シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10306011-002 

△原典講読(アメリカの法と政治)-2
Comparative Studies of American Law and Politics-2
1単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  橋本 誠志

<概要/Course Content Summary>

本講義では,春学期に続いてサイバー法に関するテキストを題材にして,情報ネットワーク社会に生起する様々な問題に関する法的問題と政策動向に関する理解を深めることを狙いとする。本クラスでは,インターネット上の監視とプライバシーをめぐる不公平の原則の問題に関する資料を講読する予定である。web上で展開されるサービスや監視技術が高度化し,生体情報の利用も進む今日,インターネット上での個人データ保護の問題は,単に法律問題としてのみならず,我々の日常生活や企業の経営戦略そのものを左右する重大な問題となっている。講義ではプライバシー権の沿革や個人情報保護に関する欧米と日本の基本的制度を理解するのみならず,情報化社会における個人情報の保護と利用のバランスをどのように図るべきかを考える際の諸要素を検討したい。 
本講義を履修するにあたって,特定の法学部科目を履修することを前提とはしない。なお,入門レベルの情報処理技術(Information Technology)に関する知識があるとより理解が進むと思われるので,意欲のある者は,情報関連科目を積極的に並行履修してもらいたい。尚,本クラスは中級クラスとして開講される。英語の語学力については,基礎的な語学力が備わっていることを前提として講義を進める。法学専門用語以外の基礎的な英文法・英単語の説明は基本的に行わないので留意されたい。なお,文献講読の回では受講生の皆さんに指定担当箇所の意味についての口頭発表をお願いすることを予定していますが,受講生の状況により書面やメールなどによる代替手段による場合がありますので必要な場合は適宜相談して下さい。また,講義形式で行う回については,ハンドアウトを配布する予定です。

<到達目標/Goals,Aims>

本講義では,講義範囲の英文表現・背景事情に関する知識を習得し,講義範囲の専門論文を理解する上での基礎能力を身につけられるようになるとともに,プライバシー権の成立過程とデジタル化情報が流通する社会状況でプライバシー権がどのような変容を迫られているかについての基礎的知識を習得し,当該知識を前提として,受講生各自が従来の単一の学問では十分に解決できない新しい課題について,どのように向き合ってゆくべきかを考えられるようになる態度を涵養することを目的とする。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 講義目的の説明,テキスト配布(1回目)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義時に配布のハンドアウト等により講義で扱う領域の全体像の把握につとめること。英文テキストの意味内容の発表が割り当てられた者は該当箇所の意味内容が発表できるようにしておくこと。 
(実施回/ Week) 2~7  (内容/ Contents) 英語文献の講読  (授業時間外の学習/ Assignments) 英文テキストの内容についての要約課題が割り振られている場合には,当該箇所についての要約を提出できるようにしておくこと。期末レポート試験の解答には全体の趣旨が理解できていることが解答の前提となる。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 第2~7回までの講読範囲関連分野の解説講義  (授業時間外の学習/ Assignments) 解説講義の復習 
(実施回/ Week) 9~13  (内容/ Contents) 英語文献の講読  (授業時間外の学習/ Assignments) 英文テキストの内容についての要約課題が割り振られている場合には,当該箇所についての要約を提出できるようにしておくこと。期末レポート試験の解答には全体の趣旨が理解できていることが解答の前提となる。 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 第9~13回までの講読範囲関連分野の解説講義  (授業時間外の学習/ Assignments) 解説講義の復習 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 全体のまとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容全体の受講生による総括 

上記計画は現時点での目安である。テキストの進行状況に応じて,適宜講義による解説が必要と思われる事項については,上記の計画割にとらわれず,柔軟に対応する。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,発表,グループ作業の成果等)  60%  出席状況(全体の1/3以上欠席した場合は,単位を認めない)と発表等(発表当日の無断欠席は評価の上で特に不利に扱われる)状況を総合的に評価する。発表・クラス参加については,今学期は教室での授業ではなくなったため,指定箇所の要約課題などの提出物による代替を中心とします。 
期末レポート試験・論文  40%  講義で扱った分野の知識が身についていることを前提にして,自分の考えが客観的・論理的に簡潔に述べられているかを書式も合わせて評価します。HP等の「丸写し」にとどまる答案は,採点の対象外とします。 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
44 65.9 15.9 2.3 4.5 11.4 0.0 3.2

<テキスト/Textbook>

開講時,並びに進行に応じ,講義中にプリントを適宜配付します。受講生で購入の必要はありません。今学期は教室での授業ではありませんので,DUETなどを通じた電子媒体による配布が中心となります。

<参考文献/Reference Book>

村上康二郎  『現代情報社会におけるプライバシー・個人情報の保護』(日本評論社、2017)ISBN:9784535522619 
 

宮下 紘  『EU一般データ保護規則』(勁草書房、2018)ISBN:9784326403554 
 

堀部 政男編著  『プライバシー・個人情報保護の新課題』(商事法務、2010)ISBN:9784785717490 
 

石井 夏生利  『個人情報保護法の現在と未来-世界的潮流と日本の将来像-』新版 (勁草書房、2017)ISBN:9784326403356 
 

山本 龍彦  『プライバシーの権利を考える』(信山社、2017)ISBN:9784797227536 
 

曽我部真裕,林 秀弥,栗田昌裕  『情報法概説』第2版 (弘文堂、2019)ISBN:9784335357640 
 

その他の参考文献は講義中に指示します。

<備考/Remarks>

・本講義は今学期については,ネット配信(オンデマンド型)により実施します。教室に集合して行う形態ではありません。授業コンテンツを事前に配信するので,実際の受講は受講生の皆さんの都合のよい時間で学習して下さい。 
・講義中に講読予定の教材は同学期に開講の「原典講読(イギリスの法と政治)-64」とは別のテキストを使用する予定であるが,講義中に配布の参考資料は一部共通することがあるので,「原典講読(イギリスの法と政治)-64」も登録を予定している者や過年度に橋本担当の原典講読を単位修得した者は留意されたい。 
・受講生との日常的な連絡手段については初回授業時に連絡用のメールアドレスを提供する他,レポート課題については教室での紙による配布の他DUETシステム上でのPDF配布も行う予定ですのでチェックしてください. 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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