<概要/Course Content Summary>
本講義は,刑法各論のうち財産に対する罪およびその他の経済活動に関連する犯罪を中心に講義します。刑法各論の目的は,各種の犯罪に固有の構成要件を明らかにして,処罰範囲を明確にするとともに,個々の構成要件相互の関係および区別を確定し,真に処罰に値する行為を明らかにすることにより,既存の知識にはない新たな事態に直面した場合にも,そこから刑法上の問題点を発見・整理して,解決策を導き出すことができる能力の養成にあります。そのため,本講義では,刑法総論で修得された基礎知識を前提として,できるだけ具体的な事件を素材として授業を進めます。
<到達目標/Goals,Aims>
受講生が,刑法各論のうち,財産犯,有価証券偽造罪,わいろ罪に関する基本的知識を修得し,これらの犯罪の処罰範囲を明確にするとともに,各種犯罪の構成要件相互の関係を理解し,真に処罰に値する行為を明らかにすることができるようになります。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第1回
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(内容/ Contents)
財産犯総論
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書192~212頁を読んで,財産犯の保護法益と不法領得の意思について考える
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(実施回/ Week)
第2回
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(内容/ Contents)
窃盗罪
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書213~237頁を読んで,占有の有無・帰属,親族相盗例について考える
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(実施回/ Week)
第3回
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(内容/ Contents)
強盗の罪1
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書237~250頁を読んで,強盗罪と窃盗罪・恐喝罪の違いについて考える
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(実施回/ Week)
第4回
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(内容/ Contents)
強盗の罪2
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書250~266頁を読んで,強盗に関連する犯罪について考える
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(実施回/ Week)
第5回
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(内容/ Contents)
詐欺罪1
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書266~288頁を読んで,詐欺罪の成立要件について考える
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(実施回/ Week)
第6回
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(内容/ Contents)
詐欺罪2
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書288~295頁を読んで,詐欺罪の特殊類型について考える
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(実施回/ Week)
第7回
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(内容/ Contents)
電子計算機使用詐欺罪・恐喝罪
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書295~307頁を読んで,詐欺罪と恐喝罪の違いについて考える
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(実施回/ Week)
第8回
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(内容/ Contents)
横領罪
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書308~339頁を読んで,奪取罪との違いを考える
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(実施回/ Week)
第9回
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(内容/ Contents)
背任罪
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書339~350頁を読んで,背任罪の特殊性について考える
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(実施回/ Week)
第10回
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(内容/ Contents)
盗品等に関する罪
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書350~363頁を読んで,盗品罪の特殊性について考える
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(実施回/ Week)
第11回
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(内容/ Contents)
毀棄・隠匿の罪
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書363~374頁を読んで,領得罪との違いについて考える
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(実施回/ Week)
第12回
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(内容/ Contents)
有価証券偽造罪
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書495~513頁を読んで,有価証券偽造罪,支払用カード電磁的記録巣性作出罪の特殊性について考える
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(実施回/ Week)
第13回
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(内容/ Contents)
賄賂の罪1
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書645~652頁を読んで,各種の賄賂罪に共通する問題点について考える
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(実施回/ Week)
第14回
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(内容/ Contents)
賄賂の罪2
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書653~664頁を読んで,各種賄賂罪の相互関係について考える
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(実施回/ Week)
第15回
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(内容/ Contents)
総括
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(授業時間外の学習/ Assignments)
これまでの授業の不足分を補充し,総括する。
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授業計画は,受講生の理解度を考慮して,一部変更する可能性があります。変更する場合は,各回の授業の終わりに,次回扱うテーマを予告します。できれば,早い段階で財産犯全般を一読しておくとよいでしょう。 今学期は,オンディマンド方式の動画廃止型の授業とします。時間の都合により,シラバスで予定していた範囲と異なる場合が生じるかもしれませんが,授業の最後に次回の予定を予告します。, 質問は,e-classを通じて質問された事項については,返信またはDUETを通じて回答します。 動画視聴の際には,教科書,六法,判例集,配布レジュメを手元においてください。
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
期末試験
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90%
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財産犯を中心とする刑法各論に関する基本的な知識を修得しているかを問う問題を出題します。採点に当たっては,問題文から検討すべき問題点を正確に抽出し,その点に関する学説・判例を整理・分析し,自説を積極的に展開し,説得的な根拠を示して,具体的に妥当な結論を導き出しているか,論述に論理的一貫性があるかを重視して評価します。 やむを得ない事情により試験が実施できない場合には,オンラインによる「1日レポート」を実施する場合があります。,
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小テスト
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10%
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受講生の理解度を確認するために,不定期に小テストを実施します。
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<成績評価結果/Results of assessment>
成績評価の見方について/Notes for assessment
登録者数 |
成績評価(%) |
評点 平均値 |
備考
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A |
B |
C |
D |
F |
他 |
115 |
9.6 |
13.9 |
27.8 |
18.3 |
30.4 |
0.0 |
1.5 |
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<テキスト/Textbook>
大谷實 『刑法講義各論』新版第5版
(成文堂、2019)
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<参考文献/Reference Book>
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