シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10700101-036 

△演習Ⅰ-36 (シンクタンク研究員体験)
Seminar I-36 -Think Tank Researcher Experience Program-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  演習/Seminar

  三好 博昭

<概要/Course Content Summary>

授業形態:対面授業 
この演習では,演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ並びに卒業研究演習Ⅰ・Ⅱを1つの政策シンクタンク,ゼミ生一人一人をシンクタンク研究員として位置づけ,現実の社会問題に関し,社会に積極的に政策提案を行うという基本的な考え方で運営します。サブタイトルで「研究者」と言わず「シンクタンク研究員」としているのは, 
 1)現実の社会問題を扱い実行可能な政策を考えること 
 2)得手不得手を補完しながら仲間と共同で研究を進めていくこと 
 3)研究の企画,様々な手法による情報収集と分析,プレゼンテーションまでの全体の流れを理解した上 
   で,自分の役割を位置づけ活動すること 
の3つを重視しているからです。特に2)と3)は,組織で活動するシンクタンク研究員の目立った特色です。担当者は,民間シンクタンクの研究員として,様々な政策課題の研究に従事した経験を有します。この経験をフルに活かした演習にしたいと思います。演習Ⅰの活動は,主に,次の3つで構成されます。 
 
 1)個人テーマのプレゼンテーション:演習登録者には,各自,自身が追求したいテーマを1つ決めて頂きます。毎週,プレゼンテーション担当者と司会者を決めて,自身のテーマについて,10分程度のプレゼンテーションをしていただきます。それを,論理性,新規性,プレゼンテーション資料の出来映えなどの観点から,上級生も交え演習登録者全員で議論・評価します。プレゼンテーション担当者は,コメントを受けてプレゼンテーション資料を修正すると共に,次回のプレゼンテーションでさらに深掘りするための準備を始めていただきます。この活動は,卒業研究演習までずっと続けます。卒業時には,人前で論理的なプレゼンテーションが自然にできるようになっている状態を目指します。 
 
 2)グループ研究:ゼミ生間の議論を通じて,ゼミ生間で関心の共有できる数個の社会問題を選定します。そして,それらの問題について研究グループを形成し,グループ単位で,研究論文の執筆活動に入ります。その際,卒業生や上級生が取り組んだテーマを引き継ぎ,さらに,発展させるケースもあります。執筆した論文は,3年生の段階で,ISFJ日本政策学生会議などの舞台で発表していただきます。この演習は発足して4年目ですが,卒業生や上級生は,これまで次のようなテーマに取り組んできました。 
 ・技術の家庭内浸透と家族の共有時間 
 ・交通事故のさらなる削減を目指して:人と車のコネクト 
 ・農業生産性の国際比較:この先の日本の農業に必要なものは何か 
 ・Society 5.0における生産組織の提案 
 ・商店街空き店舗率の決定要因分析 
 ・自動運転による日本の通勤改革 
 
 3)スキル別トレーニング:サブゼミを開催し,上記2)の論文執筆に必要となるスキルを身につけるためのトレーニングを行います。昨年実施したのは,EXCELを使ったデータ分析です。

