シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


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△国際環境法
International Environmental Law
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  坂田 雅夫

<概要/Course Content Summary>

 この授業はYouTubeを用いての動画配信を主としておこなう。動画へのリンクはE-classで掲示する。第10回と第15回にはZoomを用いての質問受付を行う予定だが,授業の進行具合により変更される可能性はある。具体的日程はE-classでお知らせする。 
 
 国境を越える,又は地球規模で影響の出る環境問題が今日多発している。本講義ではこうした国際環境問題に関する国際公法について整理していく。 
 まずある国の行動が別の特定の国の権利を侵すという形での環境問題を分析する。本講義ではこうした形での問題を「伝統的国際法」型と称している。対してオゾン層保護や地球温暖化問題のように,特定の国家と特定の国家という限られた形ではなく,地球規模で誰もが原因に関与しており,そして誰もが被害者になるという形での環境問題を分析する。本講義ではこうした形での問題を「新国際法」型と称している。「伝統的」「新」という用語は,この講義での講学上の便宜にすぎない。この二つの形の違いを理解することが本講義前半の目的となる。 
 つづいて前半の説明枠組みに入りきれなかった,いくつかの個別問題を取り上げる。経済と環境,戦時における環境保護を挙げているが余裕があれば,有害廃棄物の越境移動規制など他のテーマも取り上げたい 
 この講義の前提となるものは国際法の基礎知識である。第2回で簡単に復習するが,できれば「国際法総論」等,他の国際法関係科目を履修しておいた方が講義の理解が深まると思われる。

<到達目標/Goals,Aims>

国際環境問題に関係するニュースなどを理解できるようになること。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) イントロダクション 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 特になし 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 国際法一般の基礎事項  (授業時間外の学習/ Assignments) 通常の国際法のテキストの総論部分を読む 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 国際環境法の歴史  (授業時間外の学習/ Assignments) 松井芳郎『国際環境法の基本原則』pp. 5-25 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 国際環境問題に関する「伝統的国際法」1:領域管理責任  (授業時間外の学習/ Assignments) 山本草二『国際法における危険責任主義』pp. 104-139 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 国際環境問題に関する「伝統的国際法」2:海洋法  (授業時間外の学習/ Assignments) バーニー&ボイル『国際環境法』pp. 385-450。講義ではミナミマグロ事件と南極海捕鯨事件を取り上げるので,それらの事件は必読。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 国際環境問題に関する「伝統的国際法」3:国際河川法  (授業時間外の学習/ Assignments) バーニー&ボイル『国際環境法』pp. 331-384が全体像を掴むのに最適。講義ではパルプ工場事件を素材に手続的義務の意義に焦点を当てるので同事件も必読。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 責任(過失責任,危険責任,無過失責任)  (授業時間外の学習/ Assignments) 山本草二『国際法における危険責任主義』 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 地球規模環境問題に関する「新国際法」1:オゾン層保護  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習・復習用に使えるものの数が多いので,代表的なものを初回講義時に指示する。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 地球規模環境問題に関する「新国際法」2-1:地球温暖化問題 
  
(授業時間外の学習/ Assignments) 予習・復習用に使えるものの数が多いので,代表的なものを初回講義時に指示する。 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 地球規模環境問題に関する「新国際法」2-2:地球温暖化問題に関するDVD鑑賞(→「Zoomで質問受付」に変更)  (授業時間外の学習/ Assignments) 特になし 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 国際法の遵守確保における「伝統的国際法」と「新国際法」の対比:責任から遵守へ  (授業時間外の学習/ Assignments) 柳原正治・他『プラクティス国際法〔第三版〕』pp. 346-351 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 環境問題と国際貿易  (授業時間外の学習/ Assignments) マグロ・イルカ事件 
エビ・ウミガメ事件 
EUホルモン牛肉事件 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 環境問題と国際投資  (授業時間外の学習/ Assignments) エチル事件 
メタルクラッド事件 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 戦時における環境保護  (授業時間外の学習/ Assignments) 核兵器に関する勧告的意見 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) まとめ(→「Zoomで質問受付」に変更)    (授業時間外の学習/ Assignments) 特になし 

関係する国際ニュースを可能な限り取り上げたいと考えているので,それに合わせて講義予定は変更される可能性がある。 
 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

小レポート  50%  授業内容の理解度 
期末レポート  50%  授業内容の理解度 

レポートを2回(授業中間時点と期末時点)でおこなう。レポートはe-classで回収する。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
54 33.3 24.1 14.8 5.6 22.2 0.0 2.4

<参考文献/Reference Book>

松井芳郎  『国際環境法の基本原則』(東信堂、2010)ISBN:9784798900124 
 

松井芳郎編集代表  『国際環境条約・資料集』(東信堂、2014)ISBN:9784798912554 
 

パトリシア・バーニー&アラン・ボイル  『国際環境法』(慶應義塾大学出版会、2007)ISBN:9784766413779 
 

西井正弘・臼杵知史  『テキスト 国際環境法』(有信堂、2011)ISBN:9784842040585 
 

その他の文献については,初回授業時に指示する。

<備考/Remarks>

担当教員への連絡はE-classのメッセージ機能で。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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