シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10305811-005 

△特殊講義A-5 (国際物品売買と国際商事仲裁(Vis Moot)2020-2)
Special Topics A-5 -CISG and Arbitration 2020-2-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  川嶋 四郎 野々村 和喜

<概要/Course Content Summary>

   「国際物品売買契約に関する国際連合条約/UN Convention on Contracts for the International Sale of Goods」(通称,CISG・ウィーン売買条約)は,事実上の世界標準の売買法ともいえる重要なものです。ウィーン売買条約は,国際取引実務を行う上で無視できない存在です。また,国際取引で紛争が生じた場合には,特定の国の裁判所に訴訟を提起するのではなく,仲裁(Arbitration)という手続きが利用されることが多いのですが,国際商事仲裁手続きについては,「アンシトラル仲裁モデル法/UNCITRAL Model Law on International Commercial Arbitration」が,事実上の世界標準となっています。 
  この特殊講義では,ウィーン売買条約とアンシトラル仲裁モデル法の内在的な理解を目標に,具体的事案(Vis Moot大会の課題)を素材としてゼミ形式・グループワーク形式で検討を行います。登録履修にあたって国際取引法の知識をすでに備えている必要はありませんが,最終授業時までに相当レベルまで達することができるように,受講生同士でコミュニケーションをとりつつ自学自習することが要求されます。法律英語や英会話のスキルについても同様です。これまでの経験から言えば,平均的な大学生が真剣に取り組めば,ほぼ全員が,最終授業時に当該レベルに到達することができています。また,課題に真剣に取り組む過程で,国際商事紛争における実体法と手続法の基礎を自然と習得できています。 
  この特殊講義では,扱う課題,調査検討すべき文献,自分たちで作成すべき書面はすべて英語ですから,日本語に加えて英語もオフィシャルな言語としています。英語での発言等を義務付けるものではないですが,チャンスを活かして積極的にチャレンジしてほしいと思います。また,この授業は,受講生ひとりひとりが弁護士となり,事務所としてチームを組んで具体的紛争解決(もちろん自分たちの依頼人にとって有利な解決)を目指して仕事をするシミュレーションですので,メンバー同士で緊密にコミュニケーションをとりながらグループワークを行う必要があります。 
 
  なお,この特殊講義は,2020年度末に開催される模擬仲裁の世界大会(Vis Mootウィーン/Vis(East)Moot香港)等への出場を目標にしています。世界中から400校以上のチームが参加する大会にもかかわらず,日本からの参加大学は依然として非常に限られている中(5校を少し上回る程度),同志社大学チームは,Vis Mootウィーン大会およびVis(EAST)Moot香港大会の双方に,過去10年以上連続して出場しています(詳細は,http://www.cisg.law.pace.edu/vis.htmlまたはhttp://www.cisgmoot.org)。チャレンジ精神旺盛な学生の参加を期待します。 
 
  この特殊講義は「国際物品売買と国際商事仲裁2020春」と内容的に連続しています。登録履修を強制するものではありませんが,基礎的な知識の不足部分は自学自習で補うことが求められます。また,この授業は,授業の一環としての活動(プレムート・本ムートへの出場等)を,海外で行うことを予定しています。これらの点について留意してください。 
 
<2020年度特記事項> 
(1) Vis Mootウィーン大会事務局は,状況に鑑みて,2020年度末はオンライン開催とすることを発表しています。香港大会については,大会事務局からの公式発表を待って参加不参加を決定します。 
(2) この授業では,可能な限り対面形式を取り入れることを予定しています。(もっとも,最終的な受講人数次第では,全員が一室に会して討議することが物理的に不可能であったり,そもそも登校不可能な受講生がいることも想定されます。したがって,教室に即席のテレビ会議システムを構築して自宅等からでも出席できるようにしつつ,全員が毎回登校するのではなく,各回に登校する受講生をグループごとにするなどして入れ替えながら運営する可能性があります。) 
(3) 上記のとおり,テレビ会議併用型の部分的対面授業となる可能性がありますので,受講生は,リアルタイムオンライン受講にも対応できる必要があります。(幸い授業時間帯が水曜日の夜ですので,多くの受講生にとって支障はないと考えています。ただし,直前のコマに対面授業があるので毎回対面でないと困るとか,反対に,基礎疾患等により登校できない事情がある受講生については,個別に対応したいと考えています。) 
(4) 上記のとおり,授業形態の詳細は受講生の人数や顔ぶれをみたうえで調整していく必要がありますので,初回授業はリアルタイムオンラインでのミーティングとします。

