<概要/Course Content Summary>
1.演習の内容 現代社会における身近な民法,民事法の諸問題について,新聞記事やインターネットの情報,判例,雑誌も使いながら検討し,理解を深めていくことを目的とします。消費者契約法,製造物責任法など関連する特別法も取り扱います。同時に文献検索,引用方法などレポート作成の基本についても学習していく予定です。 過去の報告の例:「診療契約に基づいて医療機関に要求される注意義務の程度について」,「治療について患者の同意を得るための説明義務について」,「不倫相手への包括遺贈は公序良俗に反するのか」「不動産売買における物件の日照,通風などの説明義務」,「過労自殺の法的問題」,「エホバの証人輸血拒否事件」「コンニャクゼリーによる死亡事故と製造物責任法」,「不倫をした有責配偶者からの離婚請求」,「凍結精子によって夫の死後に生まれた子供の認知」,「賃貸借契約の終了・退去に伴い,敷金は返還してもらえるのか」,「未成年の子が利用したダイヤルQ2の通話料の請求と信義則」,「夫婦の別姓を認めない民法の規定は合憲か」,「非嫡出子の相続」,「大学に合格後いったん支払った入学金,授業料は入学を辞退した後に返還されるのか」,「認知症患者が線路内に入った場合の鉄道事故における監督責任」,「クロレラチラシ配布差止めと消費者契約法12条の「勧誘」の意味」「テレビ発火事件と製造物責任法」「インターネット掲示板における名誉棄損」,「女性の再婚禁止期間」,「介護施設における安全配慮義務」「インターネット検索サイト「グーグル」に表示された犯罪歴削除の仮処分申し立て」等。 2.演習の運営方法 レジュメの作成に取りかかる前に,まずは,情報検索演習を行います。受講生が興味のある分野の判例を検索し,報告する判例のレジュメを作成するため,判例の検索のしかた,評釈,論文の探し方,レジュメの作成方法,引用形式など,レジュメの雛形,レジュメのサンプル,ゼミでの報告のしかたについて解説した本などを参照しながら無理なく報告ができる様丁寧に指導していきたいと思っています。 民法の特定の分野に興味のある学生はもちろん,民法は範囲が広いため難しく感じる学生でも,興味のある親しみやすい判例から勉強していくことによって,民事法についての理解を深めていくことを目指します。民法だけでなく,製造物責任法,特定商取引法,消費者契約法,借地借家法などの特別法もあわせて学習することが可能です。判例の報告を通じ,いくつかの分野における基礎的な知識を習得していくことを目的とします。受講生の希望により,契約書作成など特定のトピックを選択して,全員で同じ論文や本を読んで議論する場合もあります。学期末には報告内容についての小レポート作成をめざします。 3.演習の活動内容 全員が気楽にディスカッションにできるようなフレンドリーな雰囲気のゼミを目指します。交流を深めるため茶話会,昼食会,コンパ,3,4回生との縦コンなどを行う予定です。3回生になると弁護士,公務員,会社員,企業法務の担当者などが仕事について語るキャリアセミナーや,4回生が就職活動について報告,就職活動についてアドバイスする就職セミナーも行い,進路指導も行っていきます。これらの行事には2回生も参加することができます。さらに,企業の法務部の訪問,官庁主催の消費者法関連のシンポジウム参加,裁判所の見学などのフィールドトリップを行い,法律が社会のなかで実際どのように機能しているかについての理解を深めていきます。
<到達目標/Goals,Aims>
判例研究のレジメを作成すること,報告をもとにディベート,ディスカッションを行うこと,文献検索,引用方法などレポート作成の基本について学習し,無理なくレポート作成がこなせるようになること。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
1−4回
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(内容/ Contents)
各自の選択するテーマについての小報告 図書館ツアー,文献検索,文献引用の指導を含むレポート作成についての指導
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(授業時間外の学習/ Assignments)
1~2時間程度の予習・復習
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(実施回/ Week)
5−13回
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(内容/ Contents)
民事法の重要判例についての報告
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(授業時間外の学習/ Assignments)
1~2時間程度の予習・復習
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(実施回/ Week)
14-15回
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(内容/ Contents)
総合
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(授業時間外の学習/ Assignments)
1~2時間程度の予習・復習
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<成績評価基準/Evaluation Criteria>
平常点
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70%
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出席,課題の達成度
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期末レポート
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30%
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提示された課題に関して適切な内容であるかどうか
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<テキスト/Textbook>
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