<概要/Course Content Summary>
このクラスは,3年次演習からの新規登録を認める。 この演習は3つの柱があり,第1は現代中国政治に関する研究,第2はプレゼンテーション(2年次から引き続き),第3はグループや組織のマネジメントやリーダーシップである。 大学院で現代中国政治を研究したい学生は,3年次終了ごろまでには相談すること。 3年次演習の履修に際しては,1~2年次のうちに,研究やリサーチについての基本的方法(資料収集,分析,発表)を習得していることが求められる。また,前もって履修すべき科目はとくにないが,国際関係論や歴史の科目を履修し(この演習と並行して履修してもよい),現代中国政治についても新書程度の本を読んでおくことをおすすめする。 なお,2年次演習で浅野のクラスを履修しなかった者も理解できるように説明には十分配慮する。国際関係論の基礎知識(とくにイメージや認識に関するもの)があれば理解はさらに容易となる。 到達目標は,国際関係論や歴史についての基礎知識をふまえた上で,現代中国政治についてのリサーチが自分である程度できるようになることである。2年次の演習よりもより細かいテーマを背景が分かった上でレポートすることが求められる。結果よりもチャレンジ精神を重んじるので高い目標を自分でたててほしい。チャレンジの上での失敗はどのようなものであれ高い評価の対象となる。 レポート例: 北朝鮮問題に対する中国の政策の背景は何か 日本に対する中国の戦略的計算はどうなっているか 中国の対外政策に対して国内政治はどのような役割があるか 「台頭する中国」は国際秩序にどう関わっていくのか
<到達目標/Goals,Aims>
(1)受講者が,現代中国政治についての報道の基本的な背景が比較的深く理解できるようになること。 (2)関連する事件や報道について問題意識をもって分析する姿勢や態度が養われること。 (3)現代中国政治の分野で大学院進学を考えている者が,必要な基本知識と分析手法を身につけていくこと。 (4)特に,2次文献の抜粋で満足しない,より深い理解や分析の追求の姿勢を確立すること。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
[春学期]
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(実施回/ Week)
第1回
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(内容/ Contents)
この授業の進め方の説明
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(授業時間外の学習/ Assignments)
5月連休明けをめどに,テキスト全体に目を通しておくこと。
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(実施回/ Week)
第2回
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(内容/ Contents)
現代中国研究に有益なサイト紹介(1) 国際関係研究から
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(授業時間外の学習/ Assignments)
資料を配布するので目を通しておくこと
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(実施回/ Week)
第3回
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(内容/ Contents)
現代中国研究に有益なサイト紹介(2) 中国語サイトも含めて
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第4回
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(内容/ Contents)
テキストの内容と背景に関する説明
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第5回
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(内容/ Contents)
テキスト講読と発表(1)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第6回
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(内容/ Contents)
テキスト講読と発表(2)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第7回
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(内容/ Contents)
テキスト講読と発表(3)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第8回
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(内容/ Contents)
テキスト講読と発表(4)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第9回
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(内容/ Contents)
テキスト講読と発表(5)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
次週以後,予告される発表や討論の内容について調べておくこと。
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(実施回/ Week)
第10回
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(内容/ Contents)
自主研究発表または討論
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第11回
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(内容/ Contents)
自主研究発表または討論
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第12回
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(内容/ Contents)
自主研究発表または討論
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第13回
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(内容/ Contents)
自主研究発表または討論
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第14回
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(内容/ Contents)
(予備)自主研究発表または討論
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第15回
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(内容/ Contents)
まとめ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
[秋学期]
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(実施回/ Week)
第16~30回
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(内容/ Contents)
春学期の様子を見て,テキストと計画を決める。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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この授業はゼミであるので,履修者の意見を聞きながら柔軟に授業を進めていく。 原則として,春学期全15回の授業のうち,前半は,テキストを読み,21世紀初頭における中国を,外交を中心として,いろいろな分野から考える。余裕があれば,2013~2015年に出版された最新の研究も選んで読んでいきたい。 後半は各人が中間報告を行うか,またはゼミ全体で討論を行う。中間報告とは期末に提出するレポートのその時点での構想や枠組み,使う資料の紹介などである。他人の発表は,よいものもよくないものも非常に参考になるので,よく見ておくこと。 秋学期は,別のテキストを使いつつ,初級~中級の専門書または定期刊行物を読む。進め方は春学期に準じる。 また,他大学との交流も積極的に進める。
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
平常点(出席,クラス参加,発表,グループ作業の成果等)
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50%
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ゼミは出席して当然
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期末レポート試験・論文
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50%
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資料の読み方,主張の展開のしかた,文献リストの有無
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口頭発表あるいは書面レポート,また出席状況で評価する。レポートは論文形式を守っているかどうかをチェックする。レポートをメールで送る場合は送信者名と件名の書き方でも,加点または減点する。 著しい欠席,遅刻,私話なども評価の対象となるが,チャレンジの上の失敗は貴重な財産となるので,とがめない。 なお,テキストを事前に読んでいない場合,全くやる気がないものと判断し,評価の基礎とする。
<テキスト/Textbook>
岡部達味 『国際政治の分析枠組み』 (東京大学出版会、1992)
地域研究への国際関係理論の適用を進めた記念碑的著作。現在ある同様のアプローチを理解するのに非常によいスタートとなろう。この書籍の内容は多くの研究者の共有財産であった。最近は読んだことのない人が増え,その分,細分化が進んで共通言語がなくなり,相互の理解が失われつつある。このテキストは秋学期にも引き続き参照する。
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Gilpin, Robert
, War and Changes in World Politics
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(Cambridge University Press, 1981)
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安全保障論,国際政治経済と国際政治史を統合したとされる古典である。一部はReadingsとして抜粋を読むこともあるが,多くの場合は角の単純化が行われているので,その反省をもとに,ここでは全体の読み込みを目的とする。このテキストは主に秋学期に使用する。入手困難なため,必要な場合は必要箇所のコピーを配布する。
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ここではまず通俗的な中国理解をそのまま受け入れるのではない姿勢を学ぶ。それを経験した上で,中国社会を含めた理解を目指す。
<参考文献/Reference Book>
Boulding, Kenneth
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上記の岡部達味による著作が頻繁に引用している。学術的に究めようとするなら,このように参考文献にある主要な文献に目を通すのが王道である。近道はない。
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社会に出て中国関連の仕事につく,また大学院で現代中国を専攻する考えを持っているなら,年鑑類の基本資料にも目を通しておき,自分なりの情報収集と整理のしかたを少しずつ模索しながら作っていくとよい。
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