シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10307701-106 

△2年次演習(政治行動論)-106
Seminar for Sophomore-106
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  演習/Seminar

  西澤 由隆

<概要/Course Content Summary>

 「西澤ゼミ」の活動目的については,「3年次演習」の「概要」をぜひ見てください。そこに書かれているように,有権者の政治意識や行動についての国際比較研究を目標にしています。 
 そして,そのような本格的な「研究」は,3年次から始めるとして,その導入である「2年次演習」では,2つの準備をしたいと思っています。1つは,科学的な推論の手順についての理解を確認することと,そして,2つ目は,データ分析の際の統計分析の力をつけることです。 
 前者については,高根正昭の『創造の方法学』をじっくりと読みたいと思います。これは,実証的な研究の進め方について,そして,それは必ずしも世論調査の分析に限定するのではなく,広い意味での実証研究の進め方について,わかりやすく解説した良いテキストです。そこで強調されていることですが,因果関係を確認するときの必要条件などは,学生生活の早い時期にしっかりと習得しておくとこは(このゼミ以外の授業を履修する際にも)大切なことです。この本を,みんなで輪読します。 
 後半は,SPSSについての実習をします。「政治データ分析」を履修していることを前提としていますが,そこで紹介した分析手法は,本当に初歩的なものです。3年になって具体的な分析をするには,もう少しトレーニングが必要です。そこで,より進んだ分析手法(多重クロス表分析と回帰分析)を紹介すると同時に,より高度な作業定義の仕方を(たとえば,「政治参加と選挙」で紹介したダウンズの空間理論について,具体的なデータを用いて,自分で確認ができるようになるように)指導します。 
 3年生になってから世論調査の分析には,どうしても,SPSSのような統計ソフトを使わなければなりません。したがって,「政治データ分析(飯田・西澤のいずれが担当したものでもよい)」を必ず履修してください。また,「政治参加と選挙」も,すでに履修が済んでいるとが望ましいですが,それは条件とはしません。 
 それから,このゼミのメンバーは,これから2年半も一緒に勉強する共同研究者となるわけですから(そして,きっと生涯をつうじて助け合う親友となるわけですから),「仲間作り」も大切にしたいと思います。毎年5月に実施しているゼミ合宿にも,ぜひ参加してください。正規の授業は秋からの開講ですが,ゼミの活動は春から始められたらと思います。関心のある諸君は,3・4年ゼミにも参加してください。

<到達目標/Goals,Aims>

問題発見力・説明力・表現力の修得

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) I.  (内容/ Contents) はじめに  (授業時間外の学習/ Assignments) ------ 
(実施回/ Week)   (内容/ Contents) 1. 講義概要と授業の進め方 
2. 自己紹介 
(授業時間外の学習/ Assignments) 課題図書の通読・報告の準備 
(実施回/ Week) II.  (内容/ Contents) 実証研究の基礎――『創造の方法学』  (授業時間外の学習/ Assignments) ------ 
(実施回/ Week)   (内容/ Contents) 3. 因果関係確認の条件 
4. 理論・命題・作業定義 
5. サーベーリサーチの方法 
6. ケーススタディーの方法 
(授業時間外の学習/ Assignments) 課題図書の通読・報告の準備 
(実施回/ Week) III.  (内容/ Contents) データ分析の基礎  (授業時間外の学習/ Assignments) ------ 
(実施回/ Week)   (内容/ Contents) 7. SPSSの復習 
8. 学術データのアクセス 
9. データ変容の復習 
10. 政党支持態度と投票 
11. イデオロギー尺度とダウンズの空間理論 
12. 政治的信頼の尺度 
13. ゼミ論・個人テーマ報告 
(授業時間外の学習/ Assignments) 課題図書の通読・報告の準備 
(実施回/ Week) IV.  (内容/ Contents) まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) ------ 
(実施回/ Week)   (内容/ Contents) 14. 研究成果報告会 
15. 3年次演習への導入 
(授業時間外の学習/ Assignments) 課題図書の通読・報告の準備 

毎回指定する課題を熟読のうえ参加してください。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

議論へ参加  25%  積極的・意欲的・批判的・建設的な参加 
ゼミ活動  25%  活動全般に対する貢献 
研究報告レポート  50%  説得力ある実証研究 

出席と指定図書の通読が前提。その上で,毎週の議論への参加の積極性(25%)・ゼミ活動全般に対する貢献度(25%)・研究報告レポート(4,000字以内,50%)で評価する。

<テキスト/Textbook>

高根 正昭  『創造の方法学』 (講談社、1979)

 

<参考文献/Reference Book>

・三宅一郎. 1990. 『投票行動』東京大学出版会. 
・谷口将紀 2012. 『政党支持の理論』岩波書店. 
・蒲島郁夫. 1988. 『政治参加』東京大学出版会. 
・鈴木光男. 1970. 『人間社会のゲーム理論』講談社. 
・アクセルロッド, R. 1987. 『つきあい方の科学』ミネルバ. 
・山岸俊男. 1990. 『社会的ジレンマのしくみ:「自分1人ぐらいの心理」の招くもの』サイエンス社. 
・ダウンズ,A.・古田 精司監訳. 1957. 『民主主義の経済理論』成文堂. 
・蒲島郁夫・竹中佳彦. 1996. 『現代日本人のイデオロギー』東京大学出版会. 
・カーチス G.・山岡清二訳. 1969. 『代議士の誕生 新版』サイマル出版. 
・アーモンド, G. A., ヴァーバ, S. ・石川一雄他訳. 1963. 『現代市民の政治文化』勁草書房. 
・イングルハート, R.・村山皓他訳. 1990. 『カルチャーシフトと政治変動』東洋経済新報社. 
・パットナム, R.・河田潤一訳. 1993. 『哲学する民主主義―伝統と改革の民主的構造』NTT出版. 
・NHK放送文化研究所編. 2015. 『現代日本人の意識構造 第8版』日本放送出版協会. 
・川喜田二郎. 1967. 『発想法』中央公論社. 
・本多勝一. 1982. 『日本語の作文技術』朝日新聞社. 
・木下是雄. 1981. 『理科系の作文技術』中央公論社. 
・諏訪邦夫. 1995. 『発表の技法』講談社. 
・樋口泰行・山内俊幸・森嶋良子. 2015. 『プレゼンに役立つデザインの法則50』玄光社. 
・佐藤信. 1968. 『推計学のすすめ:決定と計画の科学』講談社. 
・池田央. 1976. 『統計的方法Ⅰ基礎』新曜社. 
・増山幹高・山田真裕. 2004. 『計量政治分析入門』 東京大学出版会. 
・G.キング, R.O.コヘイン, S.ヴァーバ. 2004 『社会科学のリサーチ・デザイン-定性的研究における科学的推論-』 勁草書房. 
・遠藤晶久・ウィリー=ジョー 2019.『イデオロギーと日本政治―世代で異なる「保守」と「革新」』新泉社 
・山本嘉一郎他訳. 1994. 『SPSSによる統計学入門』東洋経済新報社. 
・西澤由隆・西澤浩美訳. 1997. 『誰にでもできるSPSSによるサーベイリサーチ』丸善.

 

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