シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


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△西洋法史演習2
Western Legal History Seminar 2
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  佐々木 健

<概要/Course Content Summary>

西洋法史の中でも,現代法の源流に位置するとして「ローマ法」に言及される例は,日本に留まらず,大陸法系と呼ばれる欧州各国,英米法系と呼ばれる諸国,混合法系とされる各国においても見られる。 
外国法に関心を有する院生・研究者であれば,何らかの形でこうした観念に出会うことであろう。 
しかしその内実は論者により区々であって,その根拠は「ローマ法源に依拠すると称する言説」一般が「ローマ法」と呼ばれることにある。 
そこで本講義では,民事実体法のみならず,民事訴訟法,更には公法にも「ローマ法」が影を落としていることを,可能な限り事例を通して論じる。 
契約,占有,共和政,民主主義,市民権,裁判管轄といった用語が生まれた背景を探ると共に,時代を経てその意義・意味が変容することにも注意を向ける。 
なお,授業では講義形式と双方向対話を併用する予定であるが,受講者からの希望を元に,ゼミ報告形式や文献講読を採用することもあり得る。報告・講読に際しては,テーマにより,日本語文献又は英語,独語,仏語,伊語,西語文献の中で適切な参考文献を指示する。

<到達目標/Goals,Aims>

西洋法史の中で,ローマ法に関する諸問題について,基本的な知識を理解し身につけることが出来るようになる。 
特に,「ローマ法」と称されるものの時代的変遷を意識して把握することが出来るようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) オリエンテーション  (授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献のうち1冊には目を通しておく(約2時間)。 
(実施回/ Week) 第2回~第14回  (内容/ Contents) 選択したテーマに関する講義及び報告と討論  (授業時間外の学習/ Assignments) 指定された文献の読み込みと論点整理,ゼミ報告に際してはレジュメ作成(約2時間)。 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業全体を復習すること(約2時間)。 

個別のテーマ設定と進行に関しては,受講者と相談の上で決定したい。「概要」に記した以外にも多くのテーマが想定され,受講者の関心に近いテーマを各回に配する予定である。但し,講義で扱うに適した事例史料がテーマごとに別々の時空に偏って伝承されていることから,対象となる時期・地域・テーマの3要素のうち,受講者が重視したい要素を基礎に選択する。古代ギリシア人にポリテイアと呼ばれたのが「政治」,これを共和政体の枠内で「公法」に転換した古代ローマ人が征服した非市民権者にも民事訴訟を開放したのが「私法」であって,三専攻いずれの院生についても参加を大いに歓迎する。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  90%  出欠状況,授業参加,対話・報告内容の理解度・充実度などを総合的に評価する。 
授業内評価  10%  講義中の対話・発言による授業への寄与度を評価する。 

<テキスト/Textbook>

  初回に指示する。 

 

<参考文献/Reference Book>

木庭顕  『新版ローマ法案内-現代の法律家のために-』(勁草書房、2017)
 

ラインハルト・ツィンマーマン(佐々木有司訳)  『ローマ法・現代法・ヨーロッパ法-シヴィル・ロー的伝統の現在-』(信山社、2008)
 

U・ファルク/M・ルミナティ/M・シュメーケル(小川浩三/福田誠治/松本尚子監訳)  『ヨーロッパ史のなかの裁判事例-ケースから学ぶ西洋法制史-』(ミネルヴァ書房、2014)
 

基本的に,各回の授業に関して必要な文献は,その都度指定する。

<参照URL/URL>

知の回廊,古代ローマの裁判 
往時の訴訟を体感されたい。 
法制史学会ホームページ 
法制史の研究文献が検索可能である。 
『法制史研究』誌アーカイブ 
法制史学会の機関誌が閲覧可能である。 
 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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