シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10260410 

△芸術批評論Ⅰ
Art Criticism I
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義および実技/Lecture and Skills practice

  川田 都樹子

<概要/Course Content Summary>

 「どうして,これが芸術と呼べるの?」・・・そう言いたくなるようなモノが,アート・シーンにどんどん登場しはじめるのが1960年代です。その後,実に難解な(そしてしばしば不快感さえ伴うような)表現が,「アート」として現在も次々に発表されています。この現状を改めて考察するためにも,その始まりの時期のアート・シーンと,それを支えていた美術批評の理論を概説していきます。   
 「モダニズム」が終焉し,「ポストモダン」が始まったと言われた時代。そのアート・シーンと美術批評を概観し,それらと深くかかわっていた美学や哲学の言説を紹介しながら,それぞれの時代背景を考えます。 
 現代芸術が,過激・過剰な表現メディアに変貌していく過程を,批評理論で追いながら,その理由を探っていきましょう。 
・ねらい: 
現代芸術とその理論を詳しく知り,それを通じて「現代」という時代を考察する。 
・キーワード: 
現代芸術,美術批評,芸術学,モダニズム/ポストモダニズム 
 
・授業の進め方:WEB配信(オンデマンド)授業です。 
 今年度は,e-class内に,動画(mp4)とPDFやWordの配布資料やテキストを置き,オンデマンドのWEB配信で授業を進めます。アート作品の画像を映写しながら音声や文字で解説します。また,その作品や芸術家について書かれた美術批評のテキストを読みながら,批評家の思想を知ってもらいます。 
さらに,その美術批評家がどのような哲学思想や時代背景に立脚しているのかを解説していきます。 
テキストや参考資料はプリント(日本語)を配布するので市販のものを購入する必要はありません。 
 毎回,ごく小さな課題を出します。その提出をもって「出席」とみなします。課題は,毎回,コンタクト・シート(Word形式の書き込み用シート)を配布するので,そこにごく短かい文章を記入して,e-classから添付で提出して下さい。作文所要時間は,毎回,5分~10分程度だと思います。(課題の内容は,その都度,授業動画等で指示します。) 
 Web授業の配信は,毎回,正規の授業時間から1週間とし,コンタクト・シート(課題)の提出も1週間の間,受け付けます。(1週間を過ぎてからの提出は,「遅刻」と見なします。) 
 質問等は随時,e-class と メールで受け付けます。

<到達目標/Goals,Aims>

批評の言説を手がかりに,現代の美術を考察の対象にできるようになる。 
また,芸術作品を通して,「時代」を読み解く思考力を身につける。 
さらに,そこから各自が問題点や関心事を見つけ出して思考を深めていけるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) イントロ:「これは芸術か?」  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) モダニズムの美術  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習。授業で紹介したもの以外に,どのような作品があるのか,図書やwebで調べる(要2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) モダニズムとフォーマリズム批判  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習。紹介する参考図書の指定箇所を読む(1時間程度) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) アメリカ抽象表現主義 / C.Greenberg  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習。授業で紹介したもの以外に,どのような作品があるのか,図書やwebで調べる(要2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) モダニズムの終焉  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習。紹介する参考図書の指定箇所を読む(1時間程度) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ミニマル・アート / R.Morris他  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習。授業で紹介したもの以外に,どのような作品があるのか,図書やwebで調べる(要2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ミニマル・アート / M.Fried  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習。授業中に配布するプリントを熟読する(30分~1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ネオ・ダダイズム / L.Steinberg  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習。授業で紹介したもの以外に,どのような作品があるのか,図書やwebで調べる(要2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 芸術におけるポストモダン  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習。授業ノートの読み返し(30分) 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) ポストモダン解釈 / D.Crimp  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習。授業中に配布するプリントを熟読する(30分~1時間) 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) アクション・ペインティング / H.Rosenberg  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習。紹介する参考図書の指定箇所を読む(1時間程度) 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) ハプニング / A.Kaprow  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習。授業ノートの読み返し(30分) 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) ポップ・アート / L. Alloway  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習。授業で紹介したもの以外に,どのような作品があるのか,図書やwebで調べる(要2時間) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 「芸術世界」 / A.C.Danto  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習。授業ノートの読み返し(30分) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習 

受講者のコンタクト・シートへの記述内容から,授業の速度を落として理解しやすくすべきだと教員が判断した場合には,受講者と相談のうえで授業計画を変更する。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席と小課題の内容の評価)  80%  コンタクト・シートへの記入内容から,授業の理解度,勤勉さ,積極性などを総合的に評価する。 
期末レポート試験・論文  20%  期末レポート:課題を考察するにあたって,授業内容をどれだけ理解し生かせているか,また独自の考察や主張が展開できているか。 

毎回の小課題は,Web配信した動画をちゃんと見て理解しているかどうか,どの程度,どの部分に関心を持ったのかを,評価ポイントにします。 
期末レポートは,自分で,同時代の美術家や美術展についての「美術批評」を書いてもらいます。何を(誰を)批評するのかは,各自の自由です。(授業動画内でオススメの美術展などの紹介もしようと思います。)

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
80 11.3 25.0 13.8 10.0 40.0 0.0 1.6

<テキスト/Textbook>

教科書は特に指定しません。必要なテキストは授業時にプリントを配付します。

<参考文献/Reference Book>

参考文献はその都度,授業中に紹介するので,期末レポートの準備のためにも,自分が関心を持った授業回に紹介された参考文献を読むことをお勧めします。

<備考/Remarks>

教員との連絡手段:e-class もしくはメールでの質問を随時受け付けます。小課題として提出された作文に関する教員からの応答やフィードバックは,次回もしくは次々回のWEB動画の中で扱うか,あるいは,個別にe-classのメッセージ機能によって返答したいと思います。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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