シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


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△政治行動論
Political Behavior
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  飯田 健

<概要/Course Content Summary>

 本授業は代表民主制に関するものである。民主制の国では,国民一人ひとりが国の政治の決定権をもつ「主権者」とされるが,全員がどこかに集まって議論し,決定を行うことはいろいろな意味で現実的ではない。そこで現代国家は,代表民主制と呼ばれる仕組みに基づいて決定を下している。代表民主制では,人々は自らの意見を代表してくれる政治家を選挙で選び,その政治家が人々に代わって議会で議論し,人々のためにさまざまな政策を実施することが期待されている。 
 
 代表民主制において人々が自分たちの意見を政治に反映させるための最も重要な手段は,なんと言っても選挙で投票し,政治家を選ぶことである。世論調査の結果やデモの参加者数は重要だが,それらはあくまで人々の意見を測る一つの目安に過ぎない。したがって,選挙で選ばれた政治家の決定は当然重い。しかし,いったん選挙で選ばれた政治家が必ずしも多くの人々の意見に従っていないようにも見える状況がしばしば生じる。極端な場合,「有権者は選挙のときだけ王様で,後は奴隷である」などと言われたりもする。 
 
 なぜこのようなことが起こるのであろうか。人々に選ばれた政治家が,人々の意見を無視して良いはずがない。いったいどうすれば,政治家が,常に人々の意見に耳を傾け,それに従って政策を実行するような状況を生み出すことができるのであろうか。どうすれば人々は政治に対して影響力を発揮し,必要なら政治を変えることができるのだろうか。 
 
 本授業は,この問いかけからもわかるように,代表民主制の主人公である私たちの視点から行われる。代表民主制が抱える問題を,みなさんがあくまで自分のこととして考える際の良き「ガイド」となるよう意図されている。人々の意見を政治に反映させるために,また政治家が人々の意に背くようなことをしないようにするために,いったい自分は何ができるのか。こうした問題について考えるため,政治行動論という学問分野の学問的知見を学習する。 
 
*****2020年8月28日追記******  
 秋学期についてはオンデマンド方式(動画配信)で実施する。e-classの授業ページにハンドアウトと動画URLをアップロードする。新たにアップロードした際は,そのつどe-classのメッセージで連絡する。

<到達目標/Goals,Aims>

・政治行動論の理論枠組みを習得する。 
・その理論枠組みを使って実際の政治現象を説明できるようになる。 
・どのようにして有権者が政治家や政府をコントロールできるのか理解を深める。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) イントロダクション  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 代表民主制  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 世論の形成と分布  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 有権者の能力  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) イデオロギー  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 党派性1  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 党派性2  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 投票参加  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 投票外参加  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 投票選択  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 選挙キャンペーンとメディア  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 民意と政策  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 選挙制度の影響  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 研究の実例  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料や指定した文献にもとづく予習・復習  

上に示した三つの課題に対して,学期を通じて横断的に学習する。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

期末筆記試験  100%  到達目標を達成(理論の理解と実際の政治への応用)ができているかを評価する。 
Extra Credit復習問題/課題    毎週習ったことが習得できているか確認する。提出する/しないは任意。 

Extra Credit復習問題/課題の点数を期末試験に加算する。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
143 23.1 14.7 18.9 16.8 26.6 0.0 1.9

<テキスト/Textbook>

飯田健・松林哲也・大村華子  『政治行動論-有権者は政治を変えられるのか-』 (有斐閣、2015) ISBN:978464115029-4  本授業の内容をベースに,2015年12月に刊行された教科書。 

 

<参考文献/Reference Book>

三宅一郎  『投票行動』(東京大学出版会、1989)ISBN:9784130320955 投票行動の理論について学ぶ上で参考になる。 
 

蒲島郁夫  『政治参加』(東京大学出版会、1988)ISBN:9784130320962 政治参加の理論について学ぶ上で参考になる。 
 

小林良彰  『選挙・投票行動』(東京大学出版会、2000)ISBN:9784130341318 比較的新しい選挙・投票行動の理論について学ぶ上で参考になる。 
 

ドナルド・キンダー(加藤秀治郎・加藤祐子訳)  『世論の政治心理学-政治領域における意見と行動-』(世界思想社、2004)ISBN:9784790710974 世論や有権者の政治的態度について学ぶ上で参考になる。 
 

山田真裕・飯田健  『投票行動研究のフロンティア』(おうふう、2009)最新の投票行動の理論について学ぶ上で参考になる。 
 

田中愛治・河野勝・日野愛郎・飯田健  『2009年,なぜ政権交代だったのか-読売・早稲田の共同調査で読みとく日本政治の転換-』(勁草書房、2009)ISBN:9784326301829 政権交代を引き起こした2009年の総選挙における有権者の投票行動を理解する上で参考になる。 
 

岩崎正洋編  『選挙と民主主義』(吉田書店、2013)ISBN:9784905497158 選挙に関する様々な論点を示した入門書。 
 

飯田健  『有権者のリスク態度と投票行動』(木鐸社、2016)ISBN:9784833225007 リスク態度という変数で,安倍政権下の有権者の投票行動/政治行動を一貫して説明する研究書。 
 

 

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