シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


30422010 

△交通経済
Transportation Economics
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  演習/Seminar

  徳岡 一幸

<概要/Course Content Summary>

 地域公共交通は,地域の生活と経済を支えるための不可欠な基盤的サービスといわれる。しかし,少子高齢・人口減少社会が到来した現在の日本においては,地域公共交通を安定的に維持することが困難な地域が増えており,人々の移動の自由をめぐって地域間・年齢層間の格差が大きくなってきている。一方で,MaaS(Mobility as a Service)や自動運転などの新しいモビリティサービスの開発と実用化に向けた取組みが活発に行われるようになり,これらのサービスがこれからの地域公共交通を維持する上で重要な役割を果たすことへの期待が高まりつつある。このような日本における地域公共交通をめぐる現状を踏まえて,日本の地域公共交通政策の特徴と今後のあり方について,関連する研究論文と国土交通省の審議会や検討会などの報告書を読むことを通して考える。 
 授業は演習形式で実施され,受講者が取り上げた論文や報告書の内容について分担して報告し,それに基づいた議論を通して,地域公共交通政策の必要性と課題,望ましい政策のあり方について理解を深める。

<到達目標/Goals,Aims>

交通サービスの経済的特性についての理解を深め,地域交通政策の評価・立案に必要な理論的基礎と実践的知識を習得する。

<授業計画/Schedule>

授業では,日本の地域公共交通政策の特徴と今後のあり方について,関連する研究論文と国土交通省の審議会や検討会などの報告書を読み,それに基づいた議論を通して理解を深める。取り上げる論文や報告書が扱うテーマは以下の通りである。 
 
1.地域公共交通の現状と課題 
2.日本の地域公共交通政策 
    地域公共交通活性化再生法 
    地域公共交通網形成計画 
    自家用有償運送制度 
3.ドイツにおける地域公共交通政策 
    運輸連合 
    公共近距離旅客輸送の地域化 
4.これからの地域公共交通政策 
    地域公共交通活性化再生法の見直し 
    新しいモビリティサービスの可能性―日本版MaaSを中心に 
 
以上の内容を15週かけて学ぶ。ただし,第1回の授業では,授業内容に関するガイダンスと取り上げる論文・報告書の分担の決定を行う。なお,取り上げるテーマに関しては,受講者の希望や授業の進み具合によって変更されることがある。 
 
授業時間外の学習として,交通経済学の入門レベルのテキスト(参考文献にあげた『交通経済のエッセンス』や『交通政策入門』)を読んで,交通需要,交通の供給と費用,交通サービス市場の特性と規制について自習すること。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,発表,グループ作業の成果等)  30%  出席状況・議論への参加 
期末レポート試験・論文  20%  授業での議論を踏まえて,地域公共交通政策のあり方について論じる。 
クラスでの発表など  50%  分担した論文・報告書の報告内容 

<テキスト/Textbook>

雑誌論文・国土交通省の報告書をテキストとして用いる。取り上げる論文・報告書については,e-classの「資料」において指示する。

<参考文献/Reference Book>

田邉勝巳  『交通経済のエッセンス』(有斐閣、2017)ISBN:978-4-641-15049-2 
 

衛藤卓也他(編著)  『交通政策入門』第2版 (同文舘出版、2018)ISBN:978-4-495-44042-8 
 

秋山哲男・吉田樹(編著)  『生活支援の地域公共交通-路線バス・コミュニティバス・STサービス・デマンド型交通-』(学芸出版社、2009)ISBN:978-4-7615-2455-5 
 

辻本勝久  『地方都市圏の交通とまちづくり-持続可能な社会をめざして-』(学芸出版社、2009)ISBN:978-4-7615-2457-9 
 

辻本勝久  『交通基本法時代の地域交通政策と持続可能な発展-過疎地域・地方小都市を中心に-』(白桃書房、2011)ISBN:978-4-561-76191-4 
 

青木真美  『ドイツにおける運輸連合制度の意義と制度』(日本経済評論社、2019)ISBN:978-4-8188-2534-5 
 

<備考/Remarks>

授業形態:対面 
 
なお,テキストとして用いる論文・報告書に関する情報,その他の配布資料はすべてe-classの「資料」に掲載するので,受講者は事前に必要な論文・報告書や配布資料をダウンロードまたは印刷した上で,授業に参加すること。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2020 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。