<到達目標/Goals,Aims>

海外で行われるVis Mootの大会に出場できる程度まで,ウィーン売買条約と仲裁法について理解し活用できるようになる。また,英語の文献・判例を読みこなし,英語で法律的な弁論ができるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) メンバー自己紹介,授業のスケジュール確認,役割分担の決定等  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前にVisMoot大会HPで大会の趣旨や概要を確認しておくことが望ましい 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 当事者,取引内容,請求内容等,事案の基本的な事実関係の確認・共有  (授業時間外の学習/ Assignments) 前週金曜に公開予定の今年度大会課題(事件記録=case record)を各自でダウンロード入手し,全体に目を通しておくこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 事案の争点と,各当事者の主張,根拠とされている法的ルールの確認・共有;グループ分け  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前に事件記録を読み,左の点について手控えメモを作成しておくこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 各争点につき,想定される各当事者の主張について,概要を発表・質疑  (授業時間外の学習/ Assignments) 各グループで,左の発表・質疑の準備をすること 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 大会事務局に質問すべき事項のリストアップ・共有・質疑  (授業時間外の学習/ Assignments) 各グループで,左のリストアップをしておくこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 各争点につき,<仲裁申立人Claimant>の弁護士として,主張のラフスケッチ,および更なる調査検討が必要な事項のリストを発表・質疑  (授業時間外の学習/ Assignments) 各グループで,左の発表・質疑の準備をすること 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 各争点につき,Claimantの弁護士として,作業の進捗状況と,主張全体の具体的なロジカルフローを発表・共有・質疑  (授業時間外の学習/ Assignments) 各グループで,左の発表・質疑の準備をすること;申立人書面(memorandum for claimant)の作成に着手 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 各争点につき,進捗状況の報告・質疑  (授業時間外の学習/ Assignments) 各グループで,左の報告・質疑の準備をすること;申立人メモランダムの作成 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 各争点につき,進捗状況の報告・質疑  (授業時間外の学習/ Assignments) 各グループで,左の報告・質疑の準備をすること;申立人メモランダムの作成 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 申立人メモランダムの取りまとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 各グループの成果の取りまとめに着手して,申立人メモランダムの完成の目処をつけること 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 各争点につき,<仲裁被申立人Respondent>の弁護士として,主張のラフスケッチ,および更なる調査検討が必要な事項のリストを発表・質疑  (授業時間外の学習/ Assignments) 各グループで,左の発表・質疑の準備をすること;被申立人書面(memorandum for respondent)の作成に着手 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 各争点につき,Respondentの弁護士として,作業の進捗状況と,主張全体の具体的なロジカルフローを発表・共有・質疑  (授業時間外の学習/ Assignments) 各グループで,左の報告・質疑の準備をすること;被申立人メモランダムの作成 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 各争点につき,進捗状況の報告・質疑  (授業時間外の学習/ Assignments) 各グループで,左の報告・質疑の準備をすること;被申立人メモランダムの作成 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 申立人メモランダムの取りまとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 各グループの成果の取りまとめに着手して,被申立人メモランダムの完成の目処をつけること 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 口頭弁論の準備等  (授業時間外の学習/ Assignments) 各自で,口頭弁論用の原稿を作成すること 

*受講生の顔ぶれや能力等に合わせて,授業内容が変更される可能性があります。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  100%  報告内容,準備状況,積極的な参加・発言,チームへの貢献度 

なお,授業の一環としての海外活動も,平常点の一部として評価します。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
15 73.3 0.0 0.0 0.0 26.7 0.0 2.9

<テキスト/Textbook>

  授業中に提示します。 

 

<参考文献/Reference Book>

  授業中に提示します。 

 

 

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