シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10307601 

△東アジア国際関係論
International Relations in East Asia
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  浅野 亮

<概要/Course Content Summary>

*授業は,対面式授業をteamsでのオンライン授業と組み合わせ,さらに通知はe-classにおいても行う。 
  ・対面式授業で,授業内容の骨子はパワーポイントで示しつつ行う。 
  ・パワーポイントの内容はteams及びe-classでの公開の予定である。 
  ・オンライン授業の録画は原則としてせず,また認めない。必要な場合は事前に承認を得ること。 
  ・また,オンライン授業のパスワードは,履修生以外にみだりに教えないこと。 
 
いわゆる東アジア地域の国際関係について,基本的かつ巨視的な理解ができるようにする。ここでの東アジアとは,東北アジア(中国,北朝鮮,韓国,日本),東南アジア,台湾を含む。なお,域外のアメリカやロシアの役割についても触れる。 
 
授業は,(1)東アジア地域全体の秩序を中心に進める。大半がこの内容となる。「中国の台頭」による米中関係の変容を軸にして,東アジア地域の秩序の変化を議論する。 
その中で,(2)東アジアと隣接地域における地域機構(たとえばARFやAPEC,またSAACやSCOなど),(3)東アジア各国(台湾を含む)の対外関係,という二つの側面についてもできる範囲内で触れる。 
なお,(2)や(3)の内容は,他の授業でも触れることが多いため,ここでは個別の国や機構に関する叙述的説明よりも,(1)との関連における概説と理論的説明に重点を置く。 
 
できるだけ新しい事象も追加して授業を行う。 
このため,過年度の授業内容と異なる部分が年々多くなる。 
 
可能な限り,政治,経済(貿易や投資だけでなく金融も)や軍事など総合的な理解を目指す。それによって,地域の秩序の変容,対外関係と国内政治の連関,地域機構の乱立の背景などについての説明ができるようになる。 
 
「安全保障のパラドックス」や「ツキジデスの罠」など理論的な概念についてはそのつど説明するが,国際関係理論や国際安全保障論を履修していることが望ましい(同時に並行して履修してもかまわない)。 
なお,東アジア地域以外だが東アジア地域にますます密接に関係するようになった地域(中央アジアや中東など)や地域機構などについても言及する。 
 
以上の内容を備えたテキストが見当たらないので,テキストは使わず,主にパワーポイントを使いながら授業を進める。 
下にあげた参考文献のうち興味のあるものや,授業中に紹介する書籍や論文に目を通すとよい。かなり圧縮した内容の授業なので,高校の世界史や日々新聞を読んでいるなど,ある程度予備知識が必要であり,予習復習なしの授業理解はかなり難しいであろう。

<到達目標/Goals,Aims>

東アジアの国際政治を,(1)グローバル,(2)リージョナル,(3)各国(台湾を含む)の内政との連動の中で基本的な理解ができるようになること。 
東アジアに関する各種報道について,ステレオタイプにならない,冷静で深い理解ができるようになること。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) 基本的なアプローチの方法と概念  (授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献以外に授業で紹介する資料に目を通す事が望ましい。 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 東アジア国際関係のメカニズム(1):国際環境,対外政策,国内政治  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。以下,省略 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 東アジア国際関係のメカニズム(2):経済と安全保障  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 東アジア国際関係のメカニズム(3):パワー・バランスの変化  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 東アジア政治の展開(1):歴史:複合的要因  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 東アジア政治の展開(2):階層的秩序の形成  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 東アジア政治の展開 (3):限定的覇権の下の秩序  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 東アジア政治の性格 (1):協力と対立の交錯  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 中間評価  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を理解しているかどうかを見る 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 東アジア秩序の形成(1):米中心のハブ=スポーク型秩序  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 東アジア秩序の形成(2):中国中心の秩序と「一帯一路」  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 東アジア秩序と国際関係理論(1):リアリズムとコンストラクティヴィズム  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 東アジア秩序と国際関係理論(2):統合論  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 東アジアと他地域の連環:中央アジアと南アジア  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments)  

授業計画は,授業内容の内的な関連をおおよそ示したものである。授業は,進行中の事件や新しい資料の出現などを重視し,柔軟に進める。たとえば,当日の報道記事に基づいた授業内容のこともある。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,発表,グループ作業の成果等)  10%  適宜出欠をとり,採点の参考とする 
中間試験  20%  基本的用語を理解しているか 事象や事例を相互に関連づけて理解しているか 
期末試験  70%   

