シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10522355-001 

△監査論-1
Auditing-1
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  瀧 博

<概要/Course Content Summary>

 本講義は,監査論の基本を幅広く学習する。前半で公認会計士監査の基本を学習し,後半で,実際の不正会計事例と監査制度改革のほか,拡大する非営利分野の監査,そして,近未来の会計と監査の姿について学習する。 
 監査は,誤解の多い領域である。隣接分野である財務会計や管理会計の研究者ですら,しばしば誤解していることがある。おそらく,会計基準の解釈や適用の判断が現場でいかに困難か,あるいは巧妙な会計上の不正を発見することがいかに困難かといった『会計の現実』が理解されておらず,さらに,監査が,警察や国税庁による強制捜査と混同されているからであろう。 
 監査論は,『会計の現実』を扱う。それゆえ,公認会計士を志望している諸君だけでなく,むしろ,将来,企業の上級管理者となっていく諸君に履修を期待したい。おそらく,諸君にとって,会計の現実を学習し,また,監査を学習するのは,これが最初で最後であると思うからである。 

<到達目標/Goals,Aims>

到達目標は2つである。 
① 上場企業の会計と監査制度の基本を理解していること 
② 上場企業の会計と監査の「現実」を理解していること。 
 ②は,具体的には,粉飾決算の事案によって,公認会計士に責任が問われるときと,問われないときがある。その差を会計基準の特徴,監査制度,監査の技術の特徴と限界の視点で説明できること。また,監査が,会社だけでなく,他の分野にも拡がりつつあるのはなぜか,それを説明できること。さらに,現在の人工知能技術を前提とする場合,会計や監査の職能が人工知能に代替されことはないと説明できること,である。 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) 監査論の基礎  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 法定監査制度の発達  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 経済社会を支える財務情報  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 監査を要請する法律  
 -会社法と金融商品取引法- 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 監査を担当する職業的専門家  
 -プロフェッションの社会的役割,公認会計士法- 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 監査を取り巻く組織  
 -監査制度のグローバリゼーション- 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 監査基準 
 (1) 監査の目的と一般基準 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 監査基準 
 (2) 監査の実施と報告 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 社会を揺るがす経済事件 
 (1) エンロンとSOX法 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 社会を揺るがす経済事件 
 (2) オリンパス事件と不正リスク対応基準 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 社会を揺るがす経済事件 
 (3) リーマンショックと米国・EUの監査制度改革 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 社会を揺るがす経済事件 
 (4) 東芝事件とその後 -行き詰まる監査制度改革- 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 公会計と公監査 −理論編−  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 公会計と公監査 −実務編−  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) AIがもたらす会計と監査の未来 
 -本物の専門能力が試されるとき- 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を復習する。その他については,適宜指示する。 

第13回と第14回は,ゲストスピーカーの都合で,それ以前に繰り上げ,または,第14回・第15回に繰り下げることがある。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

中間レポート試験  60%  授業期間に数回,レポートの提出を求める。 
レポートの課題,字数,期限は授業時に指示する。 
期末レポート試験・論文  40%  期末レポートの提出を求める。 
レポートの課題,字数,期限は授業時に指示する。 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
271 9.2 22.5 41.7 14.0 12.5 0.0 2.0

<テキスト/Textbook>

盛田良久・百合野正博・朴大栄編著  『はじめてまなぶ監査論』第2版  (中央経済社、2020年) ※ 2020年発行の最新版を用いるので注意されたい。 

 

<参考文献/Reference Book>

百合野正博著  『会計監査本質論』(森山書房、2016年)ISBN:978-4-8394-2164-9 
 

<備考/Remarks>

【学習の注意】 
会計を言語に例えると,簿記論や財務会計論は「作文」や「文法」になるだろう。他方,監査論は,気持ちと表現が一致しているか,つまり「解釈」や「文脈」を扱う。 
前者は形式論,後者は,意味論を扱う。両者を知る監査研究者からはそう見える。 
学習のアプローチも異なり,前者はルールを覚えることが重要だが,後者は,現実に,ルールの適用の仕方や,ルールからの逸脱,あるいはルールがないところで虚言が問題になる。つねに「現実」の問題がどこにあるのか,注意しながら学習して欲しい。 
 
【教員との連絡】 
いつでも質問,疑問,意見を歓迎する。hrstk@ba.ritsumei.ac.jpまで。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2020 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。