シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10305155 

△比較政治
Comparative Politics
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  力久 昌幸

<概要/Course Content Summary>

 この講義では,主にヨーロッパ諸国の政治システムを取り上げて,その比較検討を行います。特に政党や政党システムに関する比較に重点を置いて,ヨーロッパ諸国の政党,および,政党システムの歴史的発展を踏まえたうえで,各国の政党や政党システムにはどのような類似点や相違点があるのか,そうした類似点や相違点はどのような要因によってもたらされているのか考察します。また,政党および政党システムと密接な関係を持つ国家,民主主義,議会,執政府,選挙制度など,ヨーロッパ諸国を中心として政治制度の比較検討も行います。 
 近年,ヨーロッパはさまざまな危機に直面しています。EU各国の財政危機を契機とするユーロ危機や中東地域における内戦がもたらした難民危機は,ヨーロッパに対して深刻な影響をもたらしました。その中で,グローバル化の進行による格差拡大と移民や難民の増加に危惧を覚えた人々の支持を集めることにより,ヨーロッパの多くの国で移民排斥,反グローバル化および反EUを掲げるポピュリズム政党が勢力を拡大することになりました。また,2016年の国民投票におけるイギリスのEU離脱決定やイギリスのスコットランド,スペインのカタルーニャにおける独立運動の拡大など,ヨーロッパにおいて国家の枠組を根本から揺るがす動きも表面化しています。 
 今年度の講義では,イギリス,フランス,ドイツというヨーロッパ主要国の政党および政党システムに注目して,重層的な危機に直面しているヨーロッパの国々がどのような対応を見せているのか比較検討します。また,独立を求める動きが広がりを見せつつあるスコットランドの事例を取り上げて,分離独立をめぐる政党政治についても検討を行い,ヨーロッパにおける国家の変容について展望してみたいと思います。

<到達目標/Goals,Aims>

比較政治の基本的アプローチを理解することができるようになる。 
ヨーロッパ諸国の政治に関する一定の知識を得る。 
政党および政党システムに関する基本概念を踏まえたうえで,ヨーロッパ諸国における戦後から現在に至る変化について理解することができるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) イントロダクション:比較政治・政党・政党システム  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習:授業前にe-classを通じてレジュメ・資料を配付するので,授業内容を確認のうえ,あらかじめ事前学習をしてください(1時間程度)。  
復習:授業で紹介された参考文献を参照してください。また,各回の授業テーマに関係する文献・資料を自ら調べて学習するようにしてください(1時間程度)。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 国家の分類と比較  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 民主主義と民主化  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 議会と執政府  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 政党の組織とイデオロギー  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 政党システムの分類とメカニズム  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 政党とクリーヴィッジ  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 選挙制度と政党システム  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ポピュリズム政党の台頭  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) ヨーロッパの政党・政党システム  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) イギリスの政党・政党システム  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) フランスの政党・政党システム  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) ドイツの政党・政党システム  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) スコットランドの政党・政党システム  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 

 受講者には,授業時間外の自己学習として,各回の授業内容に関連する参考文献にあらかじめ目を通したり(予習),授業中に紹介された文献などを手がかりとした自主的研究(復習)を行うことにより,授業で話された内容をより深く理解してほしいと考えます。なお,障がいのある学生が授業方法について合理的配慮を必要とする場合には,事前に相談するようにしてください。  
 基本的には授業計画通りに進めますが,新型コロナウイルス感染症対策のため,今年度はこの講義をWebを通じたオンデマンド授業で実施することに伴って,授業内容を若干変更する可能性もあります。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

中間レポート(2回)  80%  レポートのテーマにあった論述がなされているか,記述内容は正確か,文章は論理的か,などの点を評価の基準とします。 
小テスト(4回)  20%  設問に対して的確に答えているか,記述内容は正確か,文章は論理的か,などの点を評価の基準とします。 

不定期に授業内容に関する感想を適宜e-classを通じて提出してもらうことにします。授業の感想の提出があれば,最終的な成績評価に若干加味する形で使います。 
障がいのある学生が成績評価方法について合理的配慮を必要とする場合には,事前に相談するようにしてください。 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
232 20.7 35.8 20.7 7.8 15.1 0.0 2.4

<テキスト/Textbook>

  特にテキストは定めませんが,受講者は各回の授業内容に関連する参考文献に目を通すようにしてください。 

 

<参考文献/Reference Book>

G・サルトーリ  『現代政党学』(早稲田大学出版部、2009)ISBN:9784657008299 
 

馬場康雄・平島健司(編)  『ヨーロッパ政治ハンドブック』第2版 (東京大学出版会、2010)ISBN:9784130322034 
 

的場敏博  『現代政党システムの変容』(有斐閣、2003)ISBN:9784130322140 
 

網谷龍介・伊藤 武・成廣 孝(編)  『ヨーロッパのデモクラシー』第2版 (ナカニシヤ出版、2014)ISBN:9784779508059 
 

大林啓吾・白水 隆(編)  『世界の選挙制度』(三省堂、2018)ISBN:9784385321103 
 

粕谷祐子  『比較政治学』(ミネルヴァ書房、2014)ISBN:9784623071449 
 

岩崎正洋  『比較政治学入門』(勁草書房、2015)ISBN:9784326302383 
 

久保慶一・末次浩太・高橋百合子  『比較政治学の考え方』(有斐閣、2016)ISBN:9784641150317 
 

力久昌幸  『スコットランドの選択-多層ガヴァナンスと政党政治-』(木鐸社、2017)ISBN:9784833225113 
 

その他,授業の中で適宜紹介します。

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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