<概要/Course Content Summary>
現代中国政治の分野についてさまざまな文献を読んでいく。主に対外政策に力点を置いて政治の側面をみていくが,軍事,経済や環境といったより広い安全保障の側面や歴史学的アプローチも扱う。できるだけ最新の資料を扱いたい。 このため,授業では,このシラバス発表以後,すなわち今年度発行された単行本や論文を使うことになりうる。 手がかりとして,東洋史研究家とされる菅原愛語による隋の時代の対外政策,特に突厥に対する政策を見て行く。かなり古い時代であるが,その内容は現代に通じるものであり,実際にアメリカの政策研究者は中国の王朝時代の行動様式に着目してきた。アラステイア・ジョンストンが明王朝の北元に対する政策と照らし合わせて解釈できるレベルに到達したい。文献情報は下記の文献リストの中にある。 この論文を読んだ後,2017〜2018年に発行された論文や単行本を中心として,最新の研究動向に触れることとする。 当然ながら,現代中国政治と国際関係理論について学部レベルの基本知識はすでにある程度あるものとして授業を進める。希望があれば,文献は英語だけでなく中国語のものも使うことがあるので,初級程度の中国語を習得していることが望ましい。 テーマを自分で設定し,自分で資料を見つけて信頼性をチェックできることが強く望まれる。 This Course examines the making of foreign and security policies of modern China. Students are required to read Japanese, English and Chinese documents which mainly cover the interplay between China's domestic politics and foreign policy. Readings are drawn from modern diplomatic history, security affairs, international political economy, international relations theory, and Chinese history.
<到達目標/Goals,Aims>
到達目標は,中国の政治に関する事件や事例に対して,背景が簡潔に説明でき,高度のレベルの分析レポートが書けるようになることである。 The goals of this course are to (1) understand the basic mechanism of China's foreign policy (2) develop a comparatively complex argument on China's foreign behavior concisely (but comprehensively, too)
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第1回
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(内容/ Contents)
授業の進め方に関する方針説明,基本資料の提示 Introduction
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(授業時間外の学習/ Assignments)
使用する資料はあらかじめ目を通しておくこと。
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(実施回/ Week)
第2回
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(内容/ Contents)
地域研究から見る中国研究(1)(近現代史) China's modern history
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第3回
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(内容/ Contents)
地域研究から見る中国研究(2)(国際関係論) IR Theories and China
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第4回
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(内容/ Contents)
新興台頭国との関係 China and other Rising Countries
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第5回
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(内容/ Contents)
リアリズム,勢力均衡と覇権交替に関するレビュー Review on Realism and Balance of Power
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第6回
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(内容/ Contents)
グローバリゼーション,相互依存と大国間関係 Review on Globalization and Interdependence
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第7回
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(内容/ Contents)
米中関係:守成大国と新興大国 The Sino-US Relationship
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第8回
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(内容/ Contents)
中国の交渉戦略 Negotiation Pattern of Modern China
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第9回
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(内容/ Contents)
アメリカの「オフセット戦略」と中国の対応 "Offset Strategy" of the US and China's Response
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第10回
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(内容/ Contents)
中国外交史を見る視点 History of China's Foreign Policy
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第11回
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(内容/ Contents)
中国外交のゆくえ Prospects
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第12回
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(内容/ Contents)
報告(1) Presentation by Students
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第13回
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(内容/ Contents)
報告(2) Presentation by Students
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第14回
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(内容/ Contents)
討論 Discussion
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第15回
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(内容/ Contents)
まとめ Conclusion
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(1)最初の数回は,教員がこの分野の概観を説明する。(2)教員の説明に続く「報告」は,授業で配布する最新または基本的な研究資料に基づくか,または自分の問題関心に基づいた発表を,受講者が行う。(3)扱うテーマを相談し,討論を行う。(4)使用する文献を読んでいくよりも,読んだものとして論点を出し合い,議論を戦わしていくことに力点をおく。 なお,上記の授業計画は,一種のひな形として理解してほしい。研究は必ずしもプロジェクトのような形でなければ進められないものではなく,目的外の副産物に大きな意味があることが多いからである。
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
平常点(出席,クラス参加,発表,グループ作業の成果等) Activities in Class
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40%
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クラスにおける発言や事前の準備を重視
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期末レポート試験・論文 Report and Examination
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60%
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論文としての形式を必ずとること
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(1)断片的な知識に終わらず,体系的な議論ができるようになっているかどうか。 (2)得た知識と識見を使って,眼前の事象が解釈できるようになっているかどうか。 (3)議論をリードし,体系的にまとめることができるかどうか。
<テキスト/Textbook>
益尾知佐子・青山瑠妙・三船恵美・趙宏偉
, 中国外交史
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(東京大学出版会, 2017)
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テキストの使用方法は最初の授業で示すので,急いで購入する必要はない。
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この書籍に目を通しているものとして授業を進める。なお,2018年に出版された毛里和子による研究本も合わせて参照すると良い。
<参考文献/Reference Book>
世界的にみて,分析のレベルはますます上昇してきたので,現代中国の政治を専攻する学部生も,これらに目を通してほしい。
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