シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10260413 

△現代芸術論Ⅱ
Topics in Contemporary Art II
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  越前 俊也

<概要/Course Content Summary>

前の世紀の転換期ウィーンで活動した美術史家アロイス・リーグル(Alois Riegl. 1858-1905)は,その著書にによって,現代美術に通じる重要な問題系を提示しました。「視覚的受容と触覚的受容の問題」(『末期ローマの美術工芸』1908),「注視を手がかりとする美術作品におけるコミュニケーションの問題」(『オランダ集団肖像画』1902),「記念碑について」(『近代の記念碑崇拝』1903)などがそれに当たります。リーグルのこうした著書を出発点として,リーグルから影響を受けたヴァルター・ベンヤミン(Walter Benjami, 1893-1940)の著述も手がかりとしながら第二次大戦以降の美術を読み解きます。対象となる動向は,抽象表現主義,シュルレアリスム,ミニマリスム,ランドアート,そして近年のプロジェクションによるアート作品とします。単にこうした動向を紹介するだけではなく,こうした表現が生まれ,受け入れられていった社会的,政治的背景についても言及します。

<到達目標/Goals,Aims>

20世紀後半以降の美術通史が展望できるようになる。それぞれの美術表現が生まれた同時代の美術史的アプローチの仕方の変化がわかるようになる。あわせて,同時代の社会情勢,大衆文化の変化についても目配りができるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1  (内容/ Contents) オリエンテーション(アロイス・リーグルについて)  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習 
(実施回/ Week) 2 
 
(内容/ Contents) 視覚性と触覚性  (授業時間外の学習/ Assignments) 下記参考文献の精読,現代美術展の鑑賞 
(実施回/ Week) 3 
 
(内容/ Contents) 視覚的受容と触覚的受容  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 4  (内容/ Contents) 視覚的イルージョン  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 5  (内容/ Contents) 感覚の論理  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 6  (内容/ Contents) 「注視」について  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 7  (内容/ Contents) 観者を想定する絵画と関係性の美学  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 8  (内容/ Contents) 「気散じ」について  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 9  (内容/ Contents) 美術作品における演劇性と没入について  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 10 
 
(内容/ Contents) 眼差しについて  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) メディア論,コミュニケーション論と美術  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) サイトとサイト・スペシフィックについて  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 13 
 
(内容/ Contents) サブジェジュとからプロジェクトへ  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) アート・プロジェクトについて  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の復習 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  30%  授業中に書いてもらうコメントシートを評価の対象とします。 
期末レポート試験・論文  70%  課題については授業中に発表します。それ以外の方法は取りません。 

リーグルに関する参考文献のうち,少なくともどれかひとつは精読してもらうことを前提とします。その上で,学期中もしくはその前後でも,現代美術展を実際に鑑賞してもらうことを受講生には望みます。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
35 28.6 20.0 0.0 0.0 51.4 0.0 1.7

<参考文献/Reference Book>

アロイス・リーグル(井面信行訳)  『末期ローマの美術工芸』(中央公論美術出版、2007)
 

アロイス・リーグル(勝 國興訳)   『オランダ集団肖像画』(中央公論美術出版、2007)
 

アロイス・リーグル(尾関幸訳)    『現代の記念物崇拝』(中央公論美術出版、2007)
 

ロザリント・クラウス(小西信之訳)   『オリジナリティと反復』(リブロポート、1994)
 

マイケル・フリード他  『モダニズムのハード・コア 批評空間 臨時増刊号』(太田出版、1995)
 

 

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