一国の統治を考える場合には,政府機能のシステム(政府体系あるいはガバナンス)という視点が必要となっている。この講義では,今日の政府機能を読み解くために,政府体系という視点から検討を行い,特に地域福祉政策を事例として取り上げながら,今日の公共部門のあり方についての理解を深めることとする。

<到達目標/Goals,Aims>

政府行政の機能を担う組織や制度について,基本的な知識を得るとともに,今日のガバナンス状況を踏まえて,公権力の行使を含む統治活動について理解する能力の獲得を目的とする。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 政府体系の視点,導入,講義全体のオリエンテーション  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:政府改革や行政改革について日本の動向を調べておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 政府改革と政府体系論の視点:公共性の行方  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:行財政改革の中で公共部門の概念再定義がどのように扱われているのか調べておくこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ガバナンス論の系譜  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:政治学や行政学で関心を集めているガバナンス論について基礎知識を得ておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 公共部門の再編;官民関係論と政府機能の再編  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:PFI制度,市場化テスト制度について,概要を把握しておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 営利企業の役割:民間化,民営化,アウトソーシング  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:民間化のメリットとデメリットについての論点を整理しておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) NPO・NGOの役割:市民社会組織と政府の関係  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:市民社会論あるいはサードセクター論についてあらかじめ調べておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 政府の行動変化その1:地域福祉政策に見る政治行政の変化  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:日本の社会福祉や社会保障について概観しておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 政府の行動変化その2;措置からサービスへ,行政サービスの構造変化  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:1990年代の福祉基礎構造改革の経緯について整理しておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 政府の行動変化その3:地域福祉政策の主流化  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:政策変化と政策統合の考え方について主流化の観点から検討しておくこと。 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 国と地方のあり方:地域福祉政策の政府間関係における位置づけ  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:地方分権改革の動向について基礎的知識を得ておくこと。 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 地方自治のガバナンス:地域福祉政策の担い手である地方自治体が主体的に活動することができるのか  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:地方分権による国と地方の間における事務配分の改革,および行政手段の変化について整理しておくこと。 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 政策評価と行政管理サイクル:地域福祉政策を実行するための地域福祉計画と包括的支援の実施と評価  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:国の政策評価法や地方自治体の行政評価について基礎的な知識を得ておくこと。 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 政府活動の管理と民主的統制:地域福祉政策を担う市民組織,民間企業,行政の協働による民主主義のガバナンス  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:行政責任論や説明責任論について,調べておくこと。 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 政府体系の変化とその方向:多様な市民の活動と協働して地域福祉を実現する政策へ,新しい地域ガバナンスを担う  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:ガバナンスの変化について,これまでの学習を振り返って,復習しておくこと。また日本の政府体系の変化について,復習しておくこと。 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 日本における政府体系の変化:地域福祉政策から見た政府体系論のまとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:政府体系変化の要因とその帰結について考察しよう。 

受講生の関心に応じて授業計画は弾力的に運用する。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

期末レポート  50%  授業の講義内容に対する理解,特に基礎概念や基本的なガバナンス変化への理解状況をを確認する。 
小レポート  20%  講義の理解を深めるためのアンケート形式の小レポートを授業時間内に2回予定している。 
毎回の授業内容に関する感想の回答  30%  毎回の授業の感想を短文でDUETに回答すること。 

地域福祉政策の導入に代表されるような政府の動態に対してこれを分析し説明する客観的な知識の習得に努めていただきたい。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
343 51.0 16.9 12.8 6.7 12.5 0.0 2.9

<テキスト/Textbook>

新川達郎・川島典子編著  『地域福祉政策論』初版  (学文社、2019) ISBN:4762029289  導入部分の一般論の授業に続いて,テキスト「地域福祉政策論」を用いて具体的な政策と政府行政の活動に即して,講義を展開します。 

 

<参考文献/Reference Book>

  授業時に,適宜,指示する。 

 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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