シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10270214-002 

△日本文化史演習Ⅱ(2)〔史2年〕-2 (平安貴族の日常を読み解く)
Seminar in Japanese Cultural History II (2)-2 -Reading of the ordinary life of aristocracy in the Heian period in japan from the historical documents-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  堀井 佳代子

<概要/Course Content Summary>

貴族社会の政務や日常を理解するためには,リアルタイムに書き遺された貴族の日記(古記録)が良き道標となる。当授業においては,貴族政権の最盛期である藤原道長の時代に書かれた『小右記』と,武家政権樹立以降に書かれた『猪隈関白記』を扱う。 
 政治形態の異なる時代の古記録を読み,そこに書き遺された貴族の日常に触れることにより,貴族とは何であったのか,彼らは何に価値を見出していたのか,さらには,京都とは一体どのような都市であったかなど,多くの問題のヒントを与えてくれることになろう。本授業の目的は,その時代の社会的背景を読み取ろうとする作業であると同時に,史料に何を語らせるかを考える試みでもある。 
なお,授業は,逐条ごとに担当者を決め,発表・質疑形式で進める。

<到達目標/Goals,Aims>

日記を読むことは混乱を我慢することだ,と云った人がいるが,事実,日記には当時の政務,行事を始めとする日々の出来事に関する記述から,人間関係に至るまで,あらゆる事象が何の説明もなく当然のごとく記されている。従って,慣れるまでには相当の混乱が予想される。ただ,基本的な歴史用語や研究史を理解することにより,そうした混乱は完全に解消されるとは云わないまでも,軽減はされる。授業においては,学生が分担する条文を解釈するに最低限必要な情報にたどり着く手続きを理解できるよう配慮したい。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1講~15講  (内容/ Contents) 春学期に読み残した『小右記』の講読。『猪隈関白記』正治2年(1200)正月からの講読。  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習・復習 

『小右記』『猪隈関白記』どちらか一方に絞って読むことへの希望があれば,受講者の意向に従う。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  30%  発表の内容と回数によって評価する。 
期末レポート試験  70%  担当箇所に於いてテーマを設定し,発表以後の知見を加え論述。その到達度によって評価する。 

歴史学は史料に語らせることにより過去を復元することを目的としていることから,何よりも史料に慣れることが要求される。肩肘張って構える必要はないが,レジュメ作成に際し,どれだけ史料と向き合う姿勢が見られたかがポイントとなる。

<テキスト/Textbook>

講読に際し,必要最低限の史料・参考資料は予め配布する。講読時には発表担当者がレジュメを作成し配布。

<参考文献/Reference Book>

加納 重文  『明月片雲無し-公家日記の世界-』(風間書房、2002)
 

大津 透  『道長と宮廷社会』日本の歴史 (講談社、2001)
 

橋本義彦等  『日本歴史「古記録」総覧 古代・中世篇』(新人物往来社、1990)
 

関口 力  『摂関時代文化史研究』(思文閣出版、2007)
 

<備考/Remarks>

日記は読み方によって表面とはずいぶん異なった情報を提供してくれることを実感する場としたい。 

 

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