シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10280701 

△日本語学特殊講義(B) (聖教と訓点資料)
Topics in Japanese Linguistics (B)
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  宇都宮 啓吾

<概要/Course Content Summary>

 聖教(しょうぎょう:寺院に所蔵されている書籍類)とはどのようなものかを解説し,その聖教の中から主要なものを紹介するとともに,聖教研究の方法について,言語の点から解説する。その際,語学的側面だけでなく,文化史的な方向へも発展させる。 
 
 詳しく書けば書くほど,難しい内容に思えるかも知れないが,そんな難しいことを講義するわけではない。写本研究の一つとして,【寺院で所蔵される書籍にどんなものがあるか】,また,【そういった書籍を日本語学(訓点語学)の立場からどう分析するか】,【日本語学(訓点語学)の知識の利用でどこまで隣接領域(歴史や文化の研究)に関われるか】といった内容について解説する。 
 
 
1)聖教とはどのようなものか,具体的に解説する。 
 「僧侶の修学・仏教活動の中で著述・書写・収集等によって蓄積された書籍類」である聖教について,その代表的な例とその主要な典籍を紹介し,合わせてその学術的な価値について解説する。 
 聖教がどのような過程を経て形成したかを,主要な聖教を例として解説する。 
 
2)訓点語学の視点から見た聖教の分析について解説する。 
 ヲコト点と加点者(訓点を付した人物)との対応関係に関する知見を手懸かりとして,宗派ごとの聖教の性格について分析する。 
 訓点語に関する知識から,聖教を収集する僧侶達の活動やその教学グループの存在について解説する。 
 訓点語の知識を利用することで文学資料や僧侶の素性を解明する方法について解説する。 
 
3)和漢混淆文について解説する。 
 和漢混淆文について,日本語学的な視点から解説する。

<到達目標/Goals,Aims>

聖教や訓点資料について理解し,その応用としての古写本分析の視点や言語研究の方法を習得できるようになる。 
 
聖教とは何か,代表的な聖教の二・三種とそこに所蔵される代表的な書籍類を具体的に挙げて説明することができるようになる。 
聖教が形成する過程やそこに関与した僧侶の活動がどのようなものであったかを,主要な聖教を例として説明できるようになる。 
ヲコト点と加点者(訓点を付した人物)との対応関係について,その代表的なものを三種程度挙げて説明できるようになる。 
ヲコト点と聖教に記述された奥書・識語を手懸かりとした聖教・典籍研究の方法について,語学・文学・歴史・文化等の面からそれぞれ具体例を一つ以上挙げながら説明できるようになる。 
和漢混交文,並びにそれを構成する主要な言語について説明できるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) オリエンテーション:聖教とは何か  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布プリントの内容確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 聖教の概要(1):近江の聖教  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布プリントの内容確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 聖教の概要(2):近江の聖教  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布プリントの内容確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 聖教の概要(3):近江の聖教  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布プリントの内容確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 聖教の概要(4):近江の聖教  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布プリントの内容確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 聖教の分析:平家物語を巡る問題  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布プリントの内容確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 典籍の分析(1):坂東本『教行信証』と宋版  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布プリントの内容確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 典籍の分析(2):法会・口伝を巡る問題(『枕草子』・『徒然草』・『覚禅抄』等)  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布プリントの内容確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 訓点資料の概要(訓点資料研究と聖教調査)  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布プリントの内容確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておくこと。 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 訓点資料の分析(1):訓点資料と聖教(訓点資料の価値)  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布プリントの内容確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておくこと。 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 訓点資料の分析(2):訓点資料の言語(漢文訓読語と和文語)  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布プリントの内容確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておくこと。 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 訓点資料の分析(3):和漢混淆文の言語  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布プリントの内容確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておくこと。 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 訓点資料の分析(3):ヲコト点を巡る問題(ヲコト点と位相)  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布プリントの内容確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておくこと。 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 訓点資料の分析(3):ヲコト点を巡る問題(ヲコト点から見た諸宗交流)  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布プリントの内容確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておくこと。 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 講義内容に関する理解度の確認  (授業時間外の学習/ Assignments) 提示した課題・問題に対する整理・解決を行なう 

○講義は,配布資料を用いて,口述を中心に行なうため,ノートをきちんと取ること。 
 (そのノートについては,テスト時の持ち込みを認める。) 
○基本的に,上記の計画に沿って講義を進めるが,学生の理解度によっては,講義内容の追加説明と, 
 それに伴って,他の講義内容の短縮・省略を行なう場合がある。 
○授業時間外の学習として,毎時の配布プリントの確認と講義中の課題提示に対する解答を考えておく 
 こと。 
○質問等は,講義時間後にも受け付ける。 
○「特殊講義」という性格上,基本的な内容の確認を踏まえた上で,研究史や専門的内容についても言及 
 する。 
○毎回,講義最後に感想・質問等を書く時間を設定している。これに基づいて,講義内容の補足等も行な 
 う。 
○やむを得ない(正当な理由に基づく)欠席の場合には,教員側としてのフォローを行なうが,そうでない 
 場合の不利益は自己責任とする。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  30%  講義への積極的参加(コメント・感想)を評価のポイントとする。 
毎回,出席を取る。講義不参加5回以上を以て,不可とする。また,4回までは欠席できるという「特典」ではないので,欠席については厳しく対処する。内職・居眠り・不真面目な態度についても,同様に対処し,場合によっては欠席扱いとする。 
テスト  70%  上記,到達目標の各項目を踏まえた問題を出題する。 
(ノート等の持ち込み可:第1回のオリエンテーションで説明する) 

「到達目標」に沿った解答が行えているかを評価する。 
  
〈障がいのある学生についての対応〉 
 合理的と判断され,講義内容や評価方法の大幅な変更,他学生との公平性を損なわない場合には,テスト時間の延長や代替課題等を認めるので,申し出ること。

<テキスト/Textbook>

  プリントを使用。 

 

<参考文献/Reference Book>

  授業中に指示する。 

 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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