<概要/Course Content Summary>
このクラスは,3年次演習からの新規登録を認める。 この授業では,日本の裁判制度・民事訴訟手続の全貌について,「法的救済」としての視点から深く具体的に理解し,できれば,改善の方向性を検討することを目的とします。 私は,これまで,当事者主導の創造的な民事訴訟過程の展開可能性を,探究してきました。 裁判制度,とりわけ民事訴訟の手続過程は,いわば原告・被告および裁判所さらには諸種の関係人にとって,一期一会的な出会い,やりとりそして新たな関係形成のフォーラムです。しかも,裁判所は,完全ではないのですが,現在のところ,この地上に存在する最も公正な法的救済の創造機関と考えられます。その法的救済過程は,本来,市民にとって,分かりやすく利用しやすく頼りがいのあるものにならねばならず,一定の柔軟な構造をもつがゆえに,多様な創造的な展開の可能性をも秘めています。 このような法的救済過程によって,両当事者らが,自分たちの手で早期に紛争の核心を明らかにでき,その点に審理の焦点を集中させ,弁護士・裁判官による当事者のサポートを通じて,当事者間における納得形成の手続を実現できるフォーラムとなることを,考えているのです。このような「当事者の手による納得形成」の保障こそが,当事者にとっての手続の充実そのものであり,納得と満足の源泉だと思います。それゆえに,その実現のための第一歩として,裁判制度のあり方について,参加学生の皆さんと共に,考えていきたいと思います。 私は,2008年3月まで勤務していました,九州大学の法科大学院で,「人間に対する温かい眼差しをもち社会正義を実現できる法律家」の養成に努めてきましたが,この授業を通じて,法律家(弁護士,検察官,裁判官等)を目指す人も,また,そうでない人も,この授業では,社会が複雑化し,価値観が多様化した現代社会にあって,多少とも,「公正な紛争解決手続」を支え実現できる社会人を育成することができればと,考えています。 さらに,『Network法学部』2019,20年版も参照してください。 なお,裁判傍聴,ゼミ合宿,歴史的に著名な事件現場の視察なども,参加者の希望を聴いて実施することを考えています。
<到達目標/Goals,Aims>
民事訴訟等の紛争解決手続の理論と実務を学び,プロセスの価値を考究する。 今回は,できれば裁判所見学や模擬裁判も行いたい。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
1回目
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(内容/ Contents)
「法的な救済」,「その手続とは」とは? 私が,問題提起をします。 特に,現在の民事裁判制度およびその他の民事紛争解決制度の現状と課題についてお話しします。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
2回目以降30回まで
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(内容/ Contents)
1回目の授業で参加者の皆さんの問題関心を聴いた上で,2回目以降の授業内容を組み立てていきたいと考えています。 (日本の司法制度を理解した上で,模擬裁判(模擬民事裁判)等も行います)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
毎回レジュメ作成,テーマに関する予習
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(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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様々な法的救済システムなどについて,参加者の皆さんと共に,考えて行ければと思います。
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
平常点(出席,クラス参加,発表,グループ作業の成果等)
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40%
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準備力 他
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クラスでの発表など
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40%
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説得力 他
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クラスへの貢献度
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20%
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質問力 他
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授業中話します
<テキスト/Textbook>
川嶋四郎 『民事訴訟法 第3版』 (弘文堂、2019年)
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