COVID-19により,中間試験は行わないことがある。その場合,点数は全て期末試験に含める。 
また,期末試験も同様の理由により,レポート(オンライン提出に限る)に切り替えることがある。 
これらは授業中,及びオンライン(teams及びe-class)で通知する。 
また,注意はしないが,授業に支障をきたす私語,遅刻,早退,携帯電話の呼び出し音,また全授業終了後におけるオンライン授業のパスワードに関する問い合わせも減点の対象となる。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
153 30.1 38.6 22.9 5.9 2.6 0.0 2.9 *

<参考文献/Reference Book>

赤木 攻・安井 三吉  『講座 東アジア現代史5-東アジア政治のダイナミズム-』(青木書店、2002)やや古いが分析の枠組みは現在でも有効である。 
 

片山裕・大西裕(編)  『アジアの政治経済・入門(新版)』(有斐閣、2010)東アジア各国の政治と経済を簡潔に説明したもの。 
 

黒柳 米司(編著)  『ASEANの再活性化への課題-東アジア共同体・民主化・平和構築-』(明石書店、2011)ASEAN研究の第一人者が長年組織してきた研究グループによる研究の集大成。この後に同じ書店から継続的に研究(グループのリーダーは金子芳樹に交代)が出版されているので,参照すると良い。 
 

山影進(編)  『新しいASEAN-地域共同体とアジアの中心生を目指して-』(アジア経済研究所、2011)ASEAN研究者として第一線に立ち続けた者による編集。ASEANそのものに関する基本情報を得るのに役立つ。 
 

Liselotte Odgaard , The Balance of Power in Asia-Pacific Security .   (Routledge, 2007) .  勢力均衡とバンドワゴンを組み合わせた議論は日本でも数多いが,概念や枠組みを拝借した形跡のほとんどない分析として触れることにも意味があろう。 

 

  『国際政治 158-東アジア新秩序への道程-』(2009年12月)『国際政治』は,日本国際政治学会の機関誌。学部上級から大学院までのレベルだが,本格的に知りたい人には,チャレンジしてみる価値がある。 
 

  『東亜』(霞山会)財団法人「霞山会」が発行する月刊誌。アジアで働くか,アジア研究を志す者にとっては必読。 
 

David Shambaugh & Michael Yahuda (eds) , International Relations of Asia .   (Rowman & Littlefield, 2008) .  理論と実証を兼ねた内容で,2年次には難しいが,挑戦する意味は大きい。やや古いが読む価値はある。 

 

礒崎敦仁・澤田克己  『北朝鮮入門』(東洋経済新報社、2010)北朝鮮の政治,経済,社会を冷静に解説している。 
 

Alagappa, Muthiah  『Asian Security Order-Instrumental and Normative Features-』(Stanford University Press、2003)やや古いが,アジア地域の国際政治分析ではよく知られているマレーシア人研究者の代表作。 
 

Rozman, Gilbert  『U.S. Leadership , History, and Bilateral Relations in Northeast Asia』(Cambridge University Press、2011)アメリカの対日,対韓政策の絡み合いを見るのに便利。 
 

若林正丈  『台湾の政治-中華民国台湾化の戦後史-』(東京大学出版会、2008)戦後台湾の通史として,入門書と専門書の二つの性格を兼ね備えている。台湾に関心があるなら一度は目を通しておき,手元におくべきではないだろうか。 
 

平岩俊司  『北朝鮮は何を考えているのか-金体制の論理を読み解く-』(NHK出版、2013)北朝鮮・韓国問題の第一人者による平易だが奥深い解説書。 
 

道下徳成  『北朝鮮 瀬戸際外交の歴史』(ミネルヴァ書房、2013)日本政府でも実際の政策に携わったことがある研究者による緻密な研究。 
 

以下の参考文献では,意図してやや古いが古典として知っているべき研究を示す。最新の研究は授業中に示す。 
本当にアジアをやりたいのなら,日本語文献は当然として,英語文献や現地言語の資料も少しずつでかまわないから読めるようにしておくこと。最近は,英語文献の重要性はますます高まっているが,同時に,英語による研究のみではカバーしきれない事象も無くなっていないと言われているので,特に注意すること。

<参照URL/URL>

アジア経済研究所 
ここから研究を大いに発展,展開することができる。 
 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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