シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10280604 

△日本文学特殊講義(中古B)
Topics in Japanese Literature (Old2 B)
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  福田 智子

<概要/Course Content Summary>

 複数の写本が伝来する文学作品について,写本間に存する本文異同から伝本の性格を比較分析する,本文批判の方法を説くとともに,後世における作品享受のあり方を多角的に考察する。 
 本講義では,『古今和歌集』『古今和歌六帖』,平安朝私家集といった和歌文学作品や『源氏物語』を取り上げ,写本間に存する本文異同から,伝本の性格を比較分析するとともに,写本が生み出された時代の政治的・文化的背景を踏まえて,「書写の過程で本文は変わっていくものである」という視点から,平安朝仮名文学の読解の可能性を再検討する。 
 
キーワード:『古今和歌集』・平安朝私家集・『万葉集』享受・『源氏物語』・藤原定家・変体仮名・影印・伝本・異本・データベース  

<到達目標/Goals,Aims>

 変体仮名・くずし字を読み,複数の伝本の本文異同を正確に把握する力を身に付け,文献学的文学研究の方法を習得した上で,その本文異同の解釈の可能性を追究する力を身に付ける。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ガイダンス―本文を書写するということ―  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業中に出された課題に取り組む(30分程度)。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 勅撰和歌集の時代―歌人の身分と「歌の家」意識―  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 平安朝私家集の成立―十世紀後半の和歌活動―  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 『古今和歌集』の伝本―伝藤原公任筆本の存在―  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 和歌の本文異同―「吉野の里に降れる白雪」―  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 平安朝の『万葉集』享受(一)―西本願寺本の訓― 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 平安朝の『万葉集』享受(二)―訓の生成と流布―  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 『古今和歌六帖』の本文(一)―写本と版本― 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 『古今和歌六帖』の本文(二)―題と本文の間―  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 私家集間の和歌の重複―藤原兼家六十賀和歌―  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 散逸私家集の復元―平祐挙の人生と一条朝和歌の表現特徴― 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 私家集の成立年代推定―『為忠集』再考―  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 『源氏物語』諸本分類の問題点 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 『源氏物語』陽明文庫本桐壺巻の本文  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) まとめ―伝本研究の将来(情報科学技術導入の可能性)―  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上。 

対面授業のための教室は一応確保している(Duet等で授業教室が指示されているのはそのため)が,ネット配信を基本とする。リアルタイム双方向性の授業を行う場合も,授業時間帯に受講できなかった学生のために,録画を提供する予定である。詳細な指示はe-classを通じて行う。 
 
なお,受講生の理解度にあわせて,シラバスの内容・進度を変更することがある。 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  50%  授業内容に関するコメント,および授業中に出された課題の提出による。 
学期末レポート  50%  授業内容に関する学期末レポートを課す。 

平常点は,単に授業のコメントや課題を提出すればよいということではなく,指示された内容に応じた答えを求める。また,学期末レポートでは,授業内容を論理的に理解しているかどうかを問う。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
36 27.8 30.6 8.3 8.3 25.0 0.0 2.3

<テキスト/Textbook>

  資料を配付する。 

 

<参考文献/Reference Book>

橋本不美男  『原典をめざして-古典文学のための書誌-』B6判 (笠間書院、1995年)日本古典文学研究の基礎が凝縮されている一冊。本文批判に関する箇所は,ぜひ一読されたい 
 

児玉幸多  『くずし字用例辞典 普及版』四六判 (東京堂出版、1993年)漢字のくずしを読むとき,大いに役立つ 
 

<備考/Remarks>

『新編国歌大観』Web版は,学内LANがつながっている端末からいつでも使用できる。また,VPN接続で学外からでも使用可能なので,ぜひ授業時間外にも試してほしい。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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