シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10270122 

△文化史特論(2) (日本宮殿史Ⅱ~儀礼・空間・秩序~)
Topics in Cultural History (2) -History of the Japanese Palace-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  川本 重雄

<概要/Course Content Summary>

宮殿,すなわち支配者の住まいでは,様々な儀礼が行われる。祭祀権を独占することによって,支配者であることを強調する儀礼,支配者を頂点とする社会構造を視覚化する儀礼,社会制度を維持するための政務・儀礼など,宮殿は多様な儀礼を行う場として発展した。本講義では,天皇の宮殿はもちろん,貴族社会や武家社会の頂点を極めた人々の邸宅を取り上げ,社会秩序が反映された儀礼と空間の関係を読み解いていく。

<到達目標/Goals,Aims>

日本の宮殿・邸宅の歴史やそこで行われていた儀礼の歴史を知ることができるようになる。そして,社会構造の変化に合わせた儀礼や空間の変化を知ることができる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
 
(実施回/ Week) 1.寝殿造の空間  (内容/ Contents) 平安時代貴族住宅の空間とその機能を,東三条殿の例を通して解説する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 2.正月大饗と臨時客  (内容/ Contents) 大臣邸で行われた儀式の実態とその変化を史料から読み解き,貴族社会の秩序の変化が儀礼や空間の変化とどのように関わるかを検討する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 3.藤原道長の邸宅  (内容/ Contents) 藤原道長の邸宅の歴史を検証し,道長がその屋敷に求めたものを検討し,合わせて貴族住宅がこの時代に変化したことを解説する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 4.類聚雑要抄と貴族住宅における生活  (内容/ Contents) 平安貴族の衣食住を知る貴重な史料とされる『類聚雑要抄』を取り上げ,史料の性格を明らかにすると共に,それを手がかりに当時の住生活を解明する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 5.遣戸の発明と寝殿造の展開  (内容/ Contents) 遣戸は引き違いの建具を指す。10世紀の後半に発明された遣戸が寝殿造に革命をもたらし,その後の書院造に展開していったことを解説する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 6.平清盛の邸宅  (内容/ Contents) 平清盛の邸宅の特徴と平家政権との関係を検討する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 7.閑院内裏と太政官庁  (内容/ Contents) 大極殿や平安宮内裏が失われた後,閑院里内裏と太政官庁を中心に宮中儀礼は継承される。限られた空間において,儀礼がどのように受け継がれたかを検証する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 8.鎌倉幕府と東国の建築文化  (内容/ Contents) 『吾妻鏡』と発掘成果,遺構などから鎌倉幕府や東国の建築文化を探る。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 9.室町幕府の空間と儀式  (内容/ Contents) 室町幕府は,書院造の儀式空間を創出した点で,日本宮殿史の転機となった。足利義政時代を中心に,室町幕府でどのような建築空間と文化が作られたかを検証する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 10.聚楽第の空間と秩序  (内容/ Contents) 豊臣秀吉が作った聚楽第の対面空間と秀吉が作ろうとした武家社会の秩序の関係を考える。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 11.二条城の見学  (内容/ Contents) 二条城の見学  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 12.江戸城の空間と儀式  (内容/ Contents) 江戸幕府は,室町幕府の制度を参考に,武家社会の儀礼を整えた。江戸城における様々な儀式の空間と武家社会の秩序との関係を検討する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 13.近世の京都御所  (内容/ Contents) 書院造の対面空間を取り入れるなど,天皇の宮殿にも新しい儀礼が誕生する。近世の御所において新たに登場した御殿と儀礼との関係を考える。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 14.『大内裏図考証』と寛政度内裏  (内容/ Contents) 裏松固禅の『大内裏図考証』の研究成果を生かす形で寛政年間の京都御所は造営された。生かされた研究成果と生かされなかった成果について考える。  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) 15.明治宮殿と赤坂離宮  (内容/ Contents) 東京遷都に伴って,江戸城西の丸が明治天皇の宮殿となる。そして,その後,明治宮殿や赤坂離宮が建設される。西洋化が求められた新時代の儀礼と近代の宮殿との関係を検討する。  (授業時間外の学習/ Assignments)  

授業計画については,受講者の希望などを反映させ,変更する場合がある。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  20%  受講態度など 
期末レポート試験・論文  70%  授業内容をどれだけ理解し,自分の言葉で表現しているかどうか。 
見学会・実験・実習評価・実技テスト・模擬授業等  10%   

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
21 38.1 33.3 0.0 0.0 28.6 0.0 2.5
 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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