シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10308361-001 

△刑法総論Ⅰ-1
Criminal Law (General Principles) I-1
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  山田 慧

<概要/Course Content Summary>

 刑法とは犯罪と刑罰を定めた法です。そして,刑法総論は,刑法典第1編「総則」を主な検討対象として,刑法典第2編「罪」において定められている個々の犯罪処罰規定に共通して妥当する一般的性質の意義を明らかにしようとするものです。本講義では,刑法総論の諸問題のうち,刑法の基礎理論,構成要件論,構成要件の修正形式としての未遂犯論の順で,学説と判例実務との関連にも留意しながら解説していきます。刑法総論は,多様な学説が激しく対立する場面が多く,学習をする上で,それらを単に「覚える」ことに対しては尻込みしてしまいがちです。しかし,受講生にはむしろ,刑法の基本原理を押さえたうえで,各学説の帰結について「自ら考え」,理論的な対立の背後にある考え方の違いを理解し,その上で,どういった解決が望ましいかをさらに「自ら考える」ことが望まれているということに留意してもらいたいと思います。

<到達目標/Goals,Aims>

刑法総論の基本概念や重要論点について,近代刑法の基本原理と結びつけつつ,判例や学説の動向を的確に理解できるようになる。 
具体的な行為について,論理的な思考手順を踏みながら,犯罪が成立するかどうかを自ら考え,論じることができるようになる。 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) イントロダクション 
刑法の目的・機能・役割 
(授業時間外の学習/ Assignments) 予め,教科書3~48頁を読んでおく。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 罪刑法定主義 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 予め,前回の講義の最後に提示した教科書の該当頁を読んでおく。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 犯罪論の意義と犯罪論体系  (授業時間外の学習/ Assignments) 予め,前回の講義の最後に提示した教科書の該当頁を読んでおく。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 構成要件① 実行行為(1) 
―「何もしない」ことによる犯罪(不作為犯) 
(授業時間外の学習/ Assignments) 予め,前回の講義の最後に提示した教科書の該当頁を読んでおく。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 構成要件① 実行行為(2) 
―「自らは手を下さない」犯罪(間接正犯) 
(授業時間外の学習/ Assignments) 予め,前回の講義の最後に提示した教科書の該当頁を読んでおく。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 構成要件② 因果関係(1) 
―法益侵害結果の原因の探求 
(授業時間外の学習/ Assignments) 予め,前回の講義の最後に提示した教科書の該当頁を読んでおく。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 構成要件② 因果関係(2) 
―法益侵害結果の原因の探求  
(授業時間外の学習/ Assignments) 予め,前回の講義の最後に提示した教科書の該当頁を読んでおく。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 構成要件③ 故意(1) 
―「わざと」犯罪を実現した場合 
(授業時間外の学習/ Assignments) 予め,前回の講義の最後に提示した教科書の該当頁を読んでおく。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 構成要件③ 故意(2) 
―「勘違い」していた場合は「わざと」ではない?(事実の錯誤) 
(授業時間外の学習/ Assignments) 予め,前回の講義の最後に提示した教科書の該当頁を読んでおく。 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 構成要件④ 過失(1) 
―「うっかり」犯罪を実現してしまった場合 
(授業時間外の学習/ Assignments) 予め,前回の講義の最後に提示した教科書の該当頁を読んでおく。 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 構成要件④ 過失(2) 
―「うっかり」犯罪を実現してしまった場合 
(授業時間外の学習/ Assignments) 予め,前回の講義の最後に提示した教科書の該当頁を読んでおく。 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 構成要件の修正形式 未遂犯(1) 
―「失敗した」犯罪も処罰される理由・時期(実行の着手) 
(授業時間外の学習/ Assignments) 予め,前回の講義の最後に提示した教科書の該当頁を読んでおく。 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 構成要件の修正形式 未遂犯(2) 
―「成功し得なかった」犯罪も処罰?(不能犯) 
(授業時間外の学習/ Assignments) 予め,前回の講義の最後に提示した教科書の該当頁を読んでおく。 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 構成要件の修正形式 未遂犯(3) 
―「自ら犯罪をやめた」場合(中止犯) 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 予め,前回の講義の最後に提示した教科書の該当頁を読んでおく。 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) まとめ(または授業内評価) 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)  

授業計画は,受講生の理解度などにより変更されることがあります。各講義の最後では,次回の講義で解説する箇所を提示しますので,指示された教科書の該当箇所を事前に読んできてください。ただ,講義中に,教科書を直接参照することは予定していません。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

期末筆記試験  90%  刑法の基本原理,それらを踏まえた刑法総論に関する知識や論点を理解できているか,具体的な行為に関する犯罪の成否ついて,論理的な思考手順に沿い,判例・学説の動向を踏まえながら,「自ら考え」,説得的な結論を導き出すことができているかを重視して評価します。 
小テスト  10%  不定期に,それまでに扱った内容を確認できるような小テストを実施します。 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
250 2.0 20.0 45.6 25.6 6.8 0.0 1.8

<テキスト/Textbook>

大谷 實  『刑法講義総論』新版第5版  (成文堂、2019)

 

<参考文献/Reference Book>

山口厚・佐伯仁志編  『刑法判例百選Ⅰ総論』第7版 (有斐閣、2014)
 

 

 

 

 

 

 

 

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