シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10270214-001 

△日本文化史演習Ⅱ(2)〔史2年〕-1 (日本古代のヒナ ―編纂物・古文書・出土文字資料から見た地方社会の諸相―)
Seminar in Japanese Cultural History II (2)-1 -A study on various aspects of local cities and villages in ancient Japan: Based on compiled books, historical documents and characters written on unearthed artifacts-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  演習/Seminar

  古藤 真平

<概要/Course Content Summary>

 現代の我々は「中央と地方,都市と農村のバランスの取れた発展は可能なのか」という重い課題に直面している。歴史学においても,中央と地方の関係,都市と農村の関係を解明するという課題意識を持つことが必要であろう。本学期では,編纂物(六国史等の史書,風土記等の地誌,『万葉集』等の文学書,『日本霊異記』等の説話集)・古文書・出土文字資料(木簡・漆紙文書等)を用い,日本古代における地方社会の諸相を具体的に考察したい。 
 授業担当者は民間の財団,独立行政法人管下の研究所に在職した経歴を有するので,得た限りの実践的な知識を受講者に伝授することにも努めたい。具体的には,歴史資料の文化財としての取り扱い(収蔵・貸出・借用・展示),調査・研究(企画・交渉・データベース制作を含む),情報発信などに関する事柄である。 

<到達目標/Goals,Aims>

 第一の目標は,日本古代の様々な史料を読解する基礎を身につけることである。具体的には,大部分が漢文で記されている史料の文章を正確に書き下して解釈できるようになることである。 
 第二の目標は,一つ一つの史料が語ってくれる事柄の背景にある,政治・経済・社会・文化の状況を考察できるようになることである。まずは,関係のある他の史料を併読すること,先学達が積み重ねてきた諸史料の解釈を学ぶことが重要である。その上で,自分自身で考察し,それを文章としてまとめる段階に進む。このような流れの知的作業ができるようになる基礎を身につけることを目標としたい。 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 授業の進め方について説明し,参考文献・辞典類の紹介を行う。受講者からの要望を尊重しつつ,早い回での課題発表が可能な数人を募り,発表順を決める。  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業で紹介した参考文献・辞典類を図書館で実際に手に取って閲覧し,活用の仕方を想定してみることを推奨する。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 授業担当者が課題発表のサンプルを提示する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習。課題発表の順番の近い受講者は発表の準備。 
(実施回/ Week) 3~13  (内容/ Contents) 受講者による課題発表  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(発表予定者から提示された課題に関する基礎知識を確認すること。自身の発表課題と関連が深い場合は,より発展的な予習を工夫して欲しい)と復習(聴講した課題発表で重要性が高い事項,自身の発表課題と関連の深い事項を把握し,学習を深めて欲しい) 
(実施回/ Week) 14~15  (内容/ Contents) 期末レポート作成に向けての指導  (授業時間外の学習/ Assignments) レポート作成 

 第1回授業時に,授業担当者から標準的な課題をいくつか提示する。但し,それはあくまでも例題として提示するのであって,一人一人の受講者が現在取り組んでいる課題,将来取り組んでみたいと考えている課題で,「日本古代のヒナ」と関連付け可能な事柄を選んで差し支えなく,むしろ大いに歓迎する。なお,世界的なコロナ禍のため,春学期の授業は『類聚三代格』講読形式に変更する判断を余儀なくされた。そこで,この秋学期の授業では,春学期で予定していた「日本古代のミヤコ」と関連付け可能な事柄で課題を設定して発表することも可とする。発表を担当する受講者,他の受講者,授業担当者が共同する形で,一つ一つの課題への認識を深められるようにしたい。なお,受講者の課題発表については輪番とし,発表回数が等しくなるように配慮する。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  70%  受講者が行った課題発表の内容を主とし,他の受講者の発表に積極的に質問する姿勢,その他を加味して評価する。 
期末レポート試験  30%  授業で取り扱った研究課題(受講者自身の発表課題,他の受講者の発表課題,どちらでも可とする)について考察を深め,自分の言葉で文章化する形式のレポートを課する。 

 

<テキスト/Textbook>

  受講者による課題発表形式の授業とするので,特定の書物をテキストとして指定することはしない。 

 

<参考文献/Reference Book>

佐藤信  『古代の地方官衙と社会』(山川出版社、2007)ISBN:978-4-634-54080-4 日本史リブレット8。 
 

平川南  『出土文字に新しい古代史を求めて』(同成社、2014)ISBN:978-4-88621-665-6 
 

市大樹  『すべての道は平城京へ-古代国家の〈支配の道〉-』(吉川弘文館、2011)ISBN:978-4-642-05721-9 歴史文化ライブラリー321。 
 

平野芳秀  『古代出雲を歩く』(岩波書店、2016)ISBN:978-4-00-431612-1 岩波新書新赤版1612。 
 

弓場紀知  『古代祭祀とシルクロードの終着地・沖ノ島』(新泉社、2005)ISBN:978-4-7877-0533-4 シリーズ「遺跡を学ぶ」013。 
 

植垣節也校注・訳  『風土記』(小学館、1997)ISBN:4-09-658005-8 新編日本古典文学全集。 
 

 

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