シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10522333-002 

△貿易業務論-2
Foreign Trade Practice-2
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  吉川 英一郎

<概要/Course Content Summary>

 本授業科目では国際物品売買取引(貿易)の業務に関する基本事項を講義形式で概説します。教員はメーカーで国際取引法務(実務)を10年以上経験しており,その経験を背景とした講義を行います。 
 国際物品売買取引は国内取引と大いに異なります。例えば物品引渡と代金支払とを同時には行えません。そして貿易における代金支払は一般に,遠く離れた(使用通貨も異なる)異国の当事者間で行われますが,外国の相手方の信用状態を確認することは容易ではありません。また,大量の(重量の大きい)物品の輸送には,船を用いることになるわけですが,輸送に時間がかかります。そのため売主は代金が払われるのか心配であり,買主は物品が届くか心配です。不安が多いと国際取引は敬遠されてしまうわけですが,それでは国際社会が発展しません。そのため,国際取引については,その安全・円滑を促進するために,いろいろな工夫が見られます。授業では,そのような貿易の実務に関わる基本的事項(特に国際ルール)を確認します。具体的には,インコタームズ,B/L,L/C,UCP600,CISG といった基本用語などです。これらは国際ビジネスに必要な知識ですから,国際企業に就職を希望する人はぜひ受講して下さい。別科目(学系展開科目)の「貿易契約論」と併せて履修すると効果的です。

<到達目標/Goals,Aims>

テーマ: 貿易(国際物品売買取引)の基本枠組の理解 
  
1.国際物品売買という概念と流れ(契約の締結,物品の船積・引渡(運送契約・保険契約の手配を含む),代金決済)の諸ステージを全体として理解できるようになる。 
2. 日常の生活では顕れない,貿易条件(ルールブックとしてのインコタームズ2020 に示されたCIF,FOB,FCA などの条件),B/L,L/C,UCP600,CISG といった貿易関連基本用語を理解できるようになる。 
3. 貿易に適用される条約,各国法(国際私法と実質法),援用可能統一規則(インコタームズ2020 など)といった諸ルールの区別と相互関係・役割を理解できるようになる。 
4. 貿易取引紛争の解決の枠組(契約中の紛争解決条項の意義,国際商事仲裁の概念など)を理解できるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) オリエンテーション(講義概要・進め方など) 
国際ビジネス取引について,意義と問題について考える 
(授業時間外の学習/ Assignments) 講義の受講準備 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 国際物品売買取引の枠組の概説 
(契約締結,代金決済,物品の輸送等概略説明) 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書を読む,宿題に取組む(1~3h) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 国際物品売買に関する国際取引ルール一般について  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書を読む,宿題に取組む(1~3h) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 国際物品売買に関する契約法と契約書  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書を読む,宿題に取組む(1~3h) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 「国際物品売買契約に関する国際連合条約」(CISG,ウィーン売買条約)概説(適用範囲,基本的な考え)  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書を読む,宿題に取組む(1~3h) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 「国際物品売買契約に関する国際連合条約」の規定(売主の権利,買主の権利)  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書を読む,宿題に取組む(1~3h) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) インコタームズ概説;インコタームズの性質  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書を読む(1h) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) インコタームズ2020の11のRules概説(トレード・タームズの意味)  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書を読む,宿題に取組む(1~3h) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 運送書類について理解する  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書を読む,宿題に取組む(1~3h) 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 船荷証券と国際海上物品運送法について  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書を読む,宿題に取組む(1~3h) 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 貨物海上保険・貿易保険の基礎  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書を読む,宿題に取組む(1~3h) 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 国際物品売買取引における決済  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書を読む(1h) 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 決済における信用状の役割を理解する  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書を読む(1h) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 国際ビジネス取引紛争の解決(裁判と仲裁の利用,弁護士活用等)を考える  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書を読む(1h) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 総括  (授業時間外の学習/ Assignments) 全体の復習(試験準備として数時間) 

*授業計画は暫定であり変更される場合があります。授業の予定詳細はオリエンテーション時に伝達します。 
*課題(宿題等)の提出方法等につき,受講登録者数に応じて当初予定の方法を変更することがあります。変更はDUET又はe-classを通じて告知します。DUETとe-classの両方の告知に注意して下さい。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  40%  提出任意の宿題を随時課し講義時間外の努力を評価する(Max40%)。 
期末筆記試験(総括テスト)  60%  平常点部分以外を総括筆記試験に割り当てる(Max100%~ Min60%) 

*授業期間末に筆記テスト(総括テスト,試験時間60分の見込み)を実施する予定です。平常点としては,およそ10 週にわたって出す課題が対象です。(原則として)出欠確認は取りません。平常点割合は受講者各自の判断によります。自身の判断で平常点部分をゼロ配分とした場合,必然的に総括テストの比率は100%となります。 
 
*【注意】  総括テストについては,従前は,「すべて持込可(電子機器は不可)」の条件で,教室で,実施していましたが,2020年度は,コロナ禍対応のため,その条件を変更します。短答(記号選択)式のウェブテストを実施する予定ですが,総括テストの方式等詳細はDUET又はe-classで告知します。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
336 4.8 31.5 39.0 16.4 8.3 0.0 2.1

<テキスト/Textbook>

亀田尚己編著  『現代国際商取引-よくわかる理論と実務-』 (文眞堂、2013年) ISBN:9784830947759  *授業は教科書に準拠していますので購入の必要があります。 
*必要に応じプリントを配付し,それをもとに授業をする場合もあります。 

 

教科書価格は2,600円(税別)です。

<参考文献/Reference Book>

澤田壽夫・柏木昇・杉浦保友・高杉直・森下哲朗・増田史子編著  『マテリアルズ国際取引法』第3 版 (有斐閣、2014年)ISBN:9784641046696 *他に必要に応じ授業中に紹介する場合があります。 
 

<参照URL/URL>

*必要に応じ,授業中に紹介する場合があります。 

<備考/Remarks>

(1)授業中に他人に迷惑をかける行動をとる人には,その場で注意又は失格を宣告することがあります。失格の場合,成績評価のための試験の受験資格を認めません(単位は認められません)。 
(2)連絡先E-mail アドレス等はオリエンテーション時に伝達します。質問はE-mail でお寄せ下さい。 
(3)宿題等提出物の提出方法は授業中に指示します。提出物はコピーを手元に控えておくよう推奨します。郵送による提出の場合はその旨E-mail で連絡して下さい。指示に対する違反は減点の対象となります。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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