シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10307701-055 

△2年次演習(刑法)-55
Seminar for Sophomore-55
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  演習/Seminar

  松原 久利

<概要/Course Content Summary>

本演習では,刑法が現実社会の諸現象とどのようにかかわっているのかを,具体的な刑事事件を通じて検討します。受講生は,第1回の授業時に示す判例の中から関心のある判例を選択し,事前に十分な調査をして,必ずレジュメを作成したうえで報告する。報告者以外の受講生も,必ず意見が求められるので,同様に事前に十分な調査をして,自分の意見・疑問をもって演習に臨むことが要求されます。活発な議論のできる意欲のある受講生の積極的な参加を期待しています。 
なお,学期末には,各自が選択した報告テーマについてのレポートを提出することが求められます。

<到達目標/Goals,Aims>

本演習では,刑法の重要判例を素材として,判例学習による法的思考能力の養成を目的とします。これにより,受講生が未解決の問題に直面したとき,それを解決するためには何が必要なのかを発見し,さまざまな考え方の存在を前提として,説得的な根拠・理由を示して,妥当な解決策を導き出すことができるようになることが目標です。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) オリエンテーション―自己紹介,演習の進め方,報告判例の選択,スケジュールの決定,判例学習について  (授業時間外の学習/ Assignments) 演習の進め方,取り上げるべきテーマ,課外活動についてアイディアを考えておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 因果関係  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布された判例(最判昭和46・6・17刑集25・4・567)を読んで,事実,裁判の流れ,判例の意義,問題点,質問事項を考えておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 事実の錯誤  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布された判例(最判昭和53・7・28刑集32・5・1068)を読んで,事実,裁判の流れ,判例の意義,問題点,質問事項を考えておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 過失犯  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布された判例(最決平成1・3・14刑集43・3・262)を読んで,事実,裁判の流れ,判例の意義,問題点,質問事項を考えておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 被害者の同意  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布された判例(最決昭和55・11・13刑集34・6・396)を読んで,事実,裁判の流れ,判例の意義,問題点,質問事項を考えておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 正当防衛  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布された判例(最決平成1・11・13刑集43・10・823)を読んで,事実,裁判の流れ,判例の意義,問題点,質問事項を考えておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 違法性の錯誤  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布された判例(最決昭和62・7・16刑集41・5・237)を読んで,事実,裁判の流れ,判例の意義,問題点,質問事項を考えておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 実行の着手  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布された判例(最決昭和40・3・9刑集19・2・69)を読んで,事実,裁判の流れ,判例の意義,問題点,質問事項を考えておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 共謀共同正犯  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布された判例(最大判昭和33・5・28刑集12・8・1718)を読んで,事実,裁判の流れ,判例の意義,問題点,質問事項を考えておく 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 胎児傷害  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布された判例(最決昭和63・2・29刑集42・2・314)を読んで,事実,裁判の流れ,判例の意義,問題点,質問事項を考えておく 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 財産犯の保護法益  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布された判例(最決平成1・7・7刑集43・7・608)を読んで,事実,裁判の流れ,判例の意義,問題点,質問事項を考えておく 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 詐欺罪  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布された判例(最決平成15・3・12刑集57・3・322)を読んで,事実,裁判の流れ,判例の意義,問題点,質問事項を考えておく 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 文書偽造罪  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布された判例(最決平成15・10・16刑集57・9・987)を読んで,事実,裁判の流れ,判例の意義,問題点,質問事項を考えておく 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 賄賂罪  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布された判例(最決昭和63・4・11刑集43・4・419)を読んで,事実,裁判の流れ,判例の意義,問題点,質問事項を考えておく 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 死刑  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布された判例(最判平成18・6・20判時1941・38)を読んで,事実,裁判の流れ,判例の意義,問題点,質問事項を考えておく 

これらは予定であって,受講生に特に関心のある判例があれば,それを優先して取り上げるので,変更する場合がある。受講生は,第1回授業時に,取り上げたい判例を考えてきてほしい。なお,具体的に取り上げるべき判例については,第1回授業時に指示する。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,発表,グループ作業の成果等)  50%  報告者については,事前の十分な調査,作成されたレジュメのわかりやすさ,報告内容,質問に対する回答等,報告者以外については,事前の十分な調査,質問・意見の内容等を基準として評価する。 
期末レポート  50%  十分な調査,問題の所在の明確性,判例・学説の的確な分析・評価,自説の積極的な根拠,他説に対する的確な批判,結論の妥当性,論理の一貫性,説得力等を基準として評価する。 

<テキスト/Textbook>

  第1回授業時に指示する。 

 

<参考文献/Reference Book>

大谷 實編  『判例講義刑法Ⅰ総論』第2版 (悠々社、2014)
 

大谷 實編  『判例講義刑法Ⅱ各論』第2版 (悠々社、2011)
 

芝原 邦爾他編  『刑法判例百選Ⅰ総論』第7版 (有斐閣、2014)
 

芝原 邦爾他編  『刑法判例百選Ⅱ各論』第7版 (有斐閣、2014)
 

前田 雅英  『最新重要判例250刑法』第11版 (弘文堂、2017)
 

大谷 實  『刑法講義総論』新版第5版 (成文堂、2019)
 

大谷 實  『刑法講義各論』新版第5版 (成文堂、2019)
 

大塚裕史他  『基本刑法Ⅰ総論』第2版 (日本評論社、2016)
 

大塚裕史他  『基本刑法Ⅱ各論』第2版 (日本評論社、2018)
 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2020 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。