シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


30423006 

△格差社会論
Theory of Inequality
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  八木 匡

<概要/Course Content Summary>

 格差および所得分配の問題は,労働意欲,国民の間の競争意識などと強い関係を持ち,経済の成長と社会の安定に多大な影響を与えてきた。本講義では,静学的所得分配状態の評価方法から出発し,動学的所得分配論と所得分配と経済成長との関係についてこれまでの研究をサーベイすることを目的とする。 
 これまで格差および所得分配の問題は,1)ある一時点での分配の不平等度を測り,分配状態を評価する,2)分配の不平等度の時間変化を測定し,異時点間および世代間での不平等度の伝播を明らかにする,3)所得再分配政策の分析と評価,4)分配状態に強い影響を与える公共政策の分析と評価,といった点から考察されてきた。本講義では,1)のような,ある一時点での所得分配状態を分析することを「静学的分析」,2)の異時点間での不平等度の伝播に焦点を置く分析を「動学的分析」と呼び,所得分配状態の評価の方法を再検討していく。3)および4)の問題は,静学的分析と動学分析の2つの視点によって考察される。特に,動学的視点に立った所得再分配政策の分析はこれまであまり行われておらず,本講義ではこの点に大きな比重を置きながら議論を進めていく。 
 また,所得分配と幸福感との関係を分析し,格差社会のもつ問題点を明確にすると共に,所得分配と経済成長との関係を分析することにより,格差社会と効率性との関連についても分析していくことにする。 

<到達目標/Goals,Aims>

格差の測定手法についての理解を行い,静学的分析と動学的分析の基礎を学び,格差社会を理論的および実証的に研究する能力を形成する。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 静学的所得分配論と動学的所得分配論  (授業時間外の学習/ Assignments) 適宜指示 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 静学的所得分配論の基礎:不平等尺度  (授業時間外の学習/ Assignments) 適宜指示 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 静学的所得分配論の基礎:公平性と効率性のトレードオフ  (授業時間外の学習/ Assignments) 適宜指示 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 動学的所得分配論の基礎:移動性尺度  (授業時間外の学習/ Assignments) 適宜指示 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 日本の所得分配:概観(格差社会の実像)  (授業時間外の学習/ Assignments) 適宜指示 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 日本の所得分配:教育と格差1:マクロデータによる分析  (授業時間外の学習/ Assignments) 適宜指示 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 日本の所得分配:教育と格差2:サーベイデータによる分析  (授業時間外の学習/ Assignments) 適宜指示 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 幸福感分析1:幸福感の指標  (授業時間外の学習/ Assignments) 適宜指示 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 幸福感分析2:パーソナリティと幸福感  (授業時間外の学習/ Assignments) 適宜指示 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 幸福感分析3:雇用環境と幸福感  (授業時間外の学習/ Assignments) 適宜指示 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 幸福感分析4:幸福感を高める要因  (授業時間外の学習/ Assignments) 適宜指示 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 幸福感分析5:残された課題  (授業時間外の学習/ Assignments) 適宜指示 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 所得分配と経済成長1:教育  (授業時間外の学習/ Assignments) 適宜指示 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 所得分配と経済成長2:R&D  (授業時間外の学習/ Assignments) 適宜指示 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) まとめとディスカッション  (授業時間外の学習/ Assignments) レポート作成 

受講生の関心に応じて,重点的に議論する内容を変更する場合がある。 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  40%  授業への参加程度 
期末レポート試験・論文  60%  分析能力が習得レベル 

講義での参加程度と期末レポートのレベルを基に評価する。

<参考文献/Reference Book>

橘木俊詔,八木匡  『教育と格差-なぜ人はブランド校を目指すのか-』初版 (日本評論社、2009年)ISBN:978-4-535-55607-2 
 

<備考/Remarks>

授業形態:対面 

 

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