<到達目標/Goals,Aims>

演習Ⅰの到達目標は,以下の3点です。 
 
1)プレゼンテーションの基本的な流れを理解する。 
2)グループの中での自分の役割を認識する。 
3)科学的な分析手法の基礎を身につける。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 受講生から5分程度の自己紹介。授業の進め方の解説  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業前:5分程度の自己紹介の準備 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 個人テーマのプレゼンテーション テーマ設定(1):受講生から関心ある社会問題を5分程度で発表。全体でディスカッション  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業前:第2回講義発表担当者は関心を有する社会問題を5分程度で発表する準備をしておくこと 
授業後:第2回講義発表担当者は,ディスカッションの結果を参考にして,プレゼンテーション テーマや内容を再考し,計画書として提出すること 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 個人テーマのプレゼンテーション テーマ設定(2):受講生から関心ある社会問題を5分程度で発表。全体でディスカッション(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業前:第3回講義発表担当者は関心を有する社会問題を5分程度で発表する準備をしておくこと 
授業後:第3回講義発表担当者は,ディスカッションの結果を参考にして,プレゼンテーション テーマや内容を再考し,計画書として提出すること 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 個人テーマのプレゼンテーション テーマ設定(3):受講生から関心ある社会問題を5分程度で発表。全体でディスカッション(3)  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業前:第4回講義発表担当者は関心を有する社会問題を5分程度で発表する準備をしておくこと 
授業後:第4回講義発表担当者は,ディスカッションの結果を参考にして,プレゼンテーション テーマや内容を再考し,計画書として提出すること 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 研究グループの形成(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業前:研究課題案をあらかじめ考えておくこと 
授業後:研究グループ構成案を考えてみること 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 研究グループの形成(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業後:研究グループのミーティングを開催し,研究の骨子を作成すること 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 個人テーマのプレゼンテーション(1)/グループ研究に関するグループディスカッション(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業前:個人テーマのプレゼンテーション準備(第7回講義発表担当者) 
授業後:個人テーマのプレゼンテーション資料の修正と次回に向けての課題のまとめ(第7回講義発表担当者)/グループディスカッション結果のまとめ 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 個人テーマのプレゼンテーション(2)/グループ研究に関するグループディスカッション(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業前:個人テーマのプレゼンテーション準備(第8回講義発表担当者) 
授業後:個人テーマのプレゼンテーション資料の修正と次回に向けての課題のまとめ(第8回講義発表担当者)/グループディスカッション結果のまとめ 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 個人テーマのプレゼンテーション(3)/グループ研究に関するグループディスカッション(3)  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業前:個人テーマのプレゼンテーション準備(第9回講義発表担当者) 
授業後:個人テーマのプレゼンテーション資料の修正と次回に向けての課題のまとめ(第9回講義発表担当者)/グループディスカッション結果のまとめ 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 個人テーマのプレゼンテーション(4)/各研究グループからの進捗状況のプレゼンテーションとディスカッション  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業前:個人テーマのプレゼンテーション準備(第10回講義発表担当者)/グループ研究の進捗状況発表準備 
授業後:個人テーマのプレゼンテーション資料の修正と次回に向けての課題のまとめ(第10回講義発表担当者)/ディスカッション結果のまとめ 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 個人テーマのプレゼンテーション(5)/グループ研究に関するグループディスカッション(4)  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業前:個人テーマのプレゼンテーション準備(第11回講義発表担当者) 
授業後:個人テーマのプレゼンテーション資料の修正と次回に向けての課題のまとめ(第11回講義発表担当者)/グループディスカッション結果のまとめ 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 個人テーマのプレゼンテーション(6)/グループ研究に関するグループディスカッション(5)  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業前:個人テーマのプレゼンテーション準備(第12回講義発表担当者) 
授業後:個人テーマのプレゼンテーション資料の修正と次回に向けての課題のまとめ(第12回講義発表担当者)/グループディスカッション結果のまとめ 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 個人テーマのプレゼンテーション(7)/グループ研究に関するグループディスカッション(6)  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業前:個人テーマのプレゼンテーション準備(第13回講義発表担当者) 
授業後:個人テーマのプレゼンテーション資料の修正と次回に向けての課題のまとめ(第13回講義発表担当者)/グループディスカッション結果のまとめ 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 個人テーマのプレゼンテーション(8)/各研究グループから研究成果のプレゼンテーションとディスカッション(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業前:個人テーマのプレゼンテーション準備(第14回講義発表担当者)/グループ研究成果報告準備 
授業後:個人テーマのプレゼンテーション資料の修正と次回に向けての課題のまとめ(第14回講義発表担当者)/ディスカッション結果のまとめ 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 個人テーマのプレゼンテーション(9)/各研究グループから研究成果のプレゼンテーションとディスカッション(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業前:個人テーマのプレゼンテーション準備(第15回講義発表担当者)/グループ研究成果報告準備 
授業後:個人テーマのプレゼンテーション資料の修正と次回に向けての課題のまとめ(第15回講義発表担当者)/ディスカッション結果のまとめ 

履修者の数に応じて,授業計画を変更する可能性があります。 
 
授業は,プレゼンテーションとディスカッションが中心になります。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  30%  出席,グループワークへの貢献,他のグループや受講生の研究への建設的意見の提供 
個人テーマのプレゼンテーション  30%  プレゼンテーションの内容を,論理性,新規性,説得力,プレゼンテーション資料の出来映え等の観点から評価 
グループ研究の成果  40%  グループ研究の内容を,論理性,新規性,説得力,プレゼンテーション資料の出来映え等の観点から評価 

「平常点」では,出席状況,グループワークへの貢献の他,他のグループや受講生の研究に対してどのような建設的な意見を提供したのかを評価します。「個人テーマのプレゼンテーション」では,英語でのプレゼンテーションに挑戦することもでき高く評価します。「グループ研究の成果」については,グループの研究内容そのものへの貢献の他,チームの結束力強化への貢献,一目で研究全体を示すポンチ絵等の作成なども高く評価します。

<テキスト/Textbook>

特定の教科書はありません

<参考文献/Reference Book>

秋吉 貴雄  『入門 公共政策学-社会問題を解決する「新しい知」-』(中央公論新社、2017)ISBN:978-4121024398 
 

小林 康夫, 船曳 建夫(編)  『知の技法-東京大学教養学部「基礎演習」テキスト-』(東京大学出版会、1994)ISBN:978-4130033053 
 

末吉 正成 , 末吉 美喜  『EXCELビジネス統計分析』第3版 (翔泳社、2017)ISBN:978-4798148984 
 

他の参考文献は,取り組む研究課題に応じて紹介します

<備考/Remarks>

1.企業や行政から実務者等を招聘してディスカションする時間も設ける予定です。 
 
2.グループ研究の成果は,演習Ⅲの段階で,ISFJ日本政策学生会議等の他大学学生も参加する研究会で発表して頂きます。 
 
3.この演習は,授業時間内だけで活動を完了させることはできません。特に,グループ研究では,各グループは自主的にミーティングを開き,各人は,自身の役割を果たすために自宅で作業する必要があります。 
 
4. すでに理解されている方もいると思いますが,グループの中での自分の役割を認識し活動するというこの演習の活動スタイルは,皆さんが実社会に出た後に,大部分の方が組織の一員として経験されることです。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2020 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。