<概要/Course Content Summary>
この講義は,2年次生からの履修が可能です。民法第三編「債権」中の第三章「事務管理」,第四章「不当利得」,第五章「不法行為」を対象としますが,その中でもとくに不法行為を中心に取り扱います。 不法行為とは,違法な行為により他人に損害を加えた者に損害賠償責任を負わせる制度です。交通事故を起こしたり,喧嘩して相手に怪我をさせてしまった場合,相手のプライバシーを侵害したり,名誉を毀損した場合,公害が発生した場合などに不法行為責任に基づく損害賠償責任が課される場面が生じます。具体的には,相手に怪我をさせてしまった場合に治療費,休業損害などについての損害を賠償する責任が生じることになります。最近話題となった事例として,認知症に罹患した高齢者が起こした鉄道事故,子供が起こした自転車事故について監督義務者(配偶者,親など)の責任が問われたものがあります。このように,不法行為法は身近に起こる事故の場面で機能することが多い法律です。 学習に際しては,「Aが自動車を運転中に,信号を無視して交差点に進入し,道路を横断中の歩行者Bをはねて怪我をさせた」「Aは宗教上の信念から,いかなる場合にも輸血を受けることを拒否する意思を有しており,その意思表示を書面で行ったが,病院は,手術の際,輸血以外には救命手段がないと判断し,輸血をした」「硫酸や肥料を製造する工場から噴出するガスによって米作に被害が生じたとして,付近の農地の地主,小作人が工場に対して損害賠償を求めた」「空港に近接する地域に居住する住民が,空港に対して,人格権ないし環境権に基づいて午後9時から午前7時までの飛行差止めを請求した」「幼児が『こんにゃくゼリー』をのどに詰まらせて死亡した」「テレビから出火して火災が起きた」といったように具体的な例を参照しながら,不法行為に基づく権利等について解説していきます。毎回講義の終わりには復習問題を解いてもらい。答え合わせを行います。その他,講義のまとめをe-classにアップしたり,復習の時間を設けるなどなど,可能な限り復習の機会を設けながらすすめていきたいと思っています。 なお,民法の不法行為,不当利得,事務管理に関する理解を深めることは,債務不履行責任,物権的請求権,法律行為の無効や取消し,契約の解除,委任契約等といった民法の他の制度に関する知識を深めることにも役立ちます。本講義と共に債権総論など民法の他の講義も履修していくことが望まれます。 この授業はネット配信授業となり,設備の使用可能状況にもよりますが,原則として,資料提示に加え,オンデマンドのパワーポイントに音声を付けたものとその動画のストリーム配信,使用できる設備の状況により可能であれば,その他のビデオ動画も加えたものとする予定です。
<到達目標/Goals,Aims>
法定債権関係に関する基礎的な知識を身につけたうえで,日常生活において損害の発生が観念される場合について,誰がその損害を負担すべきかを説明することができるようにする。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
1
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(内容/ Contents)
法定債権の意義,概観,基本構造・事務管理
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(授業時間外の学習/ Assignments)
毎回配布されるレジュメの予習,レジュメと毎回出題される問題と解答の復習,まとめの復習
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(実施回/ Week)
2
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(内容/ Contents)
不当利得概論(1)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
以下同様
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(実施回/ Week)
3
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(内容/ Contents)
不当利得概論(2)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
4
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(内容/ Contents)
不法行為制度とは・一般不法行為の要件:故意・過失(1)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
5
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(内容/ Contents)
一般不法行為の要件:故意・過失(2)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
6
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(内容/ Contents)
一般不法行為の要件:故意・過失(3)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
7
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(内容/ Contents)
一般不法行為の要件:権利侵害・違法性
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
8
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(内容/ Contents)
一般不法行為の要件:損害の発生,因果関係
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
9
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(内容/ Contents)
一般不法行為の要件:責任能力,免責事由
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
10
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(内容/ Contents)
不法行為の効果(1)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
11
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(内容/ Contents)
不法行為の効果(2)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
12
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(内容/ Contents)
特殊の不法行為(1)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
13
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(内容/ Contents)
特殊の不法行為(2)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
14
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(内容/ Contents)
特殊の不法行為(3)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
15
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(内容/ Contents)
総合
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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上記の授業計画は,あくまでも一応の目安です。状況によって予定を変更することがあります。 なお,講義にあたっては,レジュメをe-classで配布する予定です。
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
期末試験(70-80%) 小テスト(20-30%)(2回程度) 不法行為問題解答用紙 (講義ごとの復習テスト:初回配布予定:合格点に満たない場合の救済レポート) の提出についても予定しています。 状況により,変更する可能性があります。
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100%
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法律,判例,学説などの正確な知識を有し,質問に対して適切かつ論理一貫した答えを導き出しているかが評価されます。 今学期オンライン授業の運営および成績評価方法に関する大学全体の方針が固まったことを受けて,民法Ⅴ(不法行為)においても,シラバス(成績評価基準)に所要の変更を加えました。 (1)平常点を評価要素に加え,学習への取組みを確認するために2回程度の,Microsoft Formsの「小テスト」や,2020年度不法行為問題解答用紙 (講義ごとの復習テスト:初回配布予定:合格点に満たない場合の救済レポート)による「レポート」提出(DUETの「メッセージ」,e-classの「レポート」等を利用して提出))を実施する予定です。詳細については,後日Eクラスにて掲示します。 (2)期末の試験は,原則として,授業内評価として実施します。民法Ⅴ(不法行為)は法曹養成プログラムであり,学部の方針に従い授業内評価を行う必要があり,詳細については追ってお知らせいたします。 (3)最終成績は,上記(1)および(2)の得点を基礎にして評価します。
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成績評価は,原則として学期末試験,小テスト,救済レポート((毎回講義の終わりに問題を解いてもらい,その答えを記載したものを)の提出も認め合格点に満たない場合,若干の加点を行っています。)等を含みます。
<テキスト/Textbook>
<参考文献/Reference Book>
<備考/Remarks>
e-classを使用してレジュメを配布する。 なお,講義には必ず六法を持参すること。
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