シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


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△利益集団論
Interest Groups
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  森 裕城

<概要/Course Content Summary>

政治過程の主要なアクターである議員の活動,官僚の活動には,憲法をはじめとする法律上の規定が明確に存在するので,その活動の意味はわかりやすい。しかしながら,制度的な規定が明確でない利益集団(団体)と呼ばれる諸集団(団体)の活動(たとえば議員や官僚に接触して政策形成に「圧力」を与える活動)には,「正当な決定に対して横槍を入れる」というイメージが根強くあり,どうしてもネガティブな評価がつきまとう。 
 
そもそも利益集団(団体)とは,どのような集団(団体)をいうのだろうか。ここで注意したいことは,世の中に「自称」利益集団(団体)は存在しないということである。私たちが利益集団(団体)と呼んでいる人たちはすべて,何らかの個別名称(○○組合や○○協会等々)で自らの集団(団体)を「自称」している。しかもその大多数は,実は,積極的に政治に関わろうとしているわけではない。 
 
しかしながら客観的に見て,当人たちの認識以上に,一定の政治的機能(社会の秩序形成・維持に関わる機能)を果している集団(団体)が数多くある。このような自分自身を利益集団(団体)であるとは認識しておらず,必ずしも自覚的に政治に関わっているわけではない集団(団体)までを含めて,政治学の分野では利益集団(団体)と呼ぶのである。つまり利益集団(団体)とは,政治学者側の都合で認定された当該集団(団体)の「他称」もしくは「別称」である。 
 
本講義では,日本の政治過程において,利益集団(団体)がどのような位置を占めているのかを理論的・実証的に検討したい。 
 
※本講義は「ネット配信授業」として次のような段取りで実施される。①毎週の授業の開始時間までにDUETで教材(講義内容に関するプリントと音声解説)が配信される,②受講生は2週間以内に200字~400字程度の小レポートをDUETで提出する(小レポートの課題は,講義担当者より,教材配信と同時に提示される)。③各回の小レポート以外の学期末レポートや学期末試験は実施しない。 

<到達目標/Goals,Aims>

①利益集団・団体とは何か,なぜ政治学が利益集団・団体を分析対象とするのかがわかるようになる。②政治学の理論・モデル・データに基づいて,日本の利益集団・団体政治を分析できるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 「利益集団論」の射程  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 現代政治理論における利益集団:多元主義(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 現代政治理論における利益集団:多元主義(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 現代政治理論における利益集団:多元主義(3)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 現代政治理論における利益集団:コーポラティズム(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 現代政治理論における利益集団:コーポラティズム(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 現代政治理論における利益集団:デュアリズム  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 現代政治理論における利益集団:ミクロ理論の展開  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 現代日本政治と利益団体:JIGS調査の報告(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 現代日本政治と利益団体:JIGS調査の報告(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 現代日本政治と利益団体:JIGS調査の報告(3)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 現代日本政治と利益団体:JIGS調査の報告(4)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 利益集団論からみた教育改革の政治過程(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 利益集団論からみた教育改革の政治過程(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 「利益集団論」の総括  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義プリントで提示された参考文献等を各自読み進めること。  

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

小レポート  100%  各回の講義後に小レポートの提出を求める 

小レポートは,200字~400字程度,2週間以内に提出。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
193 33.7 13.0 16.1 26.9 10.4 0.0 2.3

<テキスト/Textbook>

辻中豊・森裕城編  『現代社会集団の政治機能-利益団体と市民社会-』 (木鐸社、2010)

 

<参考文献/Reference Book>

辻中 豊  『利益集団』(東京大学出版会、1988)
 

辻中 豊編  『現代日本の市民社会・利益団体』(木鐸社、2002)
 

平野 浩・河野 勝編  『新版 アクセス日本政治論』(日本経済評論社、2011)
 

日本政治学会編  『年報政治学 2012-Ⅱ-現代日本の団体政治-』(木鐸社、2012)
 

 

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