<概要/Course Content Summary>
この授業は,オンデマンド配信形式(場合によってはリアルタイム(ZOOM)併用)の形で行います。 <概要> 本講義では,企業や個人等の債務者が一般的に支払不能の状態に陥る等経済的に破綻したときに,その集団的な債権債務関係をどのように公平に処理していくのかにつき,特に再建型手続について定める日本の民事再生法(例えば,スカイマークは倒産後どのように再生を果たしたのか,ビットコイン取引場が再生したときにその価値はどのように評価されるか)・会社更生法(日本航空の更生,労働契約の処理),個人の民事再生(個人が倒産した時に住宅を保持できるか,奨学金は免責できるのか),国際倒産制度(日本で倒産した企業が外国に財産を有している場合,外国で倒産した企業が日本に財産を有している場合),私的整理(経営者の企業債務にかかわる連帯保証債務を破産せずに免責させる制度)を学ぶことを通じてその全体像を把握することを目標とします。 具体的には,民事再生法・会社更生手続の基本的な概念や手続の仕組みを解説し,解釈論・立法論上の重要な問題点について判例を適宜に取り上げながら紹介します。また,担保権,相殺権,契約の処理(売買契約,雇用契約),事業譲渡,親会社の責任等民法,労働法,会社法と倒産法が交錯する裁判例を通じて,民商事法の知識をも深める。 ★ 特に,民法,労働法,会社法,民事執行法,民事訴訟法関連の科目に興味を持っている方に受講をお勧めします。また,倒産という現象は信用取引が存在する社会にますます広く現れているので,将来,企業,企業法務,国際取引,法曹等の仕事に従事したい方に,受講を勧めます。
<到達目標/Goals,Aims>
「民事再生法・会社更生法」では,民事再生・会社更生手続についてその基本的な概念や手続の仕組みを理解し,判例の読み方や法解釈論を習得することを通じて,経済的に財政的に破綻した企業や個人がどのように再起出発を図っていくのか,多数の債権者間の公平弁済がどのように図られていくのか,等の問題について学ぶことができます。また,担保権,相殺権,契約の処理(売買,雇用),事業譲渡,経営者・親会社の責任等民法,労働法,会社法と倒産法が交錯する最新の裁判例を通じて,より広い視点から民商事法への理解を深めることができます。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
1
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(内容/ Contents)
民事再生法・会社更生法総論
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習として次回の授業で扱う内容であるテキストの該当箇所を読み,復習として配布レジュメの内容について参考文献をもう一度読みながら理解を深めることが求められます。
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(実施回/ Week)
2
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(内容/ Contents)
民事再生ー 再生手続開始決定-どのように手続を開始するのか
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(授業時間外の学習/ Assignments)
同上
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(実施回/ Week)
3
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(内容/ Contents)
再生債務者・その他の手続機関-手続開始後,元の経営陣は会社に対する経営権等を失うのか
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
4
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(内容/ Contents)
再生債務者財産の調査・確保-財産隠匿行為等,特定の債権者に対する弁済
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
5
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(内容/ Contents)
債権の弁済順位
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
6
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(内容/ Contents)
再生手続における担保権-抵当権を行使できるのか
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
7
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(内容/ Contents)
相殺権,契約の処理(売買,雇用契約解除の可否)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
8
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(内容/ Contents)
再生計画①(生の再生計画案)―内容,多数決,事業譲渡
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
9
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(内容/ Contents)
再生計画②(スカイマークの例)―,債権者集会,裁判所の認可要件
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
10
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(内容/ Contents)
個人の民事再生①-自営業者とサラリーマンの再生
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
11
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(内容/ Contents)
個人の民事再生②-住宅の扱い;経営者保証の免除の可否
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
12
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(内容/ Contents)
会社更生手続-JALの更生,労働契約(事件担当弁護士による講演会)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
変更あり
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(実施回/ Week)
13
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(内容/ Contents)
国際倒産―外国の倒産手続に対する承認・援助
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(授業時間外の学習/ Assignments)
順番変更あり
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(実施回/ Week)
14
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(内容/ Contents)
講演会
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
15
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(内容/ Contents)
全体のまとめ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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状況に応じて,内容の順番を変更することはありうる。
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
レポート試験又は持ち込み可の小テスト形式(90%) Eクラスなどを通じた質問やその他の形式での質問などで平常点を換算する(10%)
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100%
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レポート形式か,テキストとレジュメ等資料持ち込みで小テス(この場合はEクラスやduet 等を通じてデータを返信する形で行います)。授業で扱った内容の全体について理解度を問います。
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<テキスト/Textbook>
山本和彦 『倒産処理法入門』第5版
(有斐閣、2018年)
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割安で,かつ長年にわたって利用できるもの。購入すること。
<参考文献/Reference Book>
①授業で配布するレジュメ ②松下淳一『民事再生法入門(第2版)』(有斐閣・20⒕年) ③伊藤眞『破産法・民事再生法(第4版)』(有斐閣・2018年) ④藤本 利一・野村 剛司編『基礎トレーニング倒産法』(日本評論社・2013年) ⓹山本和彦等編『倒産判例インデックス(第3版)』(商事法務・2014年) ⓺青山善充ほか 『倒産判例百選(第5版)』 (有斐閣,2013年) ほか授業時指